表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様に拉致されました  作者: 柴犬
9/26

第八話 ウィル の無理矢理な日常 5

ストック が切れました、なるべく早く書きます。

 あと、何話か書きましたら、この世界の事を、ウィル 君の戦闘訓練の時に、座学で教えますので、この世界の事でなにか質問のある方、言ってください。

 死屍累々。(死んでいない)


 ぴくりとも動かないむさ苦しい男達の上で、勝利の雄たけびを上げる。


「ういいいいいいいいぃぃぃぃぃっっ!」


 右の中指と薬指を曲げて、空高く宣言する。


 僕の姿は満身創痍。あちこちがボロボロで立ってるのがやっとだ。


「 あのウィル様、お耳に入れなければならない火急のようが」


 ツアール の声に我に返る。


「なに? 今、勝利の余韻に浸っているんだけど?」


「いや、ウィル兄ちゃん」


 ロイガーが焦った声、語りかける。


「だからなに?」


「「囲まれてます」」


「はっ?」


 その言葉どうり、三人と折り重なり気絶している漁師さん達を、魚人達が海から這い上がって槍を構え、威嚇しながら囲んでた。


「なんだこいつら?」


 なんか見覚えあるようなシルエットだな。


「さあ? 聞いてみますウィル様」


「手足のような、尾びれと背びれが付いた魚人みたいだけど、意思疎通ができるのかな?」


 魚と人を混ぜたような顔。否、全面的に魚の因子が強い。


 彼らは続々と海中から姿を現していた。


 これが全てなのか、あるいはまだ海中に仲間が多数存在するのか、分からない。


 その動きは緩慢だが、恐ろしく力強いことがその外見から分かる。


 ヨタヨタ…ドボンッ! 訂正、全然力強くなかった。


 自重で片方の足をくじき、滑ってジタバタと海辺で暴れてる。


 良く見るとあちこちの魚人が滑っている。


 なんでこいつら無理して陸に上がってんだと、言いたくなった。

 

 哀れすぎて、涙が出てくるのだが。



 ふんぐるい…


 むぐるうなふ…



 魚じみた外見からは想像出来ないが、それなりの声帯を持ってるのか、不快な聞きにくい言葉で、なにやら合唱を始める。


 良く聞けば、異形の言語と思える音節が混じってる。


 これはまさか…。


「おそらく《深きものども》です。気をつけてくださいウィル様」


「こいつら嫌い」


 ツアール からは忠告の声が、ロイガー からは嫌悪の声があがる。


「あっそうか、君ら対立神性だっけ」


 対立神性。小説の暗黒神話体系クトゥルーでは、ほぼ、全ての邪神は仲が悪いのだが、その代表的なのが、《風》と《水》の神性、もしくは、《火》と《土》の神性だ。


 え? それだけでは分からない?


 僕だって、一度本を読んだだけなんだ。うろ覚えなんだよ、それ以上は突っ込まないでくれ。


「なんで今頃? 仕掛けてくるにしては、あまりにも時間が経ちすぎてる」


「 ソレハ 、ソイツラノ ニオイガ 、シタカラダ 」


「「私達の匂い?」」


 ポンっと、二人同時に手を叩く。


「そういえば先程、指を切ったとき水洗いして海に流したっけ」


「あ~歯を磨いたとき海に、うがいした水を捨てたな」


「…」


 ギギィと、錆付いた油を差してないロボットのように、双子をみる。


 バッと眼を逸らすツアールとロイガー。


「おまえらかっ! おまえらの所為かっ!」


「「ゴメンなさい、ゴメンなさいっ!」」


 謝る二人。


「まずいな漁師さん達が現状この状態では、戦いたくても戦えないな」


 やばい、となるとあの手しかないか…やだな。


「主にやったのは、ウィル 様ですが」


「そうですね」


 さっきの仕返しとばかりに、責める二人。


「…すみません」


 幼女に謝る僕。なんか泣きたくなりました。


 どちくしょう。

お読みくださり有難うございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ