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虚数仕掛けのRPG  作者: カササギラノ
第1章 虚数世界 編
2/6

1+i 話 職業

…目を開く。


ここはもう現実世界では無い。

私、アヤは今この虚数世界(イマジナリーワールド)の住人になったのだ。

転送された先はどうやら森で、鳥のさえずりなんかも聞こえて来る。

近くにあった池の水面に映った自分の姿を見る。


(え、まって、可愛い…。これ女子が惚れるレベル…やった、勝ち組!)


自分の転送後の姿に見とれ、胸の大きさに満足していると、タイミングを見計らったかのようにあの声が聞こえた。


『やぁ、転送は成功だ。その姿は気に入ってくれたかい?そしたら、君の前にある宝箱を開けてほしい。』


(これかな…)

上部にタッチパネルが付いた宝箱を開けようとする。



「…開かない。」



(…いや、たしかにお決まりのパターンだけど、まだチュートリアルにも入ってない感じだよね?もっと簡単に開かないの?)

どうにかして開けようとしてパネルに触れると…


《虚数世界ノ適合者診断ヲ行イマス》


(宝箱が、喋った…?)

喋ったと。言っても、口がついているわけでもなく、スピーカーなども付いていない。

(どうなっているんだろう…)


《気ニシタラ負ケデス》


(なんで?心読んでるの?)

原理は分からないが、こっちの思考が宝箱に伝わるらしい。流石虚数空間(イマジナリースペース)、はじめからなんでもありだ。


《デワ、以下ノ問題ヲ解イテクダサイ》


宝箱がそう言うと、タッチパネルにいくつかの問題が映し出された。


①1・1・2・3・5…34・A

Aに当てはまるものは何か

②31415926535897932384626433A

Aに当てはまるものは何か

③上記の問題の解答の共通点は何か


ちょっとした数学の問題だった。

(この世界って数学いっぱいって感じなのかな…だから私が必要だったのか…)

私はすぐに答えを入力して「回答」をタッチした。


《回答二、カカッタ時間:8.29秒。クラスAノ適合者トシテ職業ガ与エラレマス。》

(クラスA?なんか良さげじゃない?。職業か…何になるんだろ…)

《…職業ガ決マリマシタ。アナタノ職業ワ



・上級獣使い



デス。コノ箱ヲ開ケルト、ソノ職業二ナリマス。》


(……はい、フラグ回収お疲れ様でーす…困ったな、猫以外の動物は苦手なんだよ…)

文句を言っても仕方ないので、仕方なく宝箱を開けた。


別に中から煙が出たり、正義のヒーローみたいな演出もなかったが、気づいたら服が変わっていた。手元にはΦみたいな形の杖がある。

(それにしても…露出が激しい。)


《コレニテ、新転送者ナビゲーションシステムヲ終了致シマス》

そう言って、宝箱は消えてしまった。

なんだか、少し寂しい。


『君の職業は獣使いだね。しかしAランクとは…やはりぼくの見込んだ転送者だ。ここから僕は干渉しないから、自由に過ごしてくれ。』


「あの、ひとつ聞いていいですか?」


『なんだい?』


「いつ現実世界に戻れるんですか?」


『僕が消えた時か、君が転送者としての役割を果たした時だよ。』


「あなたが消えた時、というのは…?」


『詳しいことはいい。とりあえず今はこの世界を楽しんでくれ。』


「は、はい…」


これを期に、その声は聞こえなくなった。

残ったのは、多大な不安だけ。そして…


「私獣使いで本当に大丈夫なのかなぁ…」


…こうつぶやく彼女は、獣使いの凄さをまだ知らない。


(とりあえず、人を探そう。そしたら何か分かるかもしれないし…)


こうして、駆け出しの上級獣使いアヤは、人を探すべく、森の中をさまようのだった。


(あ、人が見つかっても日本語通じるのかな…)

またひとつ、心配事が増えた。

本文中の問題の答えは、

①55 ②8 ③3を法として合同

です。③に関しては考えたらいくらでも出てきそうですがそこら辺は…はい。

あと、今考えたら駆け出しの上級獣使いってかなり矛盾してますね…

まぁそこは多めに見てください。

もし良ければ次話もよろしくお願いします。

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