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詞集  作者: 村雨
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ほどいた線の先

君の好きな簡単な絵を

色を消して線に戻して

辿れば未来があるような気がして

カメラを持って立ちすくんだ


短すぎる時間僕は夢を見た

目を開いて現実にするつもりが

どうやら遅すぎたらしい



失いたくないよ 痛みさえ

開いた傷口から暖かい血が流れるなら

はじまりの笑顔だけ張り付いて

何も手放さないまま全て失っていく



映画館で単純な絵を

色は無くて線のままで

そのまま画面に移しとったら

電話の向こうで声震えてた


少し長い時間僕は躊躇った

それだけでも伝えたいことだけは

どうやら遅すぎたらしい



たとえば時間を戻せたとして

望む通りになるとして

変えたいことが多すぎて

変えてるうちに今日になる



それなら



失いたくないよ 痛みさえ

開いた傷口から暖かい血が流れるなら

はじまりの笑顔だけ張り付いて

何も手放さないまま全て失っていく



僕だけじゃないよな

君もきっと



視界から消える

君の名を呼ぶ

僕を消す



そう上手くは行かないよな

そうだよな


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