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虚数仕掛けのRPG  作者: カササギラノ
第1章 虚数世界 編
3/6

1+2i 話 はじめての仲間

もう森の中をさまよい始めて2時間。

そろそろ疲れてきた。


(そもそもこんな森の中に人なんているのかな…)


考えたところで今はこれしかやることがない。

根気よく探していると、ようやく人を見つけた。

後ろ姿からして、女性だ。

開けた土地にぽつんと建った木造の家のそばで何かしている。


(日本語伝わるかな…話しかけてみよう…)

「あ、あの、すいません…」


その人は振り向いた。身長は低めで幼さが残っている(と言っても何歳かは知らない)。とりあえず今言えることは、

(可愛い…)


その人は振り返った。

「はい?その姿…もしかして転生者ですか?」


(あっさり日本語伝わった…それにしても転生者ってなんだろう)

「いえ、転送者です。さっきこの世界に来て、人を探してたら偶然ここに来て…」


「あー、森に転送されたんですね、お疲れ様です。それにしても…やっぱり背は小さいですね笑」


(あ、確かに、あんまり考えてなかったけど現実世界よりも小さいな…)

「やっぱり、と言うと?」

気になったので聞いてみた。


「この世界の創造主さんがロリコンで、ここに来る子はだいたい背が小さいんです。全く、困ったものですよね笑」


(あーその事実知りたくなかったわ…あいつがロリコン?…キモい…)


「あ、そうだそうだ、自己紹介が遅れました。私、サキって言います。あなたが転送者なのに対して、私は転生者です。」


「『転生者』ってなんですか?」


「そっか、まだこの世界に来たばかりですもんね、転生者って言うのは…」


転生者というのは現実世界で亡くなった際に、あのロリコンピエロに依頼されてこの世界に来た人らしい。

転送者と違って現実世界に戻ることがないので、情報提供が多いらしい。

また、職業なども転送者と違うものがあるらしい。


「ちなみに私の職業は『研究者』です。対象モンスターのステータスが分かったり、職業や技の詳細な情報が分かります。…と言っても、まだここに来て1年目なので、まだまだですが。もっと洗練されると、職業が、『博士』になって、対象を見るだけで全てのステータスが分かるようになるんです。ところであなたは、獣使いですか?」


「…あ、はい。そうです。」

話に引き込まれて、返事が遅れてしまった。

(研究者凄すぎない?)


「やっぱり!凄いです!なかなかいないんですよ?獣使いって。割合にすると全転送者の中の2%くらいです。」

いや、本当はもっと希少だ。なぜなら彼女は、『上級』獣使いだからだ。それこそ、0.001%いるかどうかくらいの割合だ。その事実を、当の本人も理解していない。


「そうなんですか?あまり自信ないんですよね…」

(というか、できればなりたくなかった。)


「大丈夫ですよ!すぐに慣れます!詳しいことはまた後で教えますね。」


「あ、ありがとうございます。」


「もしこれから冒険に出るのでしたら、ご一緒させてもらえませんか?全力でサポートしますので。」


(これって仲間になるパターン?良かった、やっとぼっちじゃなくなる…)

「はい!ぜひ。こちらこそお願いします!」


「ありがとうございます!冒険に出るまでは、私の小屋にいてください。ここはモンスターが出ないので、安全です。ここで技やスキルの練習などもしましょう。」


「はい。ありがとうございます!」


「じゃあ早速、獣使いの技を練習してみましょう!」


こうして私たちは技の練習を始めた。

最初は獣を呼び出すだけで一苦労だし、呼び出してもなかなか扱いになれなかった。


そもそも、獣の種類が違いすぎる。


まず、獣には実数族(リアル)虚数族(イマジン)、そして複素族(コンプレクス)の3つの属性があり、それぞれに、固有特性やスキルがある。

それを理解するだけでも大変だった


ただ、サキとはだいぶ仲良くなってきて、休憩時間は現実世界での話題で盛り上がった。

どうやらサキは、生前もかなりの美少女だったらしい。(モーレツに羨ましいんだけど…)


そんなこんなで3日が経過した。

随分慣れてきて、力を込めなくても獣を呼び出せるし、使役も上手くできるようになってきた。


そんな中、私はパートナーとなる獣を決めた。

もちろん実戦ではたくさんの獣を呼び出すが、その分体力の消費が激しいため、大体の獣使いはパートナーをきめ、パートナーと共に私生活を送っているらしい。


私はもちろん猫を選んだ。獣と言ってもかなり幅広く、小動物などもいる。それをサキから聞いて少し安心した。


「獣神魔法:虚獣契約、召喚魔法第1章:実体召喚。いでよ、私のパートナー、『フィーナ』!」


天に向かって掲げた杖の先に魔法陣が現れ、可愛い子猫が出てきた。


「ナー、ナー」

(…か、可愛い…)


「ついにパートナーとの契約が終わりましたね、これで正式にフィーナはアヤさんのパートナーです。」


「ありがとうサキ、あなたのおかげだよ。」



(もう3日も経ったのか…)

「アヤさん、明日少し遠くの洞窟に行ってみませんか?実際にモンスターを倒して見ましょうよ!」


「いいね!行ってみたい!」


出会って5日め、ついに2人はモンスターに挑む!

3話目でやっと仲間が出来ました

ここまで来たら男性キャラを出す気はありません笑

あと余談ですがフィーナの名前は数学者フィボナッチの名前からとりましたー

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