第五話 ウィル の無理矢理な日常 2
残業が、多いので、出せる気力があるうちに、早めに投降します、次こそは予定どうり(多分)
~魔人ではない状態のウィナリル ・ ラン の視点~
顔に爽やかな柑橘系の香りのする液体を掛けられ、その冷たさに眼を覚ます。
先程までのわき腹の激痛が,嘘のように引いていた。
「これは、ハイ・ポーション ? 誰が僕に…」
「「申し訳ありませんでしたっ! ウィル様」」
起き上がったすぐ横から、黒と白と対照的なゴスロリ衣装を着た女の子達が土下座していた。
それはもう、ふかぶかと。
はっきり言おう、かなりドン引きしました。
たぶん年齢は一桁台。二桁はまず無いだろう。
少なくとも見た目は完全に幼女だ。
そんな子たちから土下座されるって、他人に見られたら僕が社会的にヤバイ。
「ああ、起きたか兄ちゃん」
先程の漁師さん達に見られてました。
その眼は、なんかもう蔑まれてた。
あれ? 僕、被害者だよね。
なんでそんな眼で見られているの?
「兄ちゃん、こんな可愛い使用人だけ働かせて遊んでばかりって、本当か?」
一気に謎が解けました。
バッ! と二人を見る。
一気に眼を逸らされた。だが、僕は既に気づいている。二人の顔全体に流れる冷や汗を。
「二人共すまない、いつも苦労をかけるな」
「「 イ、イエ 」」
ガタガタ と、震えてる。
とりあえず話が分からないので、すまなさそうに謝りつつ、二人の頭をやさしく撫でる。
というふりをして二人に念話をする為、念の波長を同調、意識に登録。
『…んで、君達さ、誰?』
かなり、ドス の効いた心の声で、問いかける。
まあしかたないだろう。いきなり電撃を喰らい、半死半生の目にされたんだから。
しかも気がついたら、見知らぬ子供の主にされた上、蔑まれた目で漁師さんから見られてるんだからさ。
『あのすみません、バロン様の要請で手伝いに来ました。ツアールです』
『妹の、ロイガーです』
『えっ、ひょっとして暗黒神話体系の? 僕はあの、駄目神の従属神と聞いたんだけど』
『駄目神…て』
『言い訳できませんね、この世界の管理をアザ―トス様から受けたのに、我々と姉に丸投げしてますし』
『確かに応援は頼んだけど、なんで僕、感電死されそうになったの?』
『すみませんっ! すみませんっ! 姉が本当にすみませんっ!』
『噂で、物凄い戦闘技の持ち主と聞いたんで、ついっ! それに最近、仕事のストレスが溜まってて、目の前で堂々と仕事をサボられるの見たら、ついっ!』
『ほう。それで、僕が君らの主人になってんのは?』
『いえ、流石に見知らぬ人を襲ったら問答無用で犯罪だから、ヤバイかなと』
『それで、仕事をサボってた主を諌める従者という風にしたのか』
『『そうです』』
『ほう…』
こいつら…。
ギリギリ と、手に力を込める。
『『 イダダダダダダッ ダアッダっ!』』
ぱんぱんとツアール 、ロイガーがタップをする。
『二度とやるなよ。今回は、助っ人だから我慢するが』
自分の中の怒気に、二人は顔を青くさせる。
『『 ゴメンナサイイイッ! 』』
『まあいい、さぼってはいないよ。これは仕事の一貫さ』
力を緩めた途端、ぐったりとうな垂れた二人にそう話す。
『『そうなんですか?』』
ツアールとロイガーは、二人同時に傾げる。
まあ半分嘘だが、そうしないと今後の自分の評判が落ちる。
ちなみに、この思考は念話にはしてない。
『当たり前だろう? 何もしてない奴がこんな所にいたら警戒されるだろう』
『『あ…』』
はっとした様子で、その考えにいたる二人。双子の所為か、行動が似てる。
『それは、そうと二人共? 人の所為にした覚悟はいいかな』
この言葉にビクッと震える。
『あ、あの、私はともかく、妹だけはどうぞご勘弁をっ!』
『姉様っ、クッ! 駄目です、私が身代わりになりますっ!』
二人の言い合いに、首をかしげる僕。
『君ら、なんの話をしてる?』
その言葉にきょとんとする二人。
『え? 身包み剥いで放置』
『あるいは惨殺』
こいつら…。
『するかあああああああっ!』
心の中で絶叫したのは仕方ないと思う。
少し手直ししました。
読んでくださって有難うございました