第三話 双子神の転機 1
もうすぐ、ストック が切れます、すみません、なるべく、早めに書きますから。
予定を早め投稿しますが、次の予定は変えない予定です(多分)
~ ツァール & ロイガ ー の視点~
時は、少しばかり遡る.
彼女達は己たちが仕える神の命により数年前より、能力を封印されてこの地に降臨した。
役割は、魔人達と同じ、バランサー である。
引き受けた理由は、暇な時は、自由にしても良いというお墨付きを、貰ったからだ。
とはいえ、はっきり言って遊ぶ暇もないありさまだ。
単純に言って、管理する者が少ないからだ。
バランサーには、四つかの グループ に別れている。
まず一つ目、並行世界からの転移者。
次に二つ目、前世の記憶をもつ転生者。
更に三つ目、彼女達のように能力を、そして一部の記憶を封印された神。
最後に四つ目、少しずつ増えている、罪人(神)から選ばれる戦闘司書。
彼らだけで広大なこの世界を管理しろなどと、どだい無理な話だ.
しかも、戦闘司書に至っては封印されているとはいえ神までもが、その基本 スペック は、人間を ベース にした魔人より劣っているのだ。
「姉様、この前休みを取ったのはいつでした?」
「聞かないで… ロイガー 」
二人がいるのは、冒険者が多くたむろう酒場だ。
注文した、石のように硬い黒パンを ナイフ で切り落とし、一番安い屑肉と野菜屑を煮込んで、塩で味を付けた スープ で柔らかくして食べているのはいい。
それより異常なのは、この場所にそぐわない二人が居る事だ。
店内は薄暗い、カンテラ と、蝋燭の明りだけが頼りだ。
店は酒精と、カード 賭博、サイコロ に興じる冒険者。
稼いできた冒険者相手に媚を売る娼婦。
だが、誰もが二人にに見向きもしない。
否、避けているのだ。
そのため、二人の周りだけ、人が居らずそこだけが、貸切の状態だ。
容姿が、悪いのではない。
むしろ、何も知らない特定の男達からは、何度も好色な視線に晒された事もある。
整った鼻梁に、鮮やかな深紅の瞳。髪はは長く腰まで程あり、銀色で、もう一人は、肩までしかなく同じ銀色だ。絶妙なバランスで配した、理想的な目鼻の位置といい美の化身と言っても過言ではない。
肌は白く、黒と白という対照的な、沢山のフリルのついた服装は二人をひきたてた。
絶世の美女。
男達は二人をそう評価するだろう。
但し、八年後だが…。
今は、唯の七歳の幼女だ。
話を戻そう、本来、彼女達の賃金なら、こんな粗末な食事ではなく、もっと高い食事を、頼むのが普通だ。
この料理は、金の無い、新人冒険者向けのものだが、あえてこれにしている。
やたら硬く香辛料の効いたステーキだの、バターの香りの強い魚のムニエル 、肉の臭みを生クリームや牛乳で、消したシチューなど、口に合わないからだ。
偏食が酷いと、解かってはいるがやめられない。
だガ、無理に食べたときは、胃が重い感じがして、食欲をなくした。
仕方が無いので、何とか食える一番安いこのスープを、食べているのだ。
彼女達は、度重なる仕事の疲れと、この食事へのストレスでへばっていた。
たとえ、休みがあってもおそらくストレスの発散はあまり見込めない。
単純に、この世界は、娯楽がおどろくほど少ないせいだ。
一応、神の避暑地という場所ではある以上、記憶まで封印されている神にとって、ただ生活するだけで娯楽になる。
二人は記憶だけが、限定的に解放されているせいか、あまり、楽しめないのだ。
例えば、現代のラノベや、TVゲームもしくは、アニメや カラオケ、スポーツなどの、最新型の娯楽を知っているものが、田舎の、賭博や色町、酒場しか無いところに遊びに来るようなものだ。
はっきり言えば、全て投げ出して寝てすごしたい。
そうとも言ってられない、彼女達が働かなければ、この架空世界は、数日も待たずに崩壊する。
ここはそんな世界なのだ。
これは、仕方ない事なのだと割り切るしかない。
それはそうと、人間は、おろか、一部の神しか知らないことだが、、世界各地で信仰されている、一神教、多神教、二神教と、崇拝され、今現在この世界に遊びに来ている神は、人々の願望から生まれ、顕現した存在だ。
だが、いつしか人格を持ったこれらは世界を長い間、人間の為に世界を管理するようになって、暫くして、ひどい ストレス を感じるようになり、自分達を創った人間達に、殺意を、持つようになった。
実際滅ぼされたところもある、悪徳の町、ソドムとゴモラ、ノアの箱舟と、世界各地で伝説があるくらいだ。
この事に、気づいた一部の神は、ストレスを発散する場として、ここを創ったのだ。
だが、ここを創るには、本来の神々では不向きだった。
人からの信仰から生まれた神では、現実世界、もしくは異世界に干渉する事はできても、架空世界に干渉する事は無理なのだ。
たとえ、この世界で生まれ育った人間の信仰を受けてもだ。
そこで、彼女達のような、物語に出てくる架空の暗黒の神の出番だ。
幸いにして、必要としていた全ての神が存在していたので、この世界創るのはたやすかった。
だが、本来の物語では怪奇性が強くこの世界が楽しめない。
そこで、様々な物語を追加したのがこの世界だ。
「お休みは、ともかく、贅沢は言わないから出会いが欲しい」
「姉様、私達中身はともかく、外見は子供なんですが…」
「おい」
「勇者を望む但し、ジョブではなく、ペドの方で」
「お断りです」
「こらっ! 聞いてんのかっ!」
「しかたないでしょう、周りの戦闘司書は、おじさんばかりだし」
「姉様、戦闘司書は、元々死刑囚か、終身刑を喰らった奴がなるから、年食ってるのは当たり前」
「この糞 ガキッ!」
~暫くお待ちください~
…しばらくして。
二人の足もとには、先程二人に殴りかかろうとした、男が、ピクピクと、手足を痙攣させて、のびていた。
彼方此方が ボロボロだが、やった本人はこの二人だ。
まず、ロイガーが殴りかかった拳を、掴んで投げて背中から床に叩きつけ、動きが止まった所を、姉のツァールが、電撃の魔術で、痺れさせ、後は動かなくなるまで蹴り続けたのだ。
二人は、配下の、戦闘司書に、念話で連絡をとる。
『戦闘司書2号、狼藉者を捕獲、二~三日程、牢屋にぶち込んで』
『了解、またですか? 御嬢、この間のぺド野郎みたいなやつですか』
『…私が言うのはなんだけど、毎回じゃないよ?』
『御嬢、好みの年上の勇者を望むのはいいですが、夢と現実の区別はつけてください』
『う…どこかに、いるもん』
『それで、きもい男や性欲丸出しの男は投獄ですか、たちが悪いですぜ』
『ううっ』
『実際うちらの中には、中々の奴が居たのに、目つきが イヤラシイ と言って、脛を蹴ってたし』
『うううっ』
『中には、御嬢に一目ぼれした奴が居ましたが、自分の顔を鏡を見言ってくださいと言われて、引きこもったし』
『うううううううっ!』
『ごめん、2号後で、姉様よく言い聞かせるから』
『了解、若いのを寄越します』
『ひ~ど~い』
膨れるツアール 。
『姉様、自業自得』
「それは、そうと、こいつは誰?」
「さあ?」
「あ~こいつは、座る席を嬢ちゃんらが、占領してるのが気にくわねえって! 言ってたんだが聞いてないか?」
店の奥から、でかい体の男が出てきた。
「 アルゴ店長様?」
「ええ? 何でそんな事言ってるの? この、おじさん、なにも言わずに座ればいいのに」
「嬢ちゃんらがいうか? この間、服に酒が付いたと言って、ボコボコにしたくせに」
「「…」」
「他にも、子供と言うなっ! と言って殴ってたし、周りが怯えてたぜ、気づいてないのか?」
二人は、周りを見回すと、全員目を合わせない。
「皆様すみませんでした」
「ごめんなさい」
二人して土下座して、謝りました、それはもう…。
お読みくださり有難うございました、後、感想をぜひとも、お願いします、作者の、原動力になります(割と切実です)