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虚数仕掛けのRPG  作者: カササギラノ
第1章 虚数世界 編
4/6

1+3i 話 捕獲魔法

洞窟。思っていたより暗い。




「…大丈夫ですか?しっかり付いてきてくださいね。」


…大丈夫なわけが無い。

フィーナがいることでまだマシだが、

(ホラーが苦手な私が暗いところに強いはずないじゃん…)

「ナー…ナー…」

フィーナも怖がっている



「あーそうだ、獣使いの杖は振ったら先端が光りますよ?」




早く言ってほしかったなあ…

(ほんとだ、光った)

安心感が半端ない

この世界は実にいいように出来ている

しかし、


(モンスターの気配しないんだけど…)

ここまで何も無いと逆に心配になる。

「ところでモンスターってどこにいるの?」


「私たちが今通っているのは奥に進む用の通路なんです。そして、モンスターがいるのは、この道から左右に分かれてる道の先です。」


「そうなんだ、じゃあ行ってみようよ」


「そーですね、洞窟にも慣れてきたみたいだし行ってみましょう!あ、でも…」






「出てくるモンスターは私でも分からないからくれぐれも気をつけてくださいね!」







(そんな盛大にフラグ建てて大丈夫かな…)


そんなこんなで分かれ道に入った。


雰囲気が変わる。


「あ、そうだ!いま捕獲魔法教えちゃいますね!」


「『捕獲魔法』?」


「サキの~、3分で分かるモンスター捕獲講座ー!」


(なんか始まった…)




《手順① 杖を変形させます》

「杖の柄の部分が反対方向にスライドできます!」


《手順② 捕獲したいモンスターに魔法陣を合わせます》

「杖を振ると先から光が出ます。その光をモンスター

に合わせましょう!」


《手順③ 捕獲魔法を言います》

「獣神魔法:虚獣契約、捕獲魔法第1章:実体捕獲。みたいな感じです!」


『捕獲完了』と、杖が言う。

…出来た。

子供のドラゴンを捕まえた。

(案外可愛いかも…)


「あ、捕獲できる確率はモンスターの強さによって変わるから気をつけてくださいね!無理はしないように!」


「講座終了!いざ、モンスターの元へ!」


「うん、そうだね、頑張ろう。」

(サキってこんなに明るかったっけ?…)



未だに真っ暗な細い道を、ひとつの光を頼りに進む。

少しすると大広間のようなところに出た。


「何も…ないですね…」


「他の道を当たろうか」


そう言って元きた道に戻ろうとすると




ドシーン!




突如けたたましい音と共に壁が立ちふさがった。


「これじゃ帰れない…」


『我の住処に立ち入った者、ただで返すわけにはいかない。』


広間のど真ん中で爆風が起こり、大きなドラゴンが現れる…

(またしてもフラグ回収ですか…今回は流石にやばいな…)


『我はこの洞窟の統治者ディザスタードラゴン、いざ、決闘だ。』


直後、ドラゴンの口から炎が吐かれる。





これヤバいやつだ…




「逃げましょう!」


「どうやって!?」


「…頑張って。」


(仕方ない…)

「…よし!私があいつを捕獲する!」


「いくら何でも無茶ですよー!ディザスタードラゴンは危険度SSSの伝説級のドラゴンなんですよ!?そんなことしたらアヤが死んじゃいます!」


「そんなこと言ったって…このまま何もしなければ2人とも死んじゃうんだよ!?」


「でも…」


教わった通りの手順をして、最後に私は今までにないくらい大きな声で叫んだ。





「獣神魔法:虚獣契約、捕獲魔法第1章:実体捕獲!ディザスタードラゴンを捕獲する!」


ディザスタードラゴンが魔法陣と共に杖の先に消えていく。質量保存の法則を思いっきり無視している。


「うっ…」

心臓が締め付けられる。身体が動かない。

(やっぱり、無理しすぎちゃったかな…ごめんね、サキ…)


「アヤさーん!生きてますよね!?死ぬわけないですよね!?ねえ、返事してください!」


「私も…死んじゃうのかな…」


サキは地面に転がった杖を見つめる。
























『捕獲完了』







「…え?」






「…ん?」






「…嘘でしょ?」





「…危険度SSSだよ?」





「…アヤさん!アヤさん気づいてください!捕獲成功です!」

サキは薬のようなものを飲ませてくれた。すぐ気づいた。

(捕獲成功?ほんとに?)



「良かったー!死んじゃったかと思いました…」


「大丈夫だよ、ありがとう。それより、捕獲成功って…」


「捕獲出来たんですよ!ほんとうに。せっかくですから呼び出してみましょうよ!」


「うん、分かった!獣神魔法:虚獣契約、召喚魔法第1章:実体召喚。いでよ、ディザスタードラゴン!」


…出た。


…ほんとに出た。


…さっきのディザスタードラゴンだ。


『我を捕獲したのはそこのお前か?』


「はい、私ですけど…」


『そうか、今からお前は我の主だ。何か命令を。』


「命令?そんなのないよ、ピンチになったら助けてくれればいいから。」


『何と!?そんなことでいいのか、お安い御用だ。ではこれからよろしく頼む』


そう言ってディザスタードラゴンは杖の先に戻って行った。


「とりあえず…帰ろうか…」


「…そうですね…」


今自分たちが置かれている状況を理解しないまま私たちは小屋を目指す。これからどうなるのか、本当に予想できない。


(洞窟の統治者なんて捕獲して大丈夫なのかな…)


アヤの肩書きに『1級フラグ建築士』が追加されました。

まだ虚数要素が出せてないのがすごく心配です。

次回から最後に各キャラのステータスを書こうと思います。

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