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悪魔と神の子  作者: Leone
第二章 死者の世界
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第47話 左腕のミー

 マシューたちは魔龍たちとは別行動だったため、クアトルの者に襲われていることに気がつかなかった。そして……、傷を癒すために休息を取っているマシューたちの前に、そのクアトルの者が現れるのであった。

「こんばんわ~、アルゴンのみなさん。急ではありますが、殺されてもらえないでしょうか?」

 金髪に黄色い服装の女……。黄色が好きなのか? と言いたくなるくらいだった。

「まさか……、クアトルなのか?」

「よくご存じで。でも、知ったところで何も変わらないけどね!!」

 突然、そいつは持っている杖を地面に突き刺す。それと同時に、アイスが血を吐きながら倒れる。

「ぐはっ……」

「アイス!!」

 一体何が……?

「一応教えておくけど、そいつの内臓潰したから」

「!!」

 本当に何をしたんだ? こいつは……。

「あたしが何をしたかわからないんでしょ? やっぱり図星?」

「てめえ……。一体どんな能力を……」

「クアトルのことを知ってるんだったら、こう言えばわかるかしら……。あたしは左腕のミー。わかる?」

「……わからねえな」

「……そう。だったら、知らずに死ぬがいいわ!!」

 そのとき、ミーの姿が消える。そして、気付いた時には、ネリアとリーティスがやられていた。

「畜生……」

「ははははははははははははは!! 次に死ぬのは誰かなあ?」

「ベリウス、ここはいったん……」

「ああ。こんな化け物の相手なんかできるか!! 退くぞ!!」

「あたしがおとなしく待っているとでも?とんだおバカさんたちだねえ」

「く……」

 マシューはアイスを、ベリウスはネリアとリーティスを抱えて逃げる。そのとき、新手が目の前に現れた。

 あの金髪の少女だった。

「おやおや、獲物が増えてしまったねえ」

 何なんだ。こいつの自信はどこから湧いてくる?

「テキフクスウハッケン。ジンソクニハイジョシマス」

「何を言ってんだか……。あたしに勝てると思うなんてね……。本当に哀れな存在だよ」

 また杖を地面に突き刺す。

「くそ……」

 マシューは猛ダッシュで逃げる。それに続いてベリウスも……。そのとき、マシューが元いた場所に妙なものがあった。

 杖の先端。

 地面の中にあるはずの杖の先端だけがその場に出ていたのだ。

「空間移動」

「え?」

「それがあたしの能力よ」

 次は杖を横に振る。

 だが、標的はあの金髪の少女だった。

 少女の顔の右側から杖が出てきて、少女を殴り飛ばす。しかも、威力が尋常ではなかった。その証拠として、少女は何メートルも吹き飛ばされたのだから……。

「じゃ、次はあんたらね」

「逃げるぞ!!」

「させ」

 させないという言葉は途中で遮られた。理由はあの少女が一番危険とみなしたミーを攻撃したからだ。

「あいつに助けられるとはな……。だが、今は……」

 マシューたちはその少女に任せて、何とか逃げきるのだった。

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