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悪魔と神の子  作者: Leone
第三章 記憶編
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第57話 あいつ

 マシューは校長の後をついて行き、自分がこれから使っていく教室にたどり着く。

 1-A。

 校長は教室のドアをノックし、

「失礼。先生、ちょっといいですかね?」

「あ、はい。皆は、ちょっと待っててね」

 その先生はそう言って、教室から出てくる。結構若い女性の先生。

「えー、今日から入るマシュー君だ。私は仕事があるから、後は頼みますね」

「あ、はい。わかりました」

 校長はそそくさと去っていく。

「えっと、とりあえずクラスの皆に自己紹介しましょうか」

「はい。宜しくお願いします」

 いよいよだ。マシューの初めての学校生活。裏では、悪魔狩りだが……。

 まず、先生が先に教室に入る。そして、マシューはその先生に促されてから教室に入る。

「えー、皆。今日からこのクラスで学校生活を送ることになった、マシュー君です」

「宜しく」

「ええと、彼は一応記憶を無くしておられるので、皆はできるだけそういうことを考えて接してあげてくださいね」

「記憶喪失なんだ!」

 クラスの中の誰かが言う。

「珍しっ! 俺、初めて見たんだけど」

 別の人が言う。

 一方では、

「ねえねえ、ちょっとかっこよくない?」

 ひそひそ話しているつもりなのだろうが、思いっきり聞こえている。当の本人はまだ知らないが、聞こえる理由は悪魔がすごい聴力を持っているからだ。

「ええっと、君の席はあそこ」

 指でさしている方には一つだけ席が空いている。

 とりあえず、そこに移動するマシュー。

「私、レーラ。宜しくね」

 左隣の女子が話しかけてきた。赤のツインテールの髪といった女子だ。

「宜しく」

 そして、ふと右隣を見てみるマシュー。すると、そこには……。

「げっ!!」

 電車で遭ったあの女子高生。驚きのあまり、そう言ってしまったマシュー。

「ん?」

 今までなぜお互い気付かなかったというと、その女子高生は寝ていたからである。授業の真っ最中だっただろうに……。

 そして、この瞬間目覚めてしまったのだ。

「…………」

 沈黙。

 そして、

「ああっ!!」

「どうしました? アリスさん」

「いや、その……。つか、何でこいつがここに居んのよ!! 全然、意味分かんないんだけど!!」

「お知り合い?」

「知り合いってほどじゃないんだけど……」

「……宜しく」

 マシューはこの状況を前にしても、普通に片手を前に出す。

 だが、それは簡単に叩かれてしまう。

「あんたも何でそんな平然と話しかけてくんのよ!!」

「いや、別に電車で遭っただけだろ? そんな怒るなよ」

「う……」

 何か妙なスタートを切ったような……。そんな気がした。

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