25話【精神世界】
今さらだが、まさかこの俺がどっかの感動ドラマよろしくみたいなもんを自ら体験するとは…………………
イセカイマジオソロシイ。
次からは感動ドラマ系アニメ主人公のようなセリフを吐くのは気を付けよう。
思い返すと普通に恥ずかしいです……………
だかまあ………今回は仕方がないかな。なんつっても、俺の妹の話しだからな。
ユキナのためになるなら、こんな感動的な展開も悪くはないかもしれない。
「んじゃあ、ユキナも納得したということで…そろそろ始めますか」
「では、私とメルルは先程言われたようにしますね。この魔方陣なら、ある程度の魔力量も処理してくれるので、安心して精神世界へ行ってきてください」
「ありがとなルメオさん。もちろんメルルさんも」
「どういたしまして。あとの面倒は任せてね」
そう親指をグッと立てながら、任せろと言わんばかりの顔でメルルは言う。
「おう、頼んだわ。それじゃあユキナは、俺が渡したその薬を飲んでくれ。飲んだらすぐに眠らすから、覚悟しとくように」
「あっ、はい……!」
ユキナは先程渡した薬を一気に飲む。
魔力が体に宿るのが、待ちきれないような様子だ。
「そうだユキナ。俺と手を繋いでくれないか?その方が、ユキナの精神世界へ行きやすいんだ」
「わっ、わかりました…」
ユキナは少し恥ずかしがったが、躊躇なくリュウゲンの手を自分から握ってきた。
表情を見た限り不安というより、むしろ何故か嬉しそうな表情だ。
まあ、不安になられるよりはましか。
今から俺がやる魔術は、なるべく近くにいた方が成功しやすい魔術だ。
つまり失敗の可能性も高い魔術でして………………
この手を握る行為も、ユキナとの繋がるための役目もあるし、眠ってしまう前の感情が不安定だと、俺の危険度が高まるという理由もある。
人は誰かと手を繋ぐと安心するものだろ?
リュウゲンは一度深く深呼吸をし、これから行使する魔術の為に集中する。
「さて、始めるぞ?」
ユキナが頷いたのを確認すると、リュウゲンは詠唱を始める。
「…………暗き眠りへと我らを誘え。《ナイトメア》……」
闇属性睡眠魔術。
ユキナには即効性のを、 自分には10秒ほど意識を保てるものをかける。
ユキナの意識がすぐに落ちたのを確認すると、すぐさま眠る前に心の中で、精神世界へと行く魔術を唱えることに集中する。
この魔術は、使用者自身の意識も飛びかけそうな状態でないと使えないという条件はあるが、詠唱は魔術名のみで心の中で唱えるだけなので、余り難しくはない。
だが、危険な魔術であるのは間違いないだろう。
意識がなくなる前に……早く………《マインド・ハック》…………!………………………
そして気付けばリュウゲンは、闇の中へと落ちていた。
次に目を覚ましたら、俺は地面に仰向けで寝ていた。見えるのは、どこまでも続く白い空のようなものだけ。
一瞬天国かとさえ思うほどの白さだ。まさにザッ・白世界と言えるだろう。
「成功…………したのか……?」
一旦リュウゲンは、ここに来る前の記憶を思い出しながら頭を整理すると、立ち上がって周りの景色を見回す。
うん………とりあえず定番に驚いてみるか……………
「なっ…………なんだこりゃあ!?」
そこは、俺でさえ驚く程の異様な光景だった……………………
―――――――――――――――――――――
一方、 リュウゲンとユキナが眠りについたその時、訓練室ではメルルとルメオの二人が、仲良く手を握って眠りについている二人を見守っていた。
「二人とも眠りましたか……」
「突然リュウゲン君の体が黒く光って、それがユキナちゃんへ移動したときはびっくりしましたけどね………」
「おそらく、この子が妹さんの世界へ行ったということでしょう」
実は、リュウゲンが心の中で魔術を唱えた途端、彼の体から黒いオーラのような光が発せられ、その黒い光が二人を繋いでいる右手を通して、ユキナの体へと乗り移っていったのだ。
しかし、一分程でその黒い光が消えたため、今はもう発せられてはいない。
その時メルルは突然の黒い光にあたふたし、ルメオはそれを研究者の面白いものを見たような目で見ていたのは言うまでもない。
つまり、実際驚いていたのはメルルだけだ。
「眠ってから3分といったところでしょうか……成功してると良いのですが…………」
「あれー?珍しく心配してるんですかマスター?ニヤニヤ」
「気持ち悪いですよメルル。ですが、心配なのは本当です。彼は私の大事な研究素材でもありますから」
「それ、本人の前では言わないで下さいよ?いくら大人びてるとはいえ、まだ学生ぐらいの年の子なんですからね」
「やはり、まだまだですねメルルは………彼はそれほど柔ではありませんよ?」
「はいはい。どうせ私はまだまだですよーだ!」
ぷんぷんと不機嫌になるメルル。
ルメオはいつも通りと言わんばかりに、その反応をスルーしていた。
そしてルメオは、先程のリュウゲンとユキナのやりとりを見てあることを思っていた。
(彼の過去に何があったかは知りませんが、私にはリュウゲン君が妹さんに固執しているように見えました。まるで自分の心の中にすっぽり空いたものを、妹さんで埋めようとしている……そんな感じですかね…)
「どうしました?」
「いえ、大丈夫です。いつもの考え事です」
「余り考えすぎると、脳ミソ破裂しますよ?」
「それは、よく考え事をしたことがあってから言ってください」
「えー!それじゃあまるで私が、いつも何も考えないで生きてるただの馬鹿みたいに聞こえるじゃないですか!」
「…………………」
まさにその通りと言いたげな表情で、無言と化すルメオ。
「えっ、そこで無言ですか……」
「言って分かるなら、今まで苦労はしなかったですよ」
やれやれと言わんばかりに、呆れ顔で言うルメオ。
実はこんなやりとりは二人にとっては日常みたいなもので、そのためルメオにはメルルの次の行動が分かっていた。
それは、逆ギレすること。
「ムキャー!私だって、ちゃんと考え事するときがあるん「ゴフッ…!」です……よ?……はい?」
それは、寝ているはずのリュウゲンから突如聞こえたもので、突然のことにメルルだけでなくルメオも怪訝な顔をする。
「ゴフッ…!」
すると今度は先程よりもはっきりと咳き込み、口から血を吐いたのだ。
しかも、未だ睡眠状態のままで。
それを見たメルルは、慌ててリュウゲンの元へと行くが、何をどうすれば良いのかが思いつかない。
「まっまっまっマスター!!どっ、どうすれば!?」
「落ち着いてください。ただ血を吐いただけで、他に以上はありません。まだ呼吸も安定していますし、おそらく精神世界で何かあったのでしょう。これはその影響です。少し冷静になれば、それぐらいわかるはずですメルルにも」
「だっ、だって………いきなり血を吐くとは思わなかったんですもん…」
「とりあえず、拭いてあげてください」
「あっ、はい……」
メルルは幸い持っていたハンカチをポケットから取り出し、リュウゲンから血を拭き取る。
(しかし、やはりですか…………妹さんの精神世界から攻撃されているということは、魔力が封印された根源に着実に進んでいるのか、もしくはもう見つけているみたいですね。私の考えが正しければ、リュウゲン君を追い出そうと妹さんの精神世界が動くはずです。その奮闘を見れないのは残念ですが、気を付けてください。攻撃されるだけなら、問題はないですが………)
吹いた血をある程度拭き取っていたメルルは、心配した顔で寝ている二人を見ていた。
「気持ちは分からなくはないですが、そこまで心配することはないと思いますよ。言ったでしょう?呼吸は安定していると。おそらく、何かに不意をつかれただけでしょう。そうでなければ、そう簡単に彼がダメージを受けるとは考えにくいですし」
「まあ、確かに…心配なのもありますけど……………二人を見てると思い出すんですよね。私の妹のことを………私もこの二人みたいに、もっと仲良くなるのを頑張っとけば良かったなーって、思うんです……」
「そうですね。珍しく考え事かと思いましたら、そういうことですか。今さら言っても、後悔しか感じられませんよ」
「私だって、わかってるわよ………」
そして、ルメオにとっては珍しくメルルは無言になる。
彼女の事情を知るルメオにとっては、彼女が今どんな気持ちをしているのかがある程度把握していた。
「もし、あの家に行くことがあったなら、仲直りするのも悪くはないかもしれませんね」
「ほう………あれほど帰りたくなかった実家に行ってもいいだなんて、少し変わりましたか?」
「どうですかね?そうだと嬉しいな………」
それはメルルにとっては願ってもないことだ。
彼女がこのギルドへ来たのも、そのためなのだから。
「変わるのは悪いことではありませんが、面倒な方向には変わらないようにお願いしますね」
「むっ………それってどういう意味ですか?」
「ここへ来たばかりのあなたは、とても面倒でしたから……………あっ、今もですね」
「ちょ…さらっと現在形にしないでくださいよ!?」
「まあ、何はともあれ……」
「ツッコミ無視ですかい………」
「私達はこの子たちを見守る事しかできません。今出来るのはこれぐらいですから」
「彼……無理をしてないといいですけどね」
「無理ですよ。あの話のあとじゃあ、必ずリュウゲン君は妹さんの魔力を解きます」
「マスターがそう言うなら、そうですね。あとは、帰ってくるのを信じるのみ………」
メルルは二人が一緒に帰ってくるのを信じて、ルメオは絶対の確信のもと、二人が無事にこちらへ戻ってくるのを見守るのみだった。
――――――――――――――――――――――
そして話しはユキナの精神世界へと戻る。
リュウゲンはひたすら自分が今いる世界を歩いていた。
さてさて、これは一体なんなんだ…………?
行けども行けども、異様な光景が目の前に広がっている。
何分程歩いただろうか。
少しはこの異様な光景に慣れてきてはいるものの、どこか複雑な気持ちになってしまう。
ここってユキナの心の世界だよな?頼むから誰か説明プリーズ。
俺でもさすがにこれは怖い。
うん…………だからなんで俺がこんなにもいるんだ?
リュウゲンが驚くのも無理はなかった。
実はこの空間の至るところに、リュウゲンと同じ姿の人形(動く気配がない為)らしきもの達が、見渡す程かなりの数いるのだ。
さすがの俺もこれには初っぱな唖然。
ある俺は空中で静止、ある俺は突っ立ってるだけ、ある俺は笑っていたりなど、色々な表情とポーズをした俺が至るところに飛び散っている。
一番見たくなかったものまで見てしまった。
それは、俺がイケメンアイドルみたいな爽やか笑顔で、ジャ〇ーズよろしくという風に、イケメンアイドルがやりそうな気持ち悪いポーズをしている。
これは恥ずかしすぎる………まったく何の罰ゲームだよ!
ほんとマジ俺しかいなくてよかった………………
メルルさんにでも見られてたら、腹抱えて笑われるのは必須だな。
リュウゲンの人形以外にも、いろいろな色をした本が宙を浮いてそこら辺に散らばっていた。
確かユキナの唯一の趣味が本のため、本がこうやって精神世界にあるのだろう。
しかし、俺がこんなにいる理由がようわからん。
四六時中俺のことしか考えてないようにも推測できるが………………いや、さすがにそれはないだろう。
まあ、いいや。
とりあえずいい加減何か進展したいところだが……………
リュウゲンは何となくそこら辺に浮いていた、茶色の本を取る。
結構な分厚さだが、一体何が書いてあるのだろうか。
好奇心とばかりにその中身を開いてみると、またもやリュウゲンは唖然とした。
「これ………白紙やん……!」
他のページもめくってみるがやはり全て白紙であり、本の表紙の方を見ても何も書かれてはいない。
どういうことだ?と思いながら本を見ていると、その現象は起こった。
突然と白紙のページから、文字が浮かび上がってきのだ。
「なんか文字が浮かび上がってきたな…………」
浮かび上がってきた文字はこの世界の文字のようだが、リュウゲンにはそれが読める。
何故かこの世界来たときから、ここの文字を読めるという謎の事態が起こっているため、余裕ですらすらと読めている。
まるで生まれたときから、この文字を使っているような感覚が何故かあるのだ。
これも、この世界に召喚される際の召喚陣による補助だろうとルメオには言われていた。
まっ、この世界の文字を勉強しないで済んだのはほんとラッキーだわ。
それじゃあ、えーっと………………どれどれ………
ユキナ・カミヤ
15歳
大貴族 《リヴァイス》家の元次女
父親は《リアン・リヴァイス》、母親は《ミレイヤ・リヴァイス》。
現在はリュウゲン・カミヤの妹…………………って、これまさか……ユキナのプロフィールか!?
他のページも見ると、ユキナとリュウゲンが出会う前の事も書かれているようだ。
なるほど…………じゃあ、この本はユキナの記憶みたいなものか?
なら、読むのはやめておこう。覗き見してるみたいで、あまりいい気分にはならないし。
こういうのは本人に聞くか、話してくれるまで待つかが良いしな。
それにしても《リヴァイス》家ってのは大貴族の一つなのか…………………
後でルメオさんに聞いておこう。ユキナに万が一あったときのためにも、知っておいて損はないしな。
「それにしても、本と俺以外は何もねえな」
「まあ、八割貴方のことだからね」
「八割俺ってどんだけ好まれ…てん……ねん……?は……?」
待て。なんで俺の真後ろから、ユキナの声が聞こえる?
しかもいつからいやがる………まったく気付かなかったぞ。
リュウゲンはゆっくりと後ろを振り向くと、そこには一番最初に出会ったときに着ていたワンピースを着ているユキナがいた。
違う点といえば、そのワンピースが新品同様なことだけ。他は、ほぼ間違いなくユキナ本人だ。
「えーっと……………まさかユキナか?」
「うん!私はユキナのプラスの感情を司るユキナだよ!よろしくね!」
「まっ、待て!ほんとにユキナなのか?俺の知ってるユキナはそんな感じじゃないんだが……」
「私は本来のユキナの性格だよ!言ったよね?私はユキナのプラスの感情だって」
そう、明るい笑顔でニコニコとそう言うユキナ。
リュウゲンの知っているユキナと雰囲気も性格も違うため、かなり驚いていた。
てか、このユキナは天真爛漫ときたか。
もしこの雰囲気でお兄ちゃんって呼んでもらえたら………………ブフッー!
いやいやいや。今気にするところはそこじゃないだろ。
ほんとにユキナの感情の集合体がこのユキナなら、何か魔力について知っている可能性がある。
聞いてみるしかないな。
それにしてもプラスの感情か…………って事はマイナスの感情を司るユキナもいるのか?
もしそうであるならば…………………………
今俺が予想した事が間違いであることを祈ろう。
そうでなければ予想よりこの魔力解放ミッションの難易度がぐんと高くなる。
とりあえずこのユキナは光ユキナと呼称しとこう。
「とりあえず、君がプラスの感情ってのはわかったよ。そこで一つ聞きたいことがあるんだけど……」
「いいよー!なんでも聞いてねお兄ちゃん!」
ガハッ…!
効果抜群!神谷竜玄は9999のダメージを受けた。
「大丈夫?」
突然倒れるリュウゲンに、光ユキナは心配そうな顔をして下から覗きこんでくる。
これが真の妹萌えかと、悟った時だった。
お兄ちゃん呼ばわりされるのがこんなにいいとは………………
「あっ、あぁ……一応は…な」
なんとか立ち上がると、改めて光ユキナと向かい合う。
相変わらずこのユキナはニコニコ笑顔だ。可愛いからいいけど。
「お前がユキナなら、自分の魔力がどうなってるかわかるか?」
「うん!わかるよ。なんたって私自身の事だからね。お兄ちゃんが私の魔力をどうにかしようって来てくれた事も分かってるつもり」
「なら、教えてほしい。ユキナの魔力はどこにある?」
「んー……どうしよっかなー………」
悩むような素振りを見せる光ユキナ。
教えたくても、何かあるのだろうか。
少し悩んでいると、何かを思い付いたかのような反応をする。
「それじゃあ、お兄ちゃんはさ………ユキナのこと大事?」
何故その質問してきたのかはわからないが、俺の答えは言われる前に決まっている。
「何を言うかと思えば、当たり前だろ。今や、たった一人しかいない俺の大事な妹。むしろ、過保護になりたいぐらいだぞ」
そう、光ユキナの頭をいつものように優しく撫でながら言う。
それを聞いたユキナは、嬉しそうな笑顔と共に突然とリュウゲンに抱き付いた。
「お兄ちゃん大好き!!」
ぐはッ!!
クッ……今のは効いた………………なんかもう、人生に悔いはない……ッ!
この言葉を全国のお兄ちゃんが聞いたら、卒倒するレベルだなもはや。
恐るべしプラスユキナの妹度……………………
あまりの威力に膝が地面に屈しそうになるのを何とか耐え、冷静になる。
「んっふふ~」
リュウゲンの腹に顔を擦りながら、抱き付いたまま離れない。かなり上機嫌なのは確かだ。
「ほら、ユキナ。それで教えてくれるのか?」
「うん!いいよ。教えてあげる」
「ありがとな」
そして、お礼にというよりいつもの感覚でこの光ユキナの頭を撫でると、さらに上機嫌になり抱き締める力が強くなる。
頭を撫でられるのが好きなのだろう。
「でもね。一つだけ問題があるの」
「問題?」
するとユキナは一旦リュウゲンから離れ、どこか悲しいそうな顔をする。
「うん………ちょっとね……」
「言ってみろ」
光ユキナがこんな顔をするってことは、かなり深刻な問題みたいだな。
ほんと、なんとかなるレベルならいいけど……………
「実はね……そのユキナの魔力があるところには、もう一人の私がいるの」
「もう一人のユキナ?…………………まさか、そいつってマイナスのユキナとか?」
「すぐに分かっちゃうなんて、さすがだねお兄ちゃん。うん………そうだよ」
「マイナスのユキナとユキナの魔力とは、何か関係があるみたいだな」
「うん………というよりも、彼女がユキナの魔力を封印してるの。だから、彼女をどうにかしない限り、魔力を解き放つことはできない」
「負の感情を司るもう一人の闇ユキナ………ね……」
「私は分かってるよ。もう一人のユキナとは、出来れば会いたくないんだよね?」
「まぁ……それもあるな。てかこんな話しして、本物のユキナの方に記憶は残るのか?」
「残らないよ。私はユキナであり、ユキナではないもの。だから、少しぐらい愚痴っても大丈夫。きっと、ユキナはあなたと常に居続けたいし、そしてユキナはお兄ちゃんの味方であり続けるよ。私だから分かるの」
ゆっ……ユキナ………………
「嬉しいこと言ってくれるなー!こんにゃろー!」
リュウゲンは思わずユキナの頭をくしゃくしゃと撫でる。それも嬉しいのか、無邪気な笑顔でそれを受け入れてくれた。
今のユキナを変わらせることができるのなら、もしかしたらこんな感じになるのかもしれないな。




