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神本くんの忍者稼業  作者: 忍者の佐藤
お嬢様編

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結論から言うと久保さんの方から婚約を破棄された。


 どうやらあの砂浜で散々大声で怒鳴り合う私とお父さんの姿を見た久保さんは、私と結婚するのが怖くなったらしい。もしくは親子喧嘩の中で言った


「あの人と二時間一緒に居るくらいならお地蔵さんと一緒にいた方がマシ」


「結婚生活を想像するだけで吐き気がする」


「もし本当に結婚しないといけないのなら、ここで舌を噛み切って死ぬ」


 など数々の暴言が効いたのかもしれない。


 恐らく久保さんは私の素性を尾ひれ付けて色んな人たちに言いふらすだろうし、何割かの人はそれを信じるだろう。けれど理由はどうあれ、私はこれで良かったと思っている。嫌いな人に気を遣って生きるくらいなら、思いっきり嫌われて、自分の心に素直に生きた方がいい。




 そうそう、あれからお父さんとは全く口を聞いてもらえていなかった。けれど古くから一条家に仕える使用人から、お父さんが久保家に一人で出向き、非礼を詫びて土下座をしたという事を知った。衝撃を受けた。あのメンツとプライドの塊だった人が私のために謝ってくれるなんて。


 いても立ってもいられなくなった私はすぐにお父さんの部屋へ赴き、


「お父さんに恥をかかせてしまって申し訳ありませんでした。そしてありがとうございます」


 と深々と頭を下げた。その時お父さんは何も言ってくれなかったけれど、次の日から徐々に私と話をしてくれるようになった。




 どうしてお父さんの態度がここまで変わったのだろうと考えてみた。一つ思い当たるのはお父さんも若い頃一条家のしきたりに反発し、自分で会社を興した事。そして数年間食べるにも困るくらい苦労していたという事だ。あの日、海で反発した私を見て、お父さんは若い頃の自分を思い返していたのかもしれない。


 何はともあれ私は少しだけ自由になった。習いごとも塾も今まで通り行かなければならないけれど、久保さんとは会わなくてよくなった。それだけで私の心にしかかってきていた重りが全部とれたかのように身体が軽い。それに神本くんと会う許可(厳重な警備の元)もお父さんがくれた。これは心底意外だったけれど。




 そうそう、夏休みに幸枝の新居を訪れる沖縄旅行の許可も貰えた。今から神本くんも連れて行こうと画策している。


 結婚を拒否した私の人生はこれから不安定だ。大変な事もあるだろう。けれどそれで良い。いろんなものに見て、触れて、いろんな経験をする。それをやるための、他の誰でもない私の人生なのだから。それが私の学んだ事。あの忍者が、神本くんが教えてくれた事なんだから。






 お嬢様編 完

お読み下さりありがとうございました。

お嬢様編はこれにて完結です。


まだ続きは書けていませんが、いつか投稿しま、しようとう思います。

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