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悪魔と神の子  作者: Leone
第二章 死者の世界
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第43話 悪戦苦闘

 ネリアVSアリナ。

 相手のアリナの能力、それはマシューやベリウスと同じ炎の能力だった。

 アリナの剣は炎を纏っている。そして、その破壊力は尋常ではなかった。

 ネリアはスピードを活かして、かわし続けるが、そのたびに周りの建物がアリナによって崩壊されていく。

「へえ、逃げ足だけは速いみたいね。でも、逃げてるだけじゃあ勝てないんだよ」

「く……」

 ネリアはスピードが速いおかげで、何とかかわし続けてはいるのだが、アリナには全く隙がないのだ。故に、ネリアは迂闊に手が出せないでいた。

 このままだと、体力切れで勝負が決する。だから、死を覚悟でネリアはアリナに攻撃をしかけたのだ。

「おおおおおおおおおおおおおお!!」

 眩しい輝きを放つ拳。だが、アリナにはやはり当たらなかった。

 ネリアの拳はアリナに片手で簡単に弾かれる。そのとき、アリナは炎を纏う剣でネリアを斬った。左肩を深く斬られて、そこから血が滝のように流れ出る。

 その瞬間、ネリアは痛みで少し隙を作ってしまった。

 それを利用し、アリナはネリアの右腕の腱を斬る。

「く……」

「それでもう右腕は使い物にならないわね」

 強い。

 まだ、全然力を出してないみたいなのに、無茶苦茶強い。

 しかも、右腕をやられた。利き腕をやられたネリアにとってはかなりつらい。さらに、アリナは無傷なのだ。危機一髪としか言いようがない。勝てるとしたら、奥義を決めるしかなかった。

「奥義をやりなさい。力の差を教えてあげるから」

 舐められたものだ。本当に……。

「いいわ。あんたは絶対倒さなきゃならないから……」

 精神統一するネリア。

 剣に全霊を込めるアリナ。

「言い残すことは?」

「ないわね。あたしが勝つんだから!」

「じゃ、そろそろさよならね」

 ネリアの左拳とアリナの剣がぶつかる。たとえ、ネリアは素手だとしても、簡単には斬られなかった。

 そして、光と炎の爆発が起きた。

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