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神様に拉致されました  作者: 柴犬
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第一話  魔人ウィルの場合

 プロローグが、指摘がありましたので、加筆、修正しました、今後とも、ご指摘おねがいします

 

 架空世界 アース


 アメリカ、マサチユ―セッツ 州にある魔都アーカムの西スラム街。

 

 ここの、多くの住人は、不法に住み着いた他所からの流民か犯罪者だ。

 

 彼らは盗んできた廃材や日干し煉瓦、自然石で粗末な家を無秩序に作り、生活していた。

 

 その為、天然の迷路となり、住人の彼らでさえ、全てを把握できない始末で、年に数人の遭難者を出している。

 

 そのためか、アーカムの住人でさえめったに寄り付かない。


 ゆえに、ここで殺人、強姦などの犯罪がたえない。

 

 逆に言えば犯罪を犯しても、ここに逃げ込めば、なんとかなるという考えが横行していた。


 そのスラムに、三人の男達が進入していた。


 みれば、返り血で薄汚れた革鎧と、それぞれ両手剣、長剣、小剣を腰に装備している。

 

 彼らは、日干し煉瓦で造られた建物の路地を全力疾走していた。

  

「奴等まだ付いてくるかっ?」

 

 先頭を走る片目の両手剣を帯刀した男は、一番後ろの男に、声をかける。


「兄貴どうやら巻いたようです」

 

 ひょろりとした、長剣を持った背の高い男は、時折後ろを見て言う。




『夢は現に』




「中央の奴等、噂ほどでもないようですぜ」

 

 三人の真ん中を走っている、短剣を持った背の低い男がそう返した。


「油断はするな、マフィアの連中でさえ、中央の…ミスカトニック大学の連中には、手を出さない」


「ですが兄貴、依頼はマフィアからでしょう」


「まあな、あそこの、秘密図書館の魔道書が依頼の品だが、さすがに、あそこは手が出せないからな、運良く戦闘司書の一人を買収して、魔道書の写本を手にいれられたのは僥倖だった」


「ですが、なにも殺さなくても、良かったのでは兄貴」


「しかたねえだろうっ! ああでもしなければ手に入らなかったんだ、『閲覧ならかまいませんが、売却には応じません』てな、一部の写しでも、あの金額だ、これ一冊も.あれば、ひと財産だ」


「もしくは、使い捨ての写本を作り続ければ、一生食うにこまらないぜ」


「違いない」




『現は夢に』




「なあ…」


「なんですか? 兄貴」


「ここに入って、もう大分たたないか?」


「…兄貴もですか、もうかれこれ一時間は経ったようなきがしやすぜ」


「いやまてなんだ、この声は?」

 



『【鬼門遁甲八門の陣】』




 その言葉とともに、世界が軋み悲鳴をあげた。


 月明かり明りだけが頼りだった、まっくらなスラム街は、変貌を遂げ辺り一面、青い色の世界へとなった。

 

 前の世界とは色さえ気にしなければ殆ど変わらない。ただ一点を除いて。


「青い空…いや違う、夜空もある上に本来の月とは別に、月が…もう一つ…」

 

 その言葉通り、本来存在しないはずの空を覆わんばかりの、二つ目の巨大な月が顕現した。


 しかも青と白の混ざり合った異形の月が。


「聞いたことがある…ミスカトニック大学には、二人の化け物じみた強さを持つ魔人が居ると…」

 

 その言葉で全員に戦慄と緊張が走る。

 

 

 世界に存在する七人の恐怖と絶望の化身。

 

 

 そんな噂が三人の脳裏に浮かぶ。

 

 生唾を飲む音がする。


「ひどい言われようですね、僕は一般の兵士よりも弱いんですが、ああそれと、あれは月ではありません。成層圏から見た地球です…といっても、わからないでしょうが」


「だれだっ!」

 

 青き月の光の下、忽然と現れた細身のおそらく十代後半の少年。


 黒に近いテイルコートにベスト 、ズボンはサイドストライプパンツ 、ネクタイはホワイトタイ手袋は灰色のスエード手袋、靴はコートシューズ。


 先端を紐で無造作に結ばれた腰まで伸ばされた髪。


 手には東洋の武器、刀と短剣が握られている。

 

 異常なのは、顔を覆う材質のわからない仮面。それは今まで見た事のないものだった。


「魔人ウィル…噂は本当だったか」


「クソッ …殺されてたまるかっ!」


 兄貴と言われた男は剣を抜き突っ込む。 


「あなた達には司書三人を殺した罪で、生死を問わず捕縛指示が出されてます…て、聞いてないですね」


『バロン先生、いえ、魔人バロン目的の人物達と接触しました』


 ウィルは、すぐさま念話を発動させるとバロンへと繋げた。


『王様だーれだ、うん? 山田秋夫か、なんだ今手が離せないんだが』


『それは、前世の名前です今はウィナリル・ランです。なにやってんですか?』


『店の女の子と王様ゲームで、終わったらお持ち帰りされるのだが』


 その言葉に頬を引きつらせるウィル 。


『人に仕事を押し付けといて、なにやってんですかっ! この似非ショタがっ!』


『なに言ってんだ情報収集だよ。情報は、この手のお店が一番なんだぞ』


『そんで、ショタ好きのお姉さまに、お持ち帰りされて朝までしっぽり、という事ですか』


『そんなの役得だよ役得、お姉さんだ~い好きといったら、大概のお姉さんはイチコロだ』


『あなたはっ! その役得が多いんだよ』


『い~じゃん、この間お姉さん紹介してやったろ』


 この言葉に頭を抱え込み、少し前の事が思い浮かぶ。


『十代後半はオジサンと言われたんだが、ハーフリングのあんたの方が遥かに年上なのに』


『まあ元気出せ、仕事に戻って魔道書を回収し黒幕の事も聞き出してくれ、後で合流する』


『了解、念話お切ります』


『頼むぞ、童貞の大魔導師よ』


『あなたもかっ!』


 怒鳴ったが間に合わず 沈黙。


 怒りに震えるが、気を取り直す。

 

 そのまま魔人と呼ばれた男の刀を持った、手が掻き消える。

 

 ドンッ! ズルリッと、両手剣を持った男は心臓を貫かれ死んだ。

 

 ように見えて、実際は幻術で騙し気絶させただけだ。


「よくもっ! 輝ける白銀の精霊よ我に従え…ソードダンスっ!」

 

 兄貴と慕う男が、どおいう風に殺されたか分からないまま、恐怖に駆られ、アイテムボックスから盗んだ魔道書をとりだし呪文詠唱する。


 すると何本もの光り輝く剣が具現化、自動的に魔人ウィルを襲う。

 

「ああくそ人の話を聞かないで、だから生死を問わずですが、別に投降してくれるのなら戦わなくても、こいつも聞いてないもう、しかも魔道書を既に閲覧してましたか、やっかいなっ!」

 

 魔術で創られた剣を、頭を下げ、上半身を揺らし、あるいは、ステップを踏むかののように動き続け回避する。


 回避できないものは、短剣で刀で弾くが、数が多く段々と追いついく。


 気がついた時には、太ももに一本刺さ刺さっていた。


 魔人と呼ばれた男の足が鈍り、少しづつ剣で傷が増えていき、最後にはあっけなく倒れた。


「やったか?」


「いえ、偽者です」


 勝利の確認をしようとした男の背後に、突然現れた二人目の魔人ウィル。

 ウィルは首を、切り落としたように見せて、延髄を殴り意識を刈り取ると魔道書を回収した。


「手間を掛けさせないで下さい、僕の質問に答えてくれたなら今回は、見逃してあげるうえに、オマケもしてあげるけど、どうする? どうしてもというなら消し炭にするけど」


 その言葉と共に、複数表れた魔人ウィル達は、それぞれ無詠唱で上空に、直径二十メートルの青い業火を顕現させる。

 

 凄惨な光景なのに、淡々とした態度の目の前の少年から眼を逸らしたい。


 もはや恐怖よりも怖気が走る生き残りの男。


 ナン ナンダ、コノ 、メノマエノ 、イキモノハ


 心は完全に折れていた。


「わかった、なんでも聞いてくれ…」


 こうして、この件にはケリがついた。



 ~魔人ウィル視点~


 あれ? 僕ってめちゃくちゃ怖がられている? 

 

 確かに魔人て言われてるけど、他の方に比べたらか弱いよ? 

 

 ほとんど、かなり特殊な幻術とハッタリだから。     

 

 他の魔人は、素手で山を砕いてるし。


 危ないっ! なにこの人幻影の、僕に斬りかかってるの。


 ぎやああっ! もう一人は、魔道書まで開いて、精神汚染したら後が大変なのに…。


 ああなんで、こんな事に…しかたない二人とも幻術で気絶させよう。

 

 あ~よかった、最後の方はこちらの話を聞いてくれるみたいだ。 

 

「それでは、あなた達、戦闘司書を買収できたみたいですが、どうやってですか? あと、あなたに依頼した人を教えてください」


「金貨を数枚にぎらせたら、持ってきてくれたが?」


「残念ながら、魔道書を守るように教育された彼らは、お金で買収できません」


「彼ら? あんたは魔人と呼ばれるが戦闘視司書と同じ者ではないのか?」


「残念ながら似た事をしますが僕は魔術師です、おもな役目はまあ教えられませんが…さて、依頼主がなにかしたかもしれませんね、教えてもらえませんか?」


「しかし…」

 

予想はしていたが、やはり報復か。


 あるいは、言わなくても僕からの、制裁をおそれてか、ふむ。


「教えていただけたら見逃してあげますが、どうしますか?」


「いいのか、捕縛命令がでてるんだろう?」


「信じられませんか? 上の指示で、黒幕が潰せれば末端はどうでもいいと、あ…ただし、直ぐにここから出て行って下さいね、流石に、戦闘司書を殺した人間が、堂々と表を歩かれるのは示しがつきませんので」


 これは嘘である。


 戦闘司書は本当は、特権で、蘇生措置を受けられるので生き返られる。


 ゆえに今は生きているのだ、つまり、この三人には暴行と窃盗の罪は、あるがそれ以上の罪は無い。

 

 まあ死んではいるが、蘇生した戦闘司書に、人権は限りなく低いので気にしなくていい。


 戦闘司書…彼らは魔道書という、適正を持つ者か、訓練された者でなければ、長時間読むだけでも発狂してしまう魔道書を、守る者達の尊称だ。


 まあ他にも仕事はあるが…。


 魔道書によっては、戦略兵器クラスの危険物に匹敵する物もあるため、盗難されないため、殺人など場合によっては、手を染めなくてはならない。


 その為、志願した死刑囚を薬物、催眠などにより顔を変え、記憶、人格、感情、戸籍を抹消し新たな記憶、人格、戸籍を与えられ、第二の人生を与えられる。


 魔道書を守るという人生を。

 

 それさえ守れば第二の人生を謳歌できる。

 

 ただし蘇生できなくなるまで、使い潰される人生だが。 

 

 魔道書はそこまで危険な物なのだ。

 

 そんな危険物なら廃棄すればよいのだろうが、残念ながら、魔術には魔術にしか対抗できない為、それも、かなわない為処分できないのだ。


 余談だが世間に出回っている写本は、内容をぼかした使い捨てのものだ。

 

 使い捨ての写本は訓練された魔術師か、適正の高い者が、精神汚染されないギリギリを見計らって書いたものだ。


 これらはまず戦闘司書にまわされて、余った物を売却されるのだ。

 

 ゆえに、彼らは生き返れなかったら闇から闇に葬られ、存在が無かった事にされる。

 

 

 なのに買収? ありえない。

 

 異常である。

 

 それゆえの今回は、依頼主に戦闘司書をどうしたのか聞きたいのだ。


「サービスで、三人とも見逃してあげますが」


「三人? 二人とも死んでるのでは?」


「死んでませんよ、気絶させてますがね、論より証拠ですね」


 パチンと手を鳴らす。


「うん? 俺は確か死んだはずじゃ…」


「兄貴っ!」

 

 がしっ!と男は縋り付く。


「ふふん、どうですか?」


「あ…有難うございますっ! それで、こいつは何時、起き上がるので?」


「えっ…?」


 もう一人が何時までも起き上がらないので、脈をとると…。


「やべ…心臓が止まってる」


「「おい」」


 適正を持つものか、もしくは、訓練を積んだ者でないのに、魔道書を使った為の、精神汚染が、原因か?


 もしくは幻術が掛かりすぎたらしい。


「心臓マッサージを教えるから、あんたら代わりにやってくれ、というか、男と接吻なんかしたくないし…あれ、あんたら名前なんだっけ?」


「「今更かよっ!」」


 すまん、すっかり忘れてた。

 

 この後なんだかんだと言いつつ、三人目を目を覚まさせると一息ついた。


 暫くしてしてから《念話》で、もう一人の魔人バロンと連絡を取って、合流し、三人に依頼主を吐かせ、マフィアを壊滅させたのは、予断である。

 

 はあ、もうなんでこんな事しているんだろう、普通に暮らしてたのに、あの、馬鹿神の所為で、こんな羽目に…。


「息を吹き返したぞっ!」 


「兄貴っ!」


 くそ、無性に魚が食いたくなってきたヤケ食いするか今度。


 横で三人の歓声を聞きながら、そう思うウィルだった。



 お読みいただき有難うございました

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