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悪魔と神の子  作者: Leone
第三章 記憶編
53/79

第53話 テスト

 組織の建物の中へ入る……。そのとき、背後から声がした。

「おい、小僧」

 青い髪に青い瞳をした、槍を持つ男。

「もし貴様が特別な力を持っているなら、今ここでそれを見せてみろ」

「……ええっと……」

「マシュー、剣を抜くのよ」

「あ、ああ。そういうことか……」

 その男がこちらを睨むように見ているせいか、妙に緊張する。

 そして、マシューはゆっくり剣を鞘から抜く。

 その剣からは紫の炎が……。だが、前より少し炎の量が多いような……。

「それが、貴様の能力か。奇妙な炎だな、紫色とは……。だが、本当に役に立つのかは俺が決める。さあ、かかってこい。俺を殺す気でな」

「殺すって……」

「大丈夫。あいつは結構強いから、そう簡単には死なないよ。だから、全力でぶつかってみなさいな」

「……わかった」

 マシューはその男に向かって走り出す。

「うおおおおおおおおお!!」

「何だ? もっと速く動けねえのか?」

 男は槍を振り回す。まだ、マシューは攻撃範囲内に入っていないのにも関わらず……。

 だが、突然マシューの頭上から水の塊が落ちてくる。

「ぐわっ……!!」

「どうだ? 痛いだろ? 俺の水の攻撃はよ」

「水……」 

「そうだ。生命の源である水は、使い方次第で恐ろしい凶器と化す。今のは単に水を思いっきり叩きつけただけだが、それを高圧水流とかに変えたらどうなると思う?」

「!!」

「理解できたようだな。まあ、今回はテストだ。そんな手荒なまねはしない。何しろ、久しぶりの能力者だからな。さあ、次々!!」

 何度も水が頭上から落ちてくる。いくつかは回避ができても、すべてを回避するのは不可能に等しいものだ。

 よって、何度か水の塊をくらうマシューだったが、それでも少しずつ前進する。

「く……」

「ほれ、あと少しで届くぞ」

「ぐおおおおおおおおおおお!!」

 剣の切っ先を男に向けて、走り出すマシュー。だが、ひらりと簡単にかわされてしまう。

「く……」

「おしいな……」

 そのとき、本当に殺す気でマシューは剣の軌道を変え、男を斬りつけようとする。

 だが、斬りつけることはできなかった。

 しかし、その紫の炎を男に向かって放つことで、攻撃を当てることができた。

「……やるじゃねえか」

「ははっ……」

 だが、ほとんど傷がなかった。おそらく、攻撃が当たっても水で炎のダメージを抑えたのだ。

「まあいい。とりあえず、合格だ」

「……」

 一瞬遅れて、

「うおおおっしゃああああああああああああ!!」

 喜びのあまり、叫んでいたマシューだった。

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