表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔と神の子  作者: Leone
第三章 記憶編
58/79

第58話 サタンと化け物

 右隣の誰かさんのせいで、授業の雰囲気が張り詰める。そんな時でも、授業を無理矢理進める先生。

 そして、午後の最初の授業。

 その授業は体育。

 対悪魔用能力を持つ者の多い学校が故に、いやな予感しかしないのだが……。

 そして、それは見事に的中した。

「新しくこの学校に入った者もいることだし、久しぶりに能力測定をするとしようか」

 体育の女性の先生が声を張り上げる。

「一応測定方法を話しておく。まあ、簡単なことだが……。方法は、あそこにある的に攻撃するだけ。いいな? んで、結果はレベル1が最低でレベル10が最高な」

 その的というのは、悪魔の姿をした人形だった。黒い髪を長くのばし、色白の肌、赤黒く長くて鋭い爪、黒い巨大な翼、真っ赤な眼球に猫のような黄色い瞳、といった見た目の人形だ。

「すげえ見た目……」

「だろ?」

 先生が続けて話す。

「あれはな、伝説の魔神「サタン」をも遥かに凌駕する力を持つと言われる、本物の化け物らしい。実在するのかどうかは不明だけど」

「へえ……」

「ま、ただの人形だから思いっきり攻撃してみな」

 そして、次々と人形をぼこぼこにしていく皆。しばらくして、やっとマシューの出番が来る。

 マシューは常に持ち歩いている剣を隠すための細長い袋から剣を出す。

「よし」

 マシューは剣を鞘から抜く。それと同時に紫の炎が剣から溢れだす。

「ほお、すごいな」

 マシューはあのときの感覚を思い出しながら、剣に力を込め、紫の炎を放つ。

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 クラスの中でも一際目立つ声を張り上げる。そして、結果は……。

 レベル6。

 中の少し上あたりくらいか。マシューはこんなものなのかな? と思い、あまり気にはしなかったが、

「へえ~、中々やるじゃん。でも……」

 マシューの次の奴。その者の名は……。

 アリス。

 アリスは雷を帯びた剣を能力を使って作りだす。そして、その剣を真横に振る。

 その瞬間、青白い雷のかまいたちのような物が剣から放たれる。

 ズドオォン、という轟音をたてて。

 結果はレベル7。

 マシューよりも1上だった。

「すげえな、アリス」

「あんたに名乗った覚えないんだけど」

「まま、そんなに喧嘩しないで。ねえ、アリス」

「あんたは黙っててよ、レーラ」

 アリスの友達、レーラの結果をマシューはふと気になっていた。ひょっとして、こっちも強いのではないかと……。

 そして、レーラの出番が回ってくる。

 レーラの能力は大気を操るものらしかった。そう思ったわけは、レーラが掌を前に出し、空気砲のようなものを的に当てていたからだ。

 気になっていた結果はというと、マシューと同じレベル6だった。

「やっぱり中々上がらないわね」

「私だってレベル7から上がってないよ」

「……それ、皮肉にしか聞こえんだろ」

「あんたは一々突っ込まない!!」

「ふう……」

「ごめんなさいねえ。うちのアリスがだめだめで……」

「レーラ! あんたは私の親か!」

 怒っているようだが、その顔は少し苦笑しているようにも見えた。

 そして、皆が能力測定を終えたとき、この体育の授業は終わりを告げる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ