表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/32

2話【非日常】

放課後、ホームルームも終わり今は光と二人で帰ってる途中。

春夏はいつものごとく部活でいなく、仕方なく二人で帰っていた。

まあ光が勝手に付いてきてるだけなんだけどな……


えっ?杉谷?何それ?危険物?

すいません…現実逃避です。

とりあえず杉谷も部活でいない。というか一緒に帰りたくないです。

ちなみに春夏は陸上部のエース的存在だ。


「あーあ……今日も学校だるかったわ」


「今のうちに勉強しないと、後々大変だよ。また僕が徹夜で教えないといけなくなっちゃうし」


「わかってるって。たくっ、学校の勉強だけはやる気でないんだよな。何故か」


「だれでもそういうものだよ」


「まっ……確かにな」


そんな他愛もない話しをしながら歩いていると、前から五人組のいかにも不良らしき男五人が、こちらを向いて歩いてくる。


はぁー……今日もかよ……………


やはりというべきか、五人のリーダーらしき奴が俺らに話しかけてくる。

そいつは怒ってるのか不機嫌なのか、あまりご機嫌が良くないのだけは確かだ。


なんというか、そいつが少し無駄にイケメンだからムカついてくる。


「勇羅光ってのはどいつだ?」


「僕……ですけど?何かようですか?」


するとリーダーらしき男は突然キレだした。


「そうかてめえか!?よくも俺の彼女取ってくれたな!?どう落とし前してくれるんだ!?あぁ?」


「なんのことだかわかりません!落ち着いて下さいよ!」


本当になんのことだかわからず、あたふたする光。

だが向こうはそのまま光に詰め寄り、胸倉を掴みはじめた。


「これが落ち着いていられるかっ!おい、てめえら…」


リーダーらしき男がそう言うと、後ろの男四人は怖い顔をしながら手をポキポキとさせて光と俺を取り囲み始める。

どうやら俺も仲間だと思われたらしく、逃がす気は無いようだ。


さて、この状況的には自分も何故か巻き込まれてるふうなんすけど………なんで?ホワイ?


実はこんなこと一度や二度じゃなく、まじで日常茶飯事なんで俺は冷静でいられるけど………なんで?

いつも思うけど、関係ないっすよね?俺…………


こんなことを考えてると、相手のリーダーらしき男が仲間に指示をだす。


「俺はこいつを1人でやる。お前ら四人は隣の陰険野郎をやれ!」


「こんな見るからに弱そうな陰険野郎が相手ですかい?こりゃ、リンチだな」


陰険野郎ってまさか俺のことか……………


リーダーは指示し終わると、そのまま光を俺らには見えない別の場所へと連れて行く。そして残るのは俺と野郎四人。


ですよね~

陰険ってやっぱり自分ですかい……って、待てよ?

今こいつら俺を陰険野郎って……舐めてるのか?


「おい、雑魚!金だすか、ボコられるかどっちか選びな?まあどっちもやるけどな?」


男の一人がそう言うと、他の男共も声を高らかに笑い出す。


プチッ……………


すると自分の中にあるものが一つ切れた。


しかし、何の反応もしない俺に男四人は戸惑う。


「おい!?聞いてんのかよ雑魚!」


プチップチップチッ


俺は静かに、しかし強く言う。


「おい……」


「「んあぁ?」」


そして次はおもいっきり強く…

「誰が陰険野郎の雑魚だ糞やろうぉぉォォォ!!!」


「「ウオッ!?」」


俺が突如ぶちキレたことに驚く男四人。

なんか男四人じゃ伝わりにくいからチンピラ共でいいや。


「てめえらわかってんだろうな?俺に向かって陰険野郎だと?殺す殺す殺す…んっ?そういうば、光を連れてった野郎も俺に言ってたな…後であいつも殺す。まずはてめぇらからだ糞やろぉォォ!!」


「ふっ、フンッ!やれるもんならやっみやがれ!!」


チンピラ1がそう言うと、俺の顔面目掛けて右手で殴りかかってくる。

俺はそれを殴られる前に、右足を素早く綺麗に一直線に振り上げ、足裏で相手の顎を容赦なく蹴る。

チンピラ1は声も上げずに白目になりながら空中を舞い、そしてあっという間にノックダウン。


それは僅か3秒の出来事。


一瞬の出来事でさらに驚くチンピラ残り三人共。


「こんなのは、まっ…まぐれだ!今度は全員でやるぞ!!」


今度は三人同時に俺に殴りかかってきた。


いいかこの世には怒らせてはいけないものがあると教えてやろう。


そして五分後……


俺は最後に倒したチンピラの上に乗りながら、ずっとそのチンピラを殴っている。


「俺に詫びろ!そして死ね!」


殴られている方は白目を向きながらも時々「すい…ません……でした…」というが、それでもやめない俺。

そしてとうとうチンピラはガクッとなって気絶する。

それをきっかけに俺は冷静さを取り戻していったのだった。


「あっ…………やべ、少しやりすぎたな。まあ、光の方に行くか」


俺はとりあえず立ち上がると、無残に横たわるチンピラ共を後に、光の所に向かった。



そして光VSチンピラリーダー


おー!やってるやってる。

意外に長くやってんなーあの二人。光相手なのに意外にあのチンピラリーダーもやるなぁ……


俺は二人を見つけると、声は掛けずに少し遠くから見守ることにした。

二人共まったく俺に気付いていない。


さて、お手並み拝見といこう。


対峙する二人。どちらも息を切らしながらも動かない。


「チッ…見た目によらずやるじゃねぇか…」


「もう、止めて下さい!僕には何のことだかわかりませんし、僕は喧嘩なんて好きじゃないんです!」


「そんなもん知るか!こっちはてめえのせいでむしゃくしゃしてんだよ!」


チンピラリーダーはそう言い、光の顔面目が掛て殴りかかる………が、光は冷静に顔を少し反らすだけで難なく避ける。

しかし、それで終わらないチンピラリーダー。

反撃されるまえに、使っていない方の腕で光の腹を殴った。


「グッ…まだだ!」


「…なっ!!」


光は根性かなんかで耐えると、相手の右腕を掴み華麗に背負い投げ。チンピラリーダーもさすがに反応できず、諸に背中を地面にたたきつけられる。


「がぁッ!!」


「はぁ…はぁ…はぁ……」


さすが光さん。お強いことで。

だが、まだ終わってない。


「はぁぁぁぁぁぁあ!!」


「…っ!!」


チンピラリーダーは叫びながらゆっくりと立ち上がった。それを見てびっくり仰天の光君。


「まだだ!俺は負けられねぇ!」


一体どこの青春世界ですか?まったく……そろそろ飽きたぞ。


そして二人を止めるため、俺は動くことにした。


「まだやるの…もういい加減「うっせぇっ!ここまで来たら男の喧嘩だ!!どっちかが勝つまでやるんだよ!」


ハイハイ、いい加減飽きたのでここいらで仲裁しまーす。


「あー、はいはい。そこまで」


「てっ、てめえはあの陰険野郎。まさか、奴らがやられたのか!?」


ピキッ


まあ、今のは聞かないでおこう。


「あの四人なら今ごろ地面で寝てるんじゃないか?あ…やばい一人重症かもしれん。いやいやつい感情的になってな。サーセン」


どうやら何か癇に障ったようで、みるみる顔が赤くなるチンピラリーダー。


「てっめぇ!!ふざけんな陰険野郎!!」


プチッ


そう言ってチンピラリーダーは、右手で俺の顔面に殴りかかってきた


仏の顔も三度までって言うけど……俺に3度目はない。我慢できるのは一度までだ。


俺はその拳を片手で綺麗に止める。そして受け止められたことに驚くチンピラリーダー。

さらに俺は掴んだ相手の手に力を思いっきり入れる。ちなみに驚くことに俺の握力150越え。


「…うぁっ……!」


あれ?最初のも入れたら三度目か?まあ、いいや。ムカつくし……


あまりの力の強さと痛みに、チンピラリーダーは膝を地面に付き、左手で俺の手を切り離そうと躍起になるが、一向に剥がせない。


「さて、どうしようかな?穏便に済まそうと思ったんだけど…あんたが悪いんだよ?そんじゃ、さらば出落チンピラ」


「何を……」


俺は手を掴んだ状態で無理やり立たせると、男のポリシーでもある股関を容赦なく蹴る。


「なっ…!ギャアアアアア゛ッ!!」


そして、この世界にチンピラリーダーの叫び声が響き渡ったのであった。


さすがのチンピラリーダーもこれには一瞬で失神。そして白目を向きながら倒れた。


わーお……自分でやっといて股関が疼くぜ。

光なんか蹴られたのを見て、両手で股関を隠してるし。


「やっと終わったな。ほら、いつまでやってんだ?帰るぞ」


俺は何もなかったかのように、家に方角に向かって歩き出す。


「あっ…ちょっと!」


光も慌てて、俺の横を歩く。


「やっぱさすがだね、りゅうは。無傷で四人も…あの人も入れて五人?」


「なに言ってんだ。総合的な身体能力ならお前の方が上だろ?武術もお前だし…まっ、違うとすりゃー腕力と喧嘩の経験だな」


「それでもすごいよりゅうは!」


光はキラキラした目で俺を見ていた。


俺が言った通り身体能力と武術では光が上。

俺の親父は総合武道の師範であり、大分厳しい人だ。息子の俺は、当然ながら物心付いた時から武術を叩きこまれていた。

そして小五の頃突然光は現れ、親父の道場に入門した。そこから俺の不幸は始まった。

小6の頃の俺は、武術なら大人と互角にやりあえるほどだった。

そしてある日、光と試合をやることになった。結果は光の勝ち。たった一年始めたばっかの奴に俺は負けたのだ。

その試合から親父の俺を見る目が変わった。

その次の日から親父は、いつもは俺に付き添いで武術を教えていたのに、負けてからは光にだけ付き添いで教えるようになった。


親父に必要とされなくなった俺は、母親に救いを求めたが、光を気に入ったのかまるで自分の息子のように光と接していた。俺を除いて、親父、光、母親で食事に行くほどだ。悲しみや憤りを激しく感じたが、なんとかあることをすることで耐えた。

あることとは喧嘩である。

まるでストレスを発散するかのように毎日喧嘩をした。中一の時、大学生ぐらいの不良相手に何度かやったぐらいだ。そのせいか、同年代近くの奴には恐れられ、友達を作ることができなかったが、何故かその時から光は妙に俺に懐いてくるようになった。


喧嘩三昧は中2まで続き、中3では受験の為、自分から喧嘩をするのを止めた(この時半年間ぐらい海外に修行?)。そのため現在のストレス発散法は、アニメや小説、ゲームなどの二次元で補っている。



やべぇー……なんか軽くシリアスな話しになっちゃった。

まあ、そこらへんの不良を簡単にあしらうことができるのは、こんな過去があるからってことさ。

なんか今思い返すと、本当に俺可哀想じゃね?


とまあ、長話になったけど本編にもどろう。


「そういえば光。お前、明日総合武道館で試合だろ?いいのか?俺なんかといて…」


「大丈夫。今日はりゅうのお父さんにゆっくり休めって言われてるから」


「ふーん…そうか」


今日は帰ったら昨日のアニメの続きを見よう。


そう思って足を早めようとした時、異変が起こった。

目の前には、なぜか眩しく輝いている地面がある。


「何これ?」


光がなんも警戒せずにその地面に近づいていく。

よく見るとその輝きは円形の形をしていて、知らない文字が多数書いてあった。


そう、これはあきらかにあれだ………


まさかこれって魔方陣か?

それがほんとなら、勇者召喚→魔王討伐→勇者世界を救う……………なら狙いは俺ではなく、主人公タイプの光を連れていくはず。



………よしっ!巻き込まれないように逃げよう。


「えっ………?」←光


と、俺が逃げようとした時、俺に触れるか触れないかぐらいまで魔方陣は大きくなり、そして大きな穴が空いて光を吸い込もうとする。


「うわあぁぁぁぁぁ!!」


「光ざまぁ…w」


と、思ったのも束の間、光が俺の足を掴んでいた。


「なっ!!」


「りゅうも一緒だよ…?」

と、怖い顔をして言うと俺の足を引っ張りはじめる。


「い・や・だぁぁぁぁぁ!!」


そして俺と光は謎の穴に完全に吸い込まれるのであった。というか落とされたのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ