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Prologue

初投稿、がんばるぞい。

 異世界広告。これを押してくれれば簡単に異世界に行けますよ!年齢と名前、見た目、特典などなどを決めてあなたも異世界ライフ!


 最初はただの好奇心だった。一度は誰もが釣られるであろうパソコンの広告とかでよくある無料で100万円チャンス!?とかそういう類いのものであると。

 でも、面白いそうだしお金を請求してくるギリギリの所までやってみよう。こんな事が本当に起こるはずなんてない。その時はそう思っていた。


 だけど、僕は今後悔している。軽はずみにあんな怪しい広告に釣られてしまった事を。



………


……





「どこだ、ここ…」




 冷房や扇風機のものとは違う心地よい風と柔らかな日の光を感じて目を覚ます。視界に広がったのはいつもと変わらない僕の部屋…ではなく、雲一つない青空と青々と生い茂る草原。目を凝らして遠くを見てみれば鋭く三角に尖った大きな山だとか、空高くそびえ立つ塔なんかも見える。




「……夢?僕は今、夢を見ているのか?」




 アニメやゲームでしか見た事のない景色に夢である事を疑って自分の頬をつねる。痛い。ならばと思い、自分の手相を見てみる。ちゃんと見える。他に何かあったっけ…

 多種多様な夢から覚める方法を行っていた僕の後ろからふいにガサッという草を踏む音がした。慌てて後ろへ振り返るとそこには…




『もにゅ!』


「な、ななな…なんだ!こいつは!?」




 足音の正体、それは青色のドロドロっとした化け物であった。化け物の大きさはバレーボールくらいで中心部には淡く光る球体がある。スライム…といった所なのだろうか?そいつはじりじりと僕の方へと近づいてくる。

 まずい…そう思った僕は近くにあった木の棒を掴むとそれをスライムに向けてブンブンと振り回して威嚇する。




『もにゅにゅ!』


「おわっ!?き、効いてない…!」




 それでもお構いなしに進んでくるスライムに振り回していた木の棒が当たる。ぷにゅんと柔らかい感触。攻撃を受けたスライムはまるで堪えてはいない。もう僕との距離は目と鼻の先…!




『にゅっ!』


「や、やめ…っ!」



 その化け物が僕の胸に目掛けて飛び上がった。目を閉じてダメージに備えていたのだが…伝わってきたのはぶにゅっという柔らかなものであり、飛び込んできた衝撃に思わず後ろに倒れてしまうもののダメージはない。恐る恐る目を開けてみると…




『もにゅもにゅ~♪』


「えっ?」




 何が何だかわからないでいる僕の身体の上で跳ねるスライム。この行為を見る限り、僕をとって食べようという考えはなさそうに見える。それどころか…




「もしかして、遊んで欲しい…?」


『にゅ~♪』




 僕がぶにょぶにょの身体を掴んで高く上げてやる。すると、このスライムは嬉しそうな声を出す。なるほど、どうやら懐かれてしまったらしい。ホッと一息ついて、改めて今の状況を考えてみる。




「考えたくはなかったけど…やっぱり、ここは…」


『もにゅ?』




 どうして僕がこんな不思議体験をしているかは何となくだけれど予想はつく。昨日、ふざけて登録した異世界に行けるとかいう広告に登録してしまったからであろう。あんなもの…ただの悪ふざけだと思っていたのにまさか本当に異世界に行けてしまうなんて思いもしなかった。

 改めて今の状況を省みた所で血の気がサァーと引いていくのを感じた。この先どうすればいいんだ。元の世界に帰る方法はないのか?他の化け物もこのスライムのように友好的なのだろうか?




「と、とりあえず人!人がいるところを探そう!僕と同じようにこの世界に来た人もいるかもしれないし!」




 僕はスライムを抱きかかえて立ち上がる。僕の言葉がわかるのかスライムは僕の手から離れて、ぴょんぴょんと誘うように先に進み出した。




『もにゅもにゅ』


「ついてこいって事?…一か八か、君に賭けてみようか。えっと…」




 短い間になるかもしれないけれど、一緒に行動するなら名前くらいはお互い知っておいた方がいいだろう。そう思った僕はキョトンとしているスライムに跪いて手を差し出す。




「僕の名前は明日斗、君の名前はなんていうの?」




 やはり、僕の言葉がわかるようでスライムは横に揺れて、名前が無いことを伝えてくる。一緒に行動するんだったら名前がある方がいい。青色のスライム…ぶにょぶにょ…もにゅっていう鳴き声…




「……『もにょ』君をもにょって呼んでもいいかな?」


『もにゅもにゅ~♪』




 気に入ってくれたようで身体を震わせて喜びを表している。そして、その後に差し出していた僕の手をぶにょっという柔らかい感触が伝った。




「よろしく頼むよ!もにょ!」


『もにゅ!』




 こうして、僕の異世界の冒険は始まったのであった…果たして僕は無事に家に帰れるのだろうか…


…To be continued


アスト(桐野明日斗)16歳

【特典】どうせガセだと思ったので適当に決めた。どんな能力があるのかはまだわかっていない。


何の変哲もない平凡な高校生。運動も勉強もそれなりにできるものの人付き合いが少し苦手。この度はアダルトなサイトを見ていた時に異世界広告を見つけて登録してしまう。

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