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神様に拉致されました  作者: 柴犬
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第二十話 魔人ウィルと進化

遅くなりました。

いつも読みづらい自分の小説を見ていただき有難うございました。

今回もギャグは少なめです。

ご指摘有難うございます。ここまで修正しました。

 敵味方問わずいち早く復帰したのは、顔を仮面ごと砕かれた僕の別人格達だった。

 戦闘司書達やツアールとロイガーを突き放すと、距離をとる。

 その時僕は別人格達の傷の具合をこの時はっきりと見た。

 四人とも皮膚は裂け、肉は潰れ、骨は砕けて。普通なら致命傷をとも言うべき傷を負いながら、常人を超える速度で目標に走る。


目標…それは僕だ。


「戦闘司書一号、二号。それにツアールとロイガーあれをやるぞっ!」


「やるんだな」


「いきますぜ」


「はい魔人バロン様」 


「あいあいさー」


 魔人バロンの言葉に答える戦闘司書一号と二号、それにツアール。ロイガーはとアイテムボックスから使い捨ての写本を取り出すと、それぞれ僕の別人格達を包囲する。


「動くんじゃねえええっ!」


 ゼクスが僕を殴り押さえつけて人質にしようとする。


「ヌルっ!」


『おおっ!』


「しまったっ!」


 僕の掛け声にヌルが答える。ゼクスは自分の失策に気づく。

 僕に触れている場所から無数の銀の鎖が顕現しゼクスの体に巻きつき拘束する。

 これは【束縛の鎖】だ。


「ならっ!」


 逃れようと考えていたゼクスは考え直し、己を魔力の粒子に分解すると僕の体に入り込む。

 

「なにを考えるんだっ!」


『アイン早くゼクスを開放しろっ! こいつ無理矢理人格統合し記憶を上書きする気だ』


 僕の疑問にヌルが答える。

 

 無茶苦茶だっ! 下手すれば悪くて廃人。良くてゼクスの記憶と人格が融合した僕になるじゃないかっ!


「がああああああああああああああああああっ!」


 脳内にゼクスの記憶という名の情報が流れ込んでくる。

 憎悪と狂気。それが容赦なく僕に襲い掛かる。

 だけどこれぐらいなら気をしっかりもてばなんとかっ!

 

 だがそれは僕の咄嗟の判断力を奪うのに充分だった。

 なんのかって? それは…。


「【金剛の大いなる盾】」


 ロイガーの言葉と共に持っていた使い捨ての写本が燃え、その代わりに光輝くドーム状の障壁が僕と別人格達を取り囲み閉じ込める。


「生活魔術だぜ極大の水【クリエイトウォーター】」


 青い色の装備で統一した戦闘司書がその言葉と共に大量の水を障壁の中に発生させた。

 溢れんばかりの膨大な水。


「【紫電】」


「僕がいるだろうっ! まてえええええええええええええええええええっ!」


 障壁の中にツアールが発生させた電撃が生まれる。


「「「「「「あっ!」」」」」」


 ここでようやく戦闘司書二人にツールとロイガーそれにナルちゃんクトウグァが今の現状に気づいた。

 

 …そう僕が巻き込まれてる事に。


「「「「「「「「ぎゃあああああああああああっ!」」」」」」」


 僕と僕の別人格達が威力の増した電流を浴びて悶絶する。


「闇よ沼となり我が元に望むものをっ!【闇転移】」


 ナルちゃんが咄嗟にLV6 闇転移の魔術を起動し、僕の下のに黒い沼のような闇を作りだす。

 僕はそのまま自重で闇に沈むとナルちゃんの傍に転移した。


「生活魔術だな【着火】」


 かなり際どいタイミングで障壁の中に小さい火を赤い色で装備を統一した戦闘司書が発生させた。

 さて…誰もが小学校の理科の実験でやった習った事があると思うが、水を電気分解すると水素と酸素という気体にに分解される。

 

 この気体に火種を近づけるとどうなるか?


 ドンッ!


 答えは爆発する。


「あぶねー」


「「チッ!」」


 僕の安堵のため息に舌打ちする戦闘司書二人。

 僕がそちらに振り向くと眼を逸らしやがった。

 こいつら…。

 というかよくあの高圧電流を耐え切れたな僕。

 ゼクスのスキルのお陰か…。ええと?

 

 料理LV4 火炎系魔術LV1 耐電撃LV1 


 …僕良よく生きてたな。

 というかゼクスてば棍棒のスキル持ってなかったかいっ!


「ウィルお兄さん良かった」


 ナルちゃんが目尻に涙を浮かべ縋り付いてくる。

 ナルちゃんの頭を撫でながら女の子特有の柔らかい体の感触と甘い香りにドキンとする僕。

 なんかやたら懐かれてるな~。

 

「ウィル様」 


「ウィル兄ちゃん」


 気がついたら傍に泣きそうな顔のツアールとロイガーがいた。


「「巻き込んで御免なさい」」


 二人腰まで頭を同時に下げる。


「…まあ次は気をつけてね」


 ため息を付きつつ二人を許す。


「宜しいんですか?」


「いいの?」


「今回はわざとじゃないからいいよ」


 その言葉に二人の顔が明るくなる。


「それに謝りもしないうえ堂々と命を狙う馬鹿二人よりいいさ」


 戦闘司書二人がその言葉に下手くそな口笛を吹く。


「和んでるところを悪いんだけど此方を手伝ってくれない?」


 クトウグァの言葉に我に返り爆炎が納まりつつある障壁の中を見るとそこには融合し四人になった僕の別人格達の人影が現れた。


「成長…いや進化かな? 新たな魔人というべきか」


 魔人バロンが呟く。


「切り札の一つを使う。各自なんとか時間を稼げ」


 魔人バロンの言葉と同時に障壁が強引に破壊される。

 

「【炎熱障壁】」


 クトウグァの LV6 炎熱障壁を起動させると破壊の衝撃波を防ぐ。


 濛々と立ち込める粉塵の中からゆらりと四人が歩いてくる。

 なんなんだ? 

 この寒気は。

 まさか本当に強くなってるのか?


読んでいただき有難うございます。

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