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悪魔と神の子  作者: Leone
第三章 記憶編
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第79話 悪魔との契約

「なあ……、本当にこの先どうするんだ?」

 マシューはその場にいる全員に問う。

「ううむ、そうだな。まずは、奴らの拠点を把握しておこうか。それから策を練ろう」

 そう提案したのはアック。

 それに対して、ミラは答える。

「まあそれが一番かもしれないわね。その場合、どうやって奴らの拠点を把握するか……」

 皆、ほぼ同時に頭を抱え込んだ。

 だが、最悪な事に、その事は杞憂に終わる。

「お探しのものは見つかったかぁ?」

 彼らの前に、堂々と敵が現れたからだ。

 まるで、向こうに全てを知られているかのように。

 そして、同時に恐ろしい事実を彼らは突き付けられる。

「ヴェイン……お前……」

「あんた……」

 マシュー、アリスの二人は驚きのあまり、口をぽかんと開けていた。なぜなら、ヴェインの体は悪魔の体だったからだ。

 赤い、鎧のような四肢。鋭利な爪。

 以前、彼は確かに対悪魔用能力を使っていた。それを彼らは知らないが。

 それならなぜ、彼の体は悪魔の体になっているのだろうか。

「俺がなぜ、悪魔なのか知りたいか?」

「…………」

 誰も何も言わないが、ヴェインは続ける。

「俺は、マーク達と契約を交わしたんだよ。俺を悪魔にしてもらう代わりに、俺はてめえらを殺す、ってな。まあ、俺には得しかしねえから、別にいいんだけどな」

「お前……何で悪魔なんかに……」

 マシューは愕然としつつ、そう言った。

「何で……? そりゃあ、てめえを超えるためだろうがよ!」

 本来ならここで違和感を覚えてもいいのかもしれないが、彼らはそんなことを考える余裕などもっていなかった。

 てめえらではなく、マシュー一人を指したことに。

 間違いなく、ヴェインは知っているのだろう。

 マシューは悪魔だということを。

 おそらく、彼の仲間達も。

「さて……と。怪我人相手じゃ、流石につまらねえかもしれねえが、楽なことには変わりねえ。とっととあの世へ行ってもらうぜ。クソ野郎共!!」

 マシューは強く思った。

 おそらく、この記憶の件のせいで巻き込んでしまった彼らを、ただ護りたいと。

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