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神様に拉致されました  作者: 柴犬
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プロローグと言う名の拉致

 初めまして。処女作ですが、がんばらせていただきます。更新のペースは、暫くは、二日に一度、後は不定期となる予定です。なんとか量をこなして小説家に成りたいですので、誤字脱字、文章がおかしいと思われたら教えてください。何卒、よろしくお願いします。

 プロローグ

 

 僕の名は山田秋夫。四十五歳の独身で、派遣会社に勤務している。

 

 顔は悪い訳ではないが十人並みの容姿でやや小太り。


 冬の寒さの残る会社の帰り、トレーナとジーパン、上からジャンバーを着込んで歩いていると、気づいたら白い空間にいた。

 


白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白。

 

 上下左右、どこを見ても気が狂いたくなる程、白い空間だ。

 

 どう見ても、ここが屋内であるはずが無いのに、けれど何処にも道や建物は無い。自分以外には人も動物もいない、それにともなう生活臭すら感じられない。それどころか、水平線や地平線のような境界になるものすらない。そんな普通の現実を構築する為の要素が欠落した。

 


「あれ…どこだ、ここ?」


 こんな所に来た記憶は無い、もしや。


「拉致されたっ!」


「人聞きの悪い事をっ! もとい神聞きの悪い事をいうなっ!」


「あんた誰?」


 突然表れた光り輝く人のような者(神)に、物怖じせず質問する。


「ようこそ大魔導師山田どの、お呼びして申し訳ない私は、汝らの言うところの異世界の神じゃ」  


「はあ、まあ確かに、そうですが、大魔導師て、なんですか? そちらには心当たりがないんですが…」


 首をひねり頭を掻く。


「ふむ、この世界では童貞を三十歳まで貫くと魔法使いになるという、逸話を聞いた事ないか? 汝は四十歳を超えてるから、大魔導師というわけだが」


「そっちかよっ! 唯のデマだよ、たく….」


「む、そうなのか? まずいな、てっきり、そうだとばかり…これは困ったのじゃ」


 何だろう異界の神なのに、溢れんばかりのの残念な感じは?


「はあ…それで間違いと気づかれたんなら、僕は返してくれるんですよね?」


「それが、そうもいかんのだ、汝をこちらに呼ぶために莫大な神気を使ったために、最早再び召還できんのだ、それにじゃ…」


「それに?」


「つい、うっかり汝の肉体を呼ぶときに、雷と召還の術式を間違って殆どの肉体を消し炭にしちゃった」


 てへっ。 そんな擬音がきこえそうな程、重要な事を軽く話す神。


「はっ…?」


「だから君の肉体は殆ど消し炭、まあ代わりと言ってはなんだけど、もし、向こうの世界に行ってくれるなら、好きな年齢で幾つかのスキルを進呈するのじゃ」


「いやいや、なに消し炭? マジ?」


「マジ」


 神の軽い言葉に、種息をつく山田。


「ふざけんなっ!」


「めんごめんご、やはははっ!」


 この駄目神全然反省してねえ 。


「あ~いいや、糞っ! その代わり、特典は弾んでくれよ」


「わしが言うのもなんだが、切り替えが早いの~もう少し罵るかと思ったが…」


「別に、今更なにを言っても代わらないし…詳しい事を教えてくれよ」


「まあよいっ! 契約は成立じゃ」


 なんか神の思惑どおりだが、まあいい。


「実は、これから汝に行ってもらう場所は、架空世界アース、我々神の避暑地のような場所じゃ」


「異世界では?」


「異世界を作り、そこに色々な物を持ち込んで、そこで記憶と神の力を封じた分身を送り込んで人間ごっこするんだ、死んだらその分身は本体と融合して、記憶を読み込むというものじゃ」


 引いた、かなり引いた。


 大事な事なので二回言いました。


「引いたか、まあ悪趣味だろうと思うが、神なんてものを永遠にやっておると気が狂う、汝らの世界を管理しておる神も一時期、酷かったぞ、せっかく生まれた生物を隕石で滅ぼしたり、氷河期にしたり、洪水で滅ぼそうとしたりとな」


「恐竜悲惨だな~」

 

 両手を広げ乾いた笑みを浮べる。


「じゃが、この遊びをするようになってから、自分の仕事の素晴らしさ重要さを知ってから、今は穏やかになったよ」


「今、温暖化の問題があるけど?」


「たぶん…大丈夫だと思うのじゃ」


 たぶんかよっ!


「それで肝心の仕事の内容は、その世界の平穏を保つ事だ」


「正義の味方を、やれと?」


「いや、ちと違う、汝にはバランサーをやってもらいたい」


「バランサー? なにそれ」


「世界の均衡が崩れそうな時、すみやかに排除する者達だ、例えばAとBという国が戦争が起こる、ここで剣と鎧を着たものが、銃や戦車を扱う兵士と戦うのは、まだいい、死んだ向こうの住人は数を一定に保つため、蘇生できる者を調整できるからな、問題は核などの戦略兵器だ、あれは使った後も生物が死んでしまい、きちんと把握できない他にも、未来において、将来向こうの住人を不特定数殺してしまう恐れのある者や、物体のの排除じゃ」


「つまり、場合によっては大量破壊や虐殺を行えと?」


 自称神を、眼を細めにらみつける。


「当然じゃ」


「わかった」


 即断だった。


「まあ、断りたくなる気持ちもわかる、じゃが世界の為…即決っ! いや汝、わしが言うのもなんだが良心は、ないのか?」


「いや、別に普通あるけど、それより目の前の見知らぬ数人の為に、知り合いの千人を犠牲にできないし、あそうだ知り合い少数を救う為に大勢を犠牲にしてもいいだろう?」


「あ~なるべくなら、多い方をとってほしいのじゃ」


 神の困ったような感じが、感覚的に分かる。


「そこらへんは、現場の特権という事で可能だろう?」


「…まあいいじゃろう」


「あーそれは、そうと向こうに神がいるという事は、普通、封印されていてもかなりチートじゃない、僕が勝てるのか?」


「ピンからキリだ、中には強い奴もおって、そいつには普通は勝てん、しかも罪を犯した分身の記憶を読み込んだ神に、逆恨みされる可能性が高いのじゃ」


「おい、駄目神」


 僕のジト目に、目を逸らしたような気がする。


「そいつらに勝つ為に、向こうで先に活動している者達に、渡しておるアイテムと同じものをやろう」


「いいのか?」


「これは、一時的に、わしの神力を貸し与える物だ、だから、此方の判断で力を加減して貸し与えられる、そうしないと、封じているとしても向こうの世界の強い奴を倒す事はできないんじゃ、と言っても殺すまではいいが、魂までは消滅させるなよ? まあ出来ないだろうが」


「あーそれって向こうの奴、不自然だと感じねえ?」


「大丈夫、向こうの者は、加護の一種と思っておる」


「はあ…んで、一体具体的にはどんな能力なの」


「その前にスキルのレベルの説明をしよう、向こうの世界では当たり前だが剣と魔法が主流だ、銃もあるが魔物によっては役にたたんから、そんなに、数は無いそれで、スキルのレベルの目安は…」


LV1 素人よりまし LV2 三流以下 LV3 三流 LV4 二流 LV5 一流 LV6 超一流 LV7 人外 LV8 伝説級 LV9 民間神話級 LV10 伝承神話級 LV11 測定不可能


「人は、どうあがいても、神には弱い奴はともかく、強いやつには普通に、勝てん、それをおぎなうためのが、これだ」

 

 神は、その輝く右手から仮面を作り上げ山田に渡す。


「それには、身に付けた者の全体的なスキルをLV1~LV3まで上げる、他にも必要と感じた瞬間、身代わりの操り人形を作り、それを残して離れた場所に転移する、正体を隠す為のものじゃな」


「僕自身は?」


 疑問に思った事を、自分を指差しながら聞く。


「限定的不死、短期間自動蘇生、気配感知LV5、鑑定LV5、隠蔽LV5、追跡術LV5、後は戦闘系と補助系、自動翻訳に読み書き、万能知識と並列処理、他は、なにを中心に取得したいか言ってくれ、それを高くして後は、平均的にする、ただし戦闘系はコストが高いので他の技能が低くなる」


「ふむ、分かった」


 暫くして、考えた事を言ってみる。


「ふん? 格闘と体術は戦闘系だがコストがかなり低いが幻術じゃと…確かにコストは低いが直接攻撃力は、かなり低いぞ、それで他の魔術は全てLV1にして、いいのか?」


「最初から学ぶよりましだ、訓練すればいいんだろう、それにこの、ユニークスキルは貰ってもいいんだな?」


「制限と強化じゃな、能力の一部を制限する事で他を強化する、但し、術者はそれに見合ったリスクを負うがかまわんのか?」


「それぐらいのリスクは、いいさ、もうこの辺でいいだろう送ってくれ」


 手を広げそう言った。


「ああ、向こうの方での、戸籍と住む場所、仕事を、不自然でないように、時間律と、因果律をいじって、おいた後は頼むぞ童貞の大魔導師よ」


「そのネタまだ振るかああああああああああぁぁぁぁぁっ! 畜生っ! あれあれっ! 殴れないっ! 神も仏もないのかあああああぁぁぁっ!」


 僕は、魂の存在ながら、血涙を流していた、これは、本当の嘆き文字どうり魂の嘆きなのだ。


  自分自身が消えかけている所為か、或いは、相手が神だからか全然当たらない。


「神ならここにおるのじゃ」


「この駄目神っ!」


「汝に幸あれ」


 ははっはははっと、なんか笑ってやがる。


「うるせええええぇぇぇっ!」


 山田は絶叫しながら、神の生み出した光の中に包まれ、その姿を消した。


「さて、七人目の魔人…バランサーになれるのか、どうなる事やら…」


 実は彼に言って無い事がある。

 

 あの世界に送り込んだ人間は、千人を超えている事を。


 その中で使い物になるのは、ようやく六人だったのだ。


 その分岐点は、初めての”死”。


 耐え切れなければ魔人として資格を失い、殆どのスキルを失う事を教えてない。


 誰も居なくなったその空間で、神は独り言を呟いた。


「やれやれ、こんな役を、わしに遣れなどと、アザ―トスはなに考えてんだか」


 ため息をついて、自身もその場から消え去った。





お読みいただき、有難うございます。

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