第十話 最弱のウィル
NTTとKDDIで連絡不足によるトラブル発生、このままNTTで暫く契約を続ける事に。とりあえず更新は通常どうりします。
連絡の為ストックを使いましたので、次は不定期です(たぶん)
今回、残酷シーンあり但し、作者が未熟な為、今一つと思われるかもしれませんが、お許しください、今回ギャグはないです
戦いは唐突に始まった。
正確に言えば相手の虚を突いた僕の不意打ち。
近くにいた《深きものども》の鰓の下の薄い膜を素手で裂いただけ。
魚の特徴を色濃く持つ《深きものども》はあっさりとそれだけで、血の泡を流し絶命した。
《深きものどもが》持っていた槍を漁師さんに投げて渡す。
「すまん」
漁師さんがすまなそうに謝る。
「キサマッ!」
「一つ」
淡々と呟く。
これでは虐殺だなと、思考を切り替える。
そのまま幻術と火炎系の魔術を組み合わせ無詠唱で起動。
命名【鬼火】。幻術を視覚と触覚のみに制限。本物そっくりの火炎系の魔術に強化したものとLV1の火炎系魔術を組み合わせたオリジナルの魔術だ。
威力はないが、LV1とは言え火炎系魔術を組み合わせることで、相手に物理的及び、精神的なダメージを優先的に考えたものだ。
というか魔人化してないので、そうたいした魔術が使えないのだが。
それらを数個《深きものども》に放つ。
【鬼火】は無秩序な軌道を描き、着弾。
ダンッダンッダンッダンッダンッダンッ!
「「「「「「グギヤアアアアッ!」」」」」」
同時に悲鳴を上げる《深きものども》
その中で一番近くの《深きものども》に、アイテムボックスから取り出した刀を突き立てる。
血しぶきを上げる《深きものども》。悲鳴を上げ動かなくなる。
「二つ」
奪った槍を漁師さんに渡す。
本来の《深きものども》ならその強靭な肉体と鱗で防御され、普通の手段では鱗の下の部分はともかく他の部分は傷を付ける事は困難だ。
だが度重なる魚との異種交配で、その特性は退化し著しく弱体化されていた。
本来ならば普通の刃物で、もしくは素手などで倒せるはずが無い。
だが僕はその偉業を成し遂げた。
もっとも種を明かせば簡単な話だ。
何百回と魚を捌いた事のあるので、魚の構造が理解できていたのが大きな要因だ。
わずか二匹とはいえ、鬼神の如き戦いぶりを見せられた《深きものども》は、たたらをふむ。
「ツアールとロイガーは今の内に漁師さん達と海から離れてっ! 奴らは陸地は苦手です」
二人に指示を出す。
まだ陸には五匹。海辺には二十匹で油断は許されない。
「ウィル様はっ!」
ツアールが叫ぶ。
「殿を務める」
痛いのはやなんだけどね。誰かがやらないといけないし。
「ウィル兄ちゃん無茶だよっ!」
泣き出しそうなロイガー。
それにかまわず海辺にいる《深きものども》にウィルは片手に刀。もう一方の手に短剣を持ち突っ込む。
五匹まで刀と短剣と魔術で仕留めたのは覚えてる。
気がつけば、足を槍で貫かれていた。
魔力はもう無い。速度を大きく削がれた僕は、次々に肩や手足、腹部を斬られていった。
「ドウホウ ヲ スクウ タメ、シンガリヲ ツトメタノハ ヒョウカ デキルガ、ソノワリニハ ヨワイナ キサマ」
「そりゃどーも、ゲホッ。訓練を積んでないからね、こんなもんさ」
喋ってる途中で血の塊を吐いた。
その視界の隅で漁師達と双子達が無事に逃げおおせていた。
「シヲマエニ キニナルカ、ドウホウノコトガ」
手に持った槍を《深きものども》は振りかぶる。
「見逃してくれない? あいつら」
「ダメダナ」
「そりゃ残念」
「クルシマズ アノヨ二イケ」
《深きものども》そのまま槍を振り下ろした。
辺り撒き散らされる血の雨。
僕は胸を刺されて死んだ。
お読みくださり有難うございました。早くも60ポイント嬉しいです、できれば、アドバイスお願いします。




