表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/32

8話【始まりの朝】

文書量がここから増えます。

激動の一日を超え、次の日の朝。


目覚めたヒカルは、自分の知らない天井を見つめ異世界に来ていたことを思い出す。


そして傍らには、何故か知らない温もりを感じて戸惑っていた。


と、いうことで………現在僕は困った状況です。

えーっと、昨日は王様にあった後、リーアと豪華なご飯を食べて、そしてリーアと少し雑談した後は自分に用意された部屋で寝たはずなんだけど………………


現在、えー……何故かリーアが僕を抱いていて動けません。


ていうかどうして一緒のベッドにいるの!?


「えとリーア。ほら、起きて」


「ムニャー……ひかるだー………エヘヘッ………」


声を掛けても起きる気配がなく、気持ち良さそうに寝ている。


一体、何の夢見てるんだろう。知りたいような知りたくないような。


「ほら、リーア。起きてってば」


今度はリーアの肩をゆすりながら起こしてみる。


「………ん…?…むにゃ……ヒカ…ル………?」


「おはようリーア。ここ、僕が寝てる部屋なんだけど…………」


「…おはよう…ございます………そうでした、思い出しました…」


「思い出したって、どうして僕と一緒のベッドに「あぁー!!ヒカルより早く起きて、寝顔をじっくり見る作戦が!」…………」


「そして、ゆっくり顔を近付けて……キャー!!」


顔を両手に当て、一人で妄想して暴走するリーア。


リーアより早く起きといて良かったと、心のそこから思った。

間違いなく何か失う所だった……


リーアは仕方ないとばかりに目をこすりながら起き上がると、ヒカルはその姿をみて唖然としてしまう。


「………なっ……!?」


「…?どうしましたヒカル?」


「……その格好は……なに?………」


ヒカルが唖然とするのも無理はない。ネグリジェというやつだろうか、そのたった一枚しか着ていないのだ。


しかも、下着をつけているようには見えない……………………


「これですか?………あー、そういうことですか」


何かを納得したような顔をすると、頰を染めてモジモジとしながら、からかうようにヒカルへと身体を詰め寄っていくリーア。


「もう、ヒカルったら……ヒカルのためにと思ってこんな姿をしたんですよ?夜中に忍び込んでヒカルと過激な添い寝するはずだったのに、ヒカルったら寝てるんですもん」


「そ、添い寝って………とっとりあえずを服を着よう!じゃないとリーアとは口聞かない!」


「うっ………それは困ります。ちょっとやり過ぎました……ごめんなさいヒカル……」


どうやら思っていたよりヒカルの一言が効いたようで、本気で落ち込んでいるように見える。

流石に言い過ぎたかな……と思ったヒカルは、自分が着ていたブレザーをそっとリーアの肩に乗せ、とりあえず代用の服として着せる。


「はい、これ。女の子なんだから、あんまり薄い格好はしないの」


「……!ありがとうございます!ヒカル!」


何が嬉しいのか、ヒカルが着せたブレザーを大事そうに抱え、幸せそうな顔をしている。


この年頃の女の子は感情豊かでよく分からないと、最近常々と思うヒカルであった。


「ヒカルの匂いだぁ……」と、危険な言葉が聞こえたような気がしたが、幻聴だと信じて聞き流すことにする。


いつもきっぱりはっきりと女性に対して物を言えるりゅうが羨ましいなぁ………


ちなみに、ほとんどの女性がヒカルだけに好意を持ち、リュウゲンには何故か嫉妬やらで逆恨みされることがあるため、女性に対して物怖じなく冷たく接っして、自分に関わらせないようにしてだけなのをヒカルは知らない。


「りゅう………今頃何やってるんだろ……」


「りゅうって、昨日話してたヒカルの親友ですか?」


「うん……こっちに来てるのは間違いないんだけど、どこにいるのか分からなくて」


「確か、一緒にいたせいで魔方陣に巻き込まれちゃったんですよね?」


「そうだよ」←自分で落とした事を忘れてる


「ちょっと心配になるのはわかりますが、自分のせいにしすぎるのは良くないですよ」


実は昨日食事をしている時に、リュウゲンのことをラルファス国王とリーアに話していた。


リュウゲンと一緒になって魔方陣に現れなかったのは、1人の勇者を召喚するための魔法陣だったため、勇者の器であるヒカルが魔法陣に選ばれ、リュウゲンはどこか別の所に弾き飛ばされたのだろう、というのが2人の見解だ。


弾き飛ばされたと言っても、この世界のどこかに召喚されたのは間違いないだろうという指摘も受けてるが…………


やっぱり、どう見ても僕のせいだ。

僕はこうやって正常に城で召喚されたけど、りゅうもそうだとは限らない。

もしかしたら、僕に想像のつかないほど危険な場所に召喚されているのかもしれない…………


そう考えると気が気でなかった。


「大丈夫ですよヒカル。お父様も各地で情報を集め、何か分かり次第捜索、救助をするって言っていたんですし。今はヒカルの身の周りを優先しましょ?」


「そう……だね。昨日言われた通り、早く勇者の力を扱えるようになって、りゅうを探しに行くよ」


「その時は、私にも手伝わせてくださいね」


「ありがとうリーア、その時は頼りにしてる」


そう言った直後、まるで見計らっていたかのようなタイミングでドアがノックされる。

おそらくここのメイドさんだろう。


その予想は当たり、リーアが中へ入っても良いと言うと、メイド長のアーシャ・ハインツが部屋へと入ってきた。


「大変失礼致します。おはようございます、リーア様、ヒカル様」


彼女はこの王宮で、20代と若くしてメイド長を任されており、割とヒカルやリーアとも歳が近い。

その理由もあり、彼女はヒカルの世話係も受け持っているのだ。そのため、ヒカルの事を起こしに来たのだろう。


「おはようアーシャさん」

「おはようございますアーシャ」


「まもなく朝食の時間です。お着替えが済みましたら、食堂まで起こし下さい」


ちょうどいい。僕も少しお腹が空いていたところだ。


「ありがとうアーシャさん。もう少ししたら向かいますね」


「かしこまりした。それとヒカル様、新しいお洋服の方がクローゼットの中に閉まっておりますので、それを着られるのがよろしいかと存じます。ヒカル様専用に、リーア様がご用意したものですので…」


「…そうなのリーア?」


自分の服がちゃんと用意されたいたのを知らなかったため、少し驚いていた。


「はい!昨日私が至急用意してもらったんです。その………気に入っていただけるかはわからないですけど………」


「ありがとう。リーアが選んでくれたものならきっと何でも僕に似合うはずだよ」


そう言うと、頰を染めながら「ヒカル……………」と見つめてくる。


リーアが僕を見る目がなんかやばい気が……………


いつもならリュウゲンが「なんで堂々とそんなセリフが吐けるんだお前は。ヒロイン増産機か」と、ツッコミを入れるのだが、今はいない。

しかし、その代わりに拉致があかないと思ったアーシャがその場を仕切る。


「ゴホンッ………では、リーア様も早く自室に戻り、ご支度をお願いします。今日は王妃様がご一緒になられます故、早々にご支度を整えることを推奨いたします」


「えっ!?お母様が帰ってきてるのですか!?」


「はい。先ほどお戻りになり、朝食をご一緒するとの事です」


その一言を聞いた途端リーアは慌ててベッドから出ると、「ごめんさないヒカル!また後でお食事の時に会いましょう!」と急なようにして部屋を出て行く。

その時間わずか数秒の出来事だ。


そんなに怖い人……………なのかな?


「では、ヒカル様もお着替え下さい。部屋の外に待機しておりますので、終わりましたらお声を掛けてください」


「わっ、わかりました」


僕の返事を聞くと、彼女は静かに部屋の外へと出て行く。


さて、着替えようか。


今の光の格好は、ブレザーを脱いだ状態の制服のまんまだ。

昨日は部屋に案内された後、そのまま疲れて寝てしまったのだ。


早速クローゼットを開けて見ると、アーシャの言った通り一人分の服と靴が用意されていた。

下から、動きやすそうな翼の文様が付いた黒いブーツ、暗い蒼色のズボンに、胸元が良く空いている白いシャツ、そして背中に交差した金色の剣が描かれている純白のロングコートだ。


「へぇ~。少し派手だけど、あまり地球と変わらない服装だ。良かった………」


ロングコートを着ているのにも関わらず、意外と思ったよりも動きやすいし、それほど重さも感じられない。

上等な布で作ったのだろうか。とても着心地が良かった。


今思ったけど、見た目は中世ヨーロッパみたいだけど、中身は自分がいた地球とあまり変わらない気がするこの世界……………


10分程で着替えを終わらせたヒカルは、部屋の外にいたアーシャに声を掛け、王宮を案内されながらゆっくりと食堂へと向かった。



アーシャに案内された部屋には、すでに2人がテーブルに着き座っている。

1人はルーエン国の国王ラルファス。相変わらず厳格そうな顔立ちをしており、歴戦の猛者のような雰囲気を漂わせている。

そしてその右手に座るのは、リーアによく似たとても綺麗な女性だ。

おそらくこの女性がリーアの母親であり王妃でもある方なのだろうとヒカルにはすぐに分かった。


その女性はヒカルが来たことに気付くと、席を立ちヒカルへと挨拶をする。


「あら、あなたが例の勇者様ね?初めまして。私はリーアの母、エルザ・ヴァイゼン・レヴィエルといいますわ」


この人がリーアのお母さんか…………なるほど、リーアが可愛いのも頷けるほど綺麗な女性だ。

友達の母親に、しかもその人が王妃様とか………なんだが緊張してきた………失礼の無いようにしないと……!


「ご丁寧にありがとうございますエルザ様。僕はヒカル・ユウラと言います。よろしくお願いします….!」


そう言うとエルザは突如詰め寄り、ヒカルの手を取ってなんだかキラキラした目をヒカルへと向けてくる。


「え、えと………?」


「そんなに固くならなくても大丈夫よヒカル君!それより、リーアとさっきまで同じ部屋にいたことは聞いてるわ!どこまでいったのかしら?キスはした?それともそれ以上!?キャー!!」


あまりに唐突に乙女のように一人で盛り上がってしまっていて、ヒカルは全くそのテンションに付いていけていない。

と言うよりも、なんだこれ、と言いたくなるような状況で困っている。


そんな状況を打破してくれる声が現れる。


「ちょっとお母様ッ!!一体何をやってるんですか!?というかなんでヒカルの部屋に私がいたことを知ってるんですか!?」


そう言いエルザの手からヒカルを引き離し、その間に立つリーア。


「それくらいの情報なら、私の耳にも入るわ。それよりも遅いわよリーア。淑女たるもの、たるんではいけないとあれほど言っているでしょう」


「うっ………て、それどころではありません!いきなり詰め寄られてヒカルが困っています!あと、ヒカルとは何もありませんでしたので!」


「それだからまだまだあなたは甘いのよリーア。いつでも既成事実を作れる覚悟をするくらいの気でいないと、すぐに他の子にとられるわよ?」


「うっ………くっ…………」


そう言われ、何も言えなくなるリーア。


何か僕の目の前でやばい話しが進んでる気がするんだけど気のせいだよね?そうだよね?


「ねぇ、ヒカル君。リーアのこと、いつでも襲ってもらって構わないわ。責任は私が取るから安心しなさい。ね?」


と、慣れたようにウインクをして言ってくる。

さすがの朴念仁ヒカルにも、その言われた意味が分かっていた。


「そっ、そんな勝手なことしませんってば….!」


「あら、そんな遠慮なさらなくてもいいのに……」


遠慮するしないの問題なの!?


「おっ、お母様!なに勝手なことを言ってるんですか!?」


「いいじゃないの。娘の幸せを願うのは、母親として当たり前よ」

と良いことを言うが、リーアにはどうやら効いていないようで………


「でも、明らかに楽しんますよね!?」


「それはそうです。何せ、お姫様と勇者の物語が今目の前にあるのですよ?女性にとっては目の保養になるのです………!」


「やっぱり……!」


と、ヒカルを軽く置いてけぼりで漫才をする二人に、ずっと座っていたラルファス王がそろそろとばかりに立ち上がった。


「ゴホンッ………二人とも、そろそろ食事の時間だ。ヒカルも困っているし、席に着くように」


「すみませんお父様………」


冷静になってさっきのやり取りを思い出したリーアは、親と言い合ってるところを知り合いに、それも好きな人に見られて恥ずかしいと反省する。


「そうね。そろそろ食事にしましょうか。あとヒカル君、少し言わせて欲しいことがあるわ」


「その……何…でしょうか………?」


さっきのこともあり、少し身構えながらエルザの言葉を待つ。

だが先程とは違い、真面目な雰囲気だ。


「これからきっとあなたは、様々な困難や窮地に立たされることでしょう。ですが、あなたは一人ではない………リーアやこれから出会う仲間達があなたの事を思うように、ヒカル君がみんなを思うその心があなたの力になると私は思うわ。それを忘れないようにね。ふふっ……あと、何かあったら気軽に言ってね?娘の恥ず………可愛い思い出話しくらいなら容易く話すわよ」


「お母様……!最後ので台無しなんですけど!」


そのリーアのツッコミで、その場で笑いが起きる。

あの厳格なラルファス王も、笑みを浮かべているようにも見える。


これがきっとこの家族の日常なのだろう。

エルザさんはとても優しく良い人だと思えた。

そして僕は同時にこの国を……いやこの家族の日常を守れるように頑張ろうと、そう思うほどに。


「そういえば、お姉様はご一緒しないのですか?」


「ネミルなら戻ってきてすぐに魔物の討伐に出掛けたわよ。休みなさいとは言ったのだけど、被害を聞いて大人しくできなかったみたいだわ」


「せっかくヒカルが来てるのに…………」


「確か双子のお姉さん……なんだよね?」


「はい!とっても強い人なんです!」


そう自慢するかのように言うのを見ると、どうやらそのお姉さんのことをとても尊敬しているようだ。


昨日リーアと雑談していた時に聞いている。1人の兄と双子の姉がいて、兄は国境沿いで魔物討伐の指揮を取っているため不在。姉は母親と共に出掛けていて、今日には戻ってくるという話しだった。

リーアに尊敬される人だ。きっと良い人に違いない。


「ネミルは昔から民思いの正義感が強い子でな。騎士としても、この国のトップに入るほどの腕もあるぞ」


「そうなんですね。一度会ってみたいな………」


「……!やっぱ会っちゃダメです…!」


「どうして……?」


「そっ、その……私が困るかも知れないので………!」


「………?」


どうしてリーアが困るんだろうか?

「お前がモテるのは嫌になるほど分かったから、頼むから先に乙女心を知れ!」とよくリュウゲンから言われていたことを何故か思い出す。


「あらあら、なるほどね。私の可愛い娘が苦戦する理由が今わかったわ」


「まあ、いないのであれば致し方ない。ネミルならば自分の配下の騎士もおることだし、大事にはならないだろう」


そして次々と食事は運ばれて行き、テーブルの上に並べられる。

二日目の異世界。

二日目も激動の予感はしつつも、今日一日平和でいられることを願って、今は食事を楽しむのみである。



―――――――――――――――――――



食事をし終わった今は、4人で紅茶を洋菓子のような物を食べ、今日一日のヒカルの予定を話しているところだった。


「さて、実は一人客人を呼んでいる」


「客人……ですか?お父様、その方とは?」


「ふむ…….アーシャよ、彼女は到着しておるか?」


「はい、ただ今ご到着なされたとのことです。お呼びいたします」


「ふむ、頼んだ」


アーシャはその命を受け、速やかに部屋を出る。


一体誰だろうか?彼女と言うからには、女性なのだろう。


五分程待つと、アーシャが誰かと一緒に食堂へと入ってきた。

予想通り女性だった。

元は長かったであろう綺麗な金髪を後ろに結び、胸だけを覆ったプレートの下には白いシャツ、下は青色のスカートに黒いストッキング、そして背中には横幅の短い大剣を背負った格好をしていた。


そしてこの世界には美女しかいないのだろうか。この女性もリーアの母親…いや、それ以上の絶世の美女だ。

それに先程から感じるプレッシャーと隙のない歩き方は、この人が只者ではないとヒカルの直感が囁いていた。


「えっ、嘘!?光帝様!?」


帝って確か、世界で一番強い人たちの事だよね?

そんな人がどうしてここに?


その人は部屋へ入ってくると、すぐに方膝を地面に着けてラルファス王とエルザにこうべを垂れる。


「ラルフェス様、並びにエルザ様、お久しぶりでございます」


「久しぶりねレイテル」


「よく来てくれたレイテル。楽にしてくれてよいぞ」


「はっ!」


レイテルと呼ばれる女は立ち上がると、今度はヒカルの方を向く。


「あなたが勇者様ですね?」


「あっ….はい。ヒカル・ユウラと言います。よろしくお願いします」


「私はレイテル・ベリツェル。ギルドランクZ。2つ名は、トリニティキングが一人《光王》です。現在光帝をやらせてもらっています。こちらこそ、よろしくお願いしますね」


と、笑顔でヒカルに言う。


リンといい勝負だろうか、綺麗な人だな…………と心の中で一言。


「お久しぶりですレイテル様!まさかいらして頂けるとは思いませんでした!」


リーアの様子を見ると、尊敬というより憧れの人を見るかのような眼差しをレイテルに向けている。


「えぇ、姫様お久しぶりです。お変わりないようで何よりです」


ひと通り挨拶が終わり、本題に入る。


「実はレイテルを呼んだのには理由がある。だがその前に、ヒカルの今後についての詳しい予定が決まった」


昨日の時点では、まず勇者の力を扱えるように一年以上訓練をした後、世界各国を飛び回り魔物を討伐していくという大雑把な予定しか聞かされていなかった。


「まずは一ヶ月、身を守るための術をギルド《騎士の剣(ナイトオブソード)》で学んでもらう。その後この世界の知識と魔術の勉強をするために、魔王が現れるまでの数年間は学園へと通ってもらう予定だ」


「学園って…………学校ですか…?」


学校…………異世界にもあるんだ………


「そうだ。本来の狙いはこの世界に適応、慣れてもらうための学園だ。そして通う予定の学園は、この世界でも一番の名門となるため、学ぶことも多いだろう。それに、リーアが世話役として一緒に通ってもらうことになってるから安心したまえ」


「エヘヘ……ヒカルの世話役として一緒にいるのなら、一緒に学園に通っても良いって許可を貰ったんです!」


「良かったねリーア」


ということは今までリーアは学校に行った事がなかったのか…………


きっと、一国の姫がそう簡単に長い期間外出することができなかったのだろう。

学校に行けることがとても嬉しいそうだ。


学校か……………僕も元々学生だったし、元の世界の延長だと思えばリーアと一緒に楽しく通うのも良いかもしれない。この世界での生活に早く慣れるためにも、学校は最適だ。

それにりゅうもその学園にしれっと通っているかもしれないしね。


「そしてその学園に入学するまでの一ヶ月の間、帝の1人でもあるレイテルには、リーアとヒカルの護衛を依頼したのだよ」


「そう…だったんですね。引き受けてもらい、ありがとうございますレイテル様!」


「いえ、これも仕事ですから。ヒカル様、リーア様、改めてこれからよろしくお願いしますね」


「はい!僕の方からも、改めてよろしくお願いします!」

「よろしくお願いしますレイテル様!」


「では、今日の予定は私が所属するギルド《騎士の剣(ナイトオブソード)のギルドマスターを紹介し、その後適正属性の検査並びにギルドカードの発行を予定しています。もちろん姫様も一緒にです」


「ということだ。2人とも気をつけて行くといい」


「2人とも行ってらっしゃい。何かあれば遠慮なく言うのよ」


「では、早速向かいましょう。うちのギルドマスターが仕事から抜け出さない前に……」


そしてヒカル、リーア、レイテルの3人はギルドへ向けて、ヒカルにとっては初めての街へと繰り出すのだった。




















次で一旦ヒカル編最後になります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ