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いじわる3人組

作者: 田久青

よし子ちゃんは、元気がありませんでした。


なぜなら、クラス替えで


またあの意地悪な3人組と一緒になったからです。



「神様、絶対にあの3人組と一緒のクラスになりませんように」


ずっと、毎日、お願いをしていたのに・・・どうして・・・。


考えただけで、落ち込んでしまいます。



よしおくん


さとしくん


みのるくん



この3人は、とても仲のよい3人組で


いっつも、一緒に遊んでいます。


そして、いっつもよし子ちゃんにいじわるをしたり


からかったりしていました。



髪の毛をひっぱたり、


大切なノートを取り上げられたり、


くつを片方隠されたり、



よし子ちゃんは、この3人が


だいっ嫌いでした。


顔を見るのも、話をするもの、3人のことを考えるだけでも


ゆううつになってしまいます。



ある日曜日のことです。


よし子ちゃんは、お母さんと一緒に買い物に出かけました。



少し歩くと、よしおくんの家の前を通りかかりました。


その家の庭からあの嫌いなよしおくんの声が


聞こえてきました。


その声のほうを見ると


「さあ、いっぱい食べな」


とても可愛い子猫にミルクをあげています。


今まで見たこともない、優しい顔をしたよしおくんは


一生懸命、その子猫の頭をなでています。



「へえ、子猫にあんなにやさしくしてる・・・」



猫が大好きなよし子ちゃんは、よしおくんの


意外なところをみて、びっくりしました。



しばらく歩くと、今度は、さとしくんの家の前を通りかかりました。


その家の中から、あの嫌いなさとしくんの声が


聞こえてきました。


その声のほうを見ると


「おばあちゃん、肩こってるね」


さとしくんが、おばあちゃんの肩をたたいています。


今まで見たこともない、優しい顔をしたさとしくんは


一生懸命、おばあちゃんの肩をたたいています。



「へえ、おばあちゃんにあんなにやさしいんだ・・・」



よし子ちゃんもおばあちゃんが大好きだったので


さとしくんの意外なところを見て、びっくりしました。



しばらく、歩くと


横断歩道の向こう側に、あの嫌いなみのるくんが立っています。


みのるくんは、よし子ちゃんに気づいていません。



横断歩道が青に変わると


目の不自由なおばさんが、おそるおそる渡り始めました。


すると、みのるくんが「大丈夫ですか?」


と声をかけると、その目の不自由なおばさんの手を持ってあげ


横断歩道を一緒に歩き始めました。


今まで、見たこともないようなやさしい顔で


そのおばさんの手を持って、一生懸命です。



「へえ、えらいなあ、みのるくん・・・」



よし子ちゃんは、みのるくんのことをみて


こっちまでやさしい気持ちになっていました。



次の日、よし子ちゃんは学校へ行きました。


よし子ちゃんは


よしおくん


さとしくん


みのるくん


の3人への印象が昨日のことで前と変わっていました。



いつものように、意地悪3人組は、よしこちゃんに


いろんな意地悪をしてきました。


今までなら、顔も見るのも声を聞くのも嫌でしたが


昨日のことがあってから、ちゃんと顔を見て


ちょっと、微笑んでから「意地悪はやめてね」


と声をかけていました。



意地悪3人組は


嫌がったり、逃げ出したりする、よし子ちゃんを


いじめるのがおもしろかったので


急に、いじめるのが面白くなくなってしまいました。



その日から、3人組がよし子ちゃんにいじわるを


することがなくなりました。



そして、いつのまにか


とても仲のよい4人組になっていました。


回りからは、仲良し4人組だね、なんて言われるくらいでした。



おわり






お読みいただきありがとうございました。

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