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週末
土曜日に寝た。
何をしても変わらないこの距離
二人が思ってるほど二人の距離は短くなくて
頑張って歩み寄っても
ふとしたことで突き放される
「泣いていいかな?」
君は笑う。
「泣くより笑おうよ」
僕は泣く。
この世の中で消えるように二人の何かは終わりを告げた。
街を歩くと思い出す
嬉しそうに笑う君の顔
思わず手を握るけど
そこに白い細い手はなくて
「あの店寄ろうよ!」
君は笑う。
「荷物重いんだけど」
僕も笑う。
あの日の夢は今日という現実に殺された。
今更のように理解しても
君のことがいくら分かっても
終焉を告げた何かは帰ってこない
死んだように街を彷徨う
生きていたように昇る
「死にたくないなあ」呟く声も喧騒に呑まれて消えた。
目の前で誰かがこけた
あの日の君みたいな長い髪の子が
君だったらいいのに
「残念。夢オチだよ」
君は笑う。
途端に目が覚めた。
君は隣にいないけど
現実は月曜日だ。