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悪魔と神の子  作者: Leone
第三章 記憶編
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第69話 絶対勝つ!

 マシューと地の悪魔であるマークが向かい合う。

「マシュー……、逃げるんだ」

「あんたを置いていけるか……」

「……」

「俺は絶対、こいつを倒してあんたを助けてみせる!」

「お前には無理だ。こいつの強さは尋常じゃない。現に私は容易く負けたのだから」

「そんなこと知ったこっちゃねえ。こいつが強かろうが何だろうが、俺は絶対に勝つ!」

「絶対に勝つというのは、強者のセリフだぞ。弱者が言うものではない」

 マークが軽い挑発をする。

「はっ!! 俺が弱者? ふざけんじゃねえ。俺は絶対てめえに勝ってみせるから、覚悟しろ!」

「……面白い」

 マークはほんの少しだけ、口元を吊り上げた。

 そして、マシューとマークの闘いが幕を開ける。

 先に動いたのは、マークだった。ものすごいスピードでマシューに向かって突っ込んでくる。だが、マシューは臆することなく受けて立った。

 しかし、気合だけではどうにもならないのも事実。マシューの右肩をマークの爪が斬り裂く。

「ぐ……」

「やはり、所詮はその程度。人間如きが悪魔に勝てるはずがないのだ」

「ほざいてんじゃねえよ」

「!?」

 マークの顔に少しだけ動揺が見えた。

「勝てる道理ぐらいあるに決まってんだろうが!!」

 轟! と、紫の炎が爆発するようにマークに襲いかかる。

「ごほっ……」

 マークを一旦退けた。

「こんな馬鹿なことが……」

 マシューはさらに追い打ちをかける。

 だが、

「図に乗るなよ、小僧。多少、手を抜いてやっていたからといって、そちらがその気ならその余裕を叩き潰すぞ!!」

 片手で簡単に止められる。

「やってみろよ」

 マシューはマークと距離をとる。

「……貴様のような小僧には、それが合っているのかもしれんな」

 マークから赤いオーラが出る。それは、異様な雰囲気を放っていた。

 マシューの表情も一変する。

「一瞬で決める」

 そのとき。

 既にマシューの後ろに回り込んでいたマークがいた。反射的に後ろからのマークの攻撃を防ごうとするが、間に合わない。

「ごはっ……」

 マシューの口から赤い液体がこぼれ落ちる。

 右肺のあたりには腕が……。そう。マークの腕があった。貫いていたのだ。そこからは、これでもかというほど血が流れていた。

「終わりだ」

「ち……くしょう……」

 ドサッ、と崩れ落ちるマシュー。

「さて、次は貴様の番だ」

 ミラのもとへ行こうとするマーク。だが、不意に足を捕まれる。

 誰に? それは……。

「きひっ! よお、久しぶりのご登場だぜ!!」

 マシューだった。だが、いつもとは違う。角や翼は少し欠けてはいるが、悪魔の姿だった。随分と前にも、同じようなことが……。

 そう。ルシファーに訓練をしてもらっていた時やサーシャとの闘いの時のことだ。

「誰だ? お前は」

「誰かだって? 決まってんだろうが! マシューってよぉ!!」

 再び立ち上がるマシュー。だが、内に潜む悪魔として。彼自身、まだ気づいていないが……。

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