第十二話 新キャラは美少女
投稿がいつもより1時間ほど遅れましたm(_ _)m
武器を突きつけた状態で尋問開始。
「お前、どっから出てきたんだ?」
「山城君。そんなことどうでもいいわ。
それよりあなた、何者?青龍騎士団の者ではなさそうだけど」
「どうでもいいのか?」
「どうせ上から降ってきたんでしょ。私、上だけは見ていなかったから。それにこの火。あなた魔術師ね。属性は火」
「そうだよ。あたしはティナ。
このあたりは、あたしの縄張りなんだ。
変な集団が山道を閉鎖してるから気になって探索してたら、姉ちゃん達がその魚を食べようとしてるから教えようと思って。食べられないよ〜って」
やけに明るく上機嫌に話す。
自分の置かれている状況を理解しているのか?
仮にも剣を突きつけられているんだぞ?
「なら、どうしてコソコソと行動したりしたの?
最悪、私達はあなたを殺していたわよ?」
「近づいた瞬間、とんでもない殺気だったからね〜。隠す気ないのか⁉︎っていうくらいだったから。せめて会話が出来る距離に近づこうとね」
まあ、確かに結果的にもこの方法が俺たちに近づく最善の策だった訳だ。
剣を収め、少女に目線を合わせる。
それにしてもこの少女。みすぼらしい上に、やけに露出の多い服を着ている。寒くないのか?
「お前、この辺の村に住んでるのか?」
こんな格好でロリ巨乳の女の子が村とかに住んでいていいのか少し疑問だが。
「ううん。あたしはこの辺の山で自由気ままに生きている、言うなれば野生児?だから」
「そうか。1人で大変じゃないか?」
「そんなこともないよ?あたしなら1人でも生きていけるし」
「山城君?」
「涼風、この子はシロじゃないか?嘘をついている感じもしないし」
「あなた、この子が美少女だからって気を許し過ぎじゃないの?」
「そんなことない。ただ、真面目な話。この子1人をそこまで警戒する必要はないんじゃないのか?」
「どうして?彼女は火魔術まで使えるのよ?」
「そうだな、だがそんな彼女なら最初の時、俺たちを一瞬でを黒焦げに出来たはずだ。
しかし、彼女はそれをしなかった。
それに騎士団がこんな子を雇ってまで俺たちを見つけようとするか?奴らは青龍騎士団だぞ?」
青龍騎士団はプライドが高いことで有名だ。
こんな少女の力を借りるなど奴らのプライドが許さないだろう。
「それもそうだけど、でもあの男は私達を利用したりしたじゃない」
あの男とは昨日俺たちを襲ったカリハンのことだ。
「それは青龍騎士団に探させたら、俺を麒麟に連行することで得られる手柄を独り占め出来ないからな。俺たちを襲うのは奴の直属でも出来たが探すには少々人手が足りない」
「わかったわ。とりあえず彼女を疑うのはやめる」
「ありがと!姉ちゃん」
「でも信用したわけじゃないからね」
「うん!」
まるで太陽のような笑顔だ。かわいい。
「俺は山城智一。訳あって逃亡生活中だ」
「私は涼風みゆき。右に同じく」
雑な自己紹介だ。
「ところで、この魚が食べられないってのはどういうことだ?」
「ああ、この魚ね。この魚、魔物だから」
「「は⁉︎」」
このなんの変哲もないこの魚が魔物だと?
「それって私たち、魔物を食べようとしていたってこと?」
確かに、暗くてよく見ていなかったが禍々しい顔をしている魚だ。
「うん!まあ、魔物といっても特に危険はないよ?食べられないだけ!」
そこも笑顔のティナちゃん。かわいい。
「山城君?変態の顔してるわよ?」
「え?まじで?」
「110番出来ないのが残念だわ。ちょっとこの魚かじってみたら治るかもよ」
「勘弁してください…てか、涼風はこの魚が魔物だって気づけなかったのか?旅はしたことあるんだろ?」
「私もそこまで全知全能じゃないってこと、わかってるでしょ?」
「そうだな」
生きてる魚を触れなかったりな。
「そうだ!せっかくだからこれ食べようよ!」
そう言ってティナがどこからか鶏肉を差し出してきた。かなりでかい。
「これ?お前が狩ったのか?」
「うん!あたしの実力ならこれくらい楽勝」
ドヤ顏もまた可愛らしい。
「毒は入ってないでしょうね?」
「もう疑わないんじゃなかったのか?」
「もちろん。ただの冗談よ」
冗談には聞こえなかった。
ティナちゃんの持ってきた鶏肉はかなりうまかった。
よくよく考えると、昨日からほとんど食事をとっていない。
しばらくぶりの食事だ。
「おいしかったわ。ありがとう、ティナちゃん」
と涼風。
「ティナでいいよ!兄ちゃんも!」
涼風も久々の食事で少しは気が緩んだらしい。
まあ、こいつはずっと気を張っている節があるから悪いことではないだろう。
「ティナはいつもどこで寝泊まりしてるんだ?」
「気の向くままに、そのへんで適当に、かな?」
「今晩はどうするんだ?」
「山城君。それってどういう意味合いで言っているの?」
「いや、他意はないけど」
涼風は俺の事、本当に変態だと思ってるかもしれない。
「ティナ。よかったらあなたも今日はここで寝泊まりしていかない?
それで、もしよかったら明日食べられる食料とか、その捕り方とか教えて欲しいのだけど」
と涼風。
「いいよ!どうせあたし暇だし」
「ありがとう。それと、私のことはみゆきって呼んで」
「じゃあ、みゆき姉でいいかな?」
「いいわよ」
「じゃあ、俺のことは智一お兄様で」
「この人は純粋な変態だから言うこと聞いちゃだめよ」
「なっ!」
ティナが鵜呑みにしたらどうする!
「あははは!!」
子供に笑われた…
「もしかしてあなた、あっちでもそんな感じのノリだったの?」
「それはないから!!」
断言できる。
そもそも、元いた世界ではこんなに楽しく会話が続いたことすらなかった。
まあ、こっちに来てからはそれも解消された。
主にルミナのおかげだが。