第45話 弔い合戦
最後の一人、ロットと闘うマシュー。
だが、ロットはあのベリウスを意図も簡単に倒した男だ。マシューがたった一人で勝てるとは到底思えない。
それでも、マシューはこの世界でいろいろ助けられたこともあるせいか、ベリウスだけはこの世界から抜けてほしいと思っていた。だから……。
「ロット、てめえだけは絶対許さねえ!! もう一回、死んでベリウスに謝れ!!」
「謝れ……だと? 忘れてんのか? てめえらは、俺の仲間を殺した。それを忘れたとは言わせねぞ!」
「ふざけんな!! そっちから仕掛けてきたんだろうが!!」
「……言い争っても無駄か……。なら、てめえもそこの野郎と一緒に葬るまで!!」
マシューは鎌を今までにない速さで振り回す。だが、それをすべて銃で受け止めるなり、かわすなりしてロットはやり過ごす。
「ちっ……」
そして、ロットは少し距離を取って、EMLを使用する。
だが、マシューはそれを片手だけで弾いたのだ。
「馬鹿な……!!」
ロットに隙ができる。マシューは銃を持っているロットの右腕めがけて、鎌を振り下ろす。
「がああああああああああああああ!!!」
ロットの右腕が肩からなくなった。そこからは、血が大量に流れる……はずだった。
ロットは今は機械だ。つまり、血が流れることは決してない。逆にその場所は電磁波によってビリビリと音を立てていた。
「くそっ……くそっ…………、くそったれがあああああああ!!」
ロットの左腕が大砲のような形に変形する。
「なめてんじゃねえぞ!! 俺の全力はあんなもんじゃねえんだからなあ!!」
ロットの左腕に光が集まって行く。そして……。
「吹っ飛べ」
EMLのせいなのかはわからないが、妙な音が鳴る。まるで、耳鳴りみたいだった。
そして、EMLによる爆発。反動でロットが吹っ飛んでしまうくらいの破壊力。
マシューはそれに真っ向から立ち向かう。
「く……」
鎌がバチバチと悲鳴を上げているように見えた。
これまでのマシューなら、あっさり終わっていただろう。だが、今回のマシューの力は信じられないほど強力だった。死の王ぐらいなら一撃で葬れるだろう。そして……。
何とか耐え抜いたマシュー。
一方で、ロットは反動によってほぼ瀕死状態だった。
「あ……う……」
まともに話すことなどできるはずがなかった。だが……。
「シュ……ド……」
しばらく会っていなかったが、シュドとは一体何者なんだ?
そう思いながら、とどめをさすマシュー。
「本当にさよならだ」
そして、とりあえず適当な隠れ家を見つけ、休息を得るアルゴンだった。