第43話 悪戦苦闘
ネリアVSアリナ。
相手のアリナの能力、それはマシューやベリウスと同じ炎の能力だった。
アリナの剣は炎を纏っている。そして、その破壊力は尋常ではなかった。
ネリアはスピードを活かして、かわし続けるが、そのたびに周りの建物がアリナによって崩壊されていく。
「へえ、逃げ足だけは速いみたいね。でも、逃げてるだけじゃあ勝てないんだよ」
「く……」
ネリアはスピードが速いおかげで、何とかかわし続けてはいるのだが、アリナには全く隙がないのだ。故に、ネリアは迂闊に手が出せないでいた。
このままだと、体力切れで勝負が決する。だから、死を覚悟でネリアはアリナに攻撃をしかけたのだ。
「おおおおおおおおおおおおおお!!」
眩しい輝きを放つ拳。だが、アリナにはやはり当たらなかった。
ネリアの拳はアリナに片手で簡単に弾かれる。そのとき、アリナは炎を纏う剣でネリアを斬った。左肩を深く斬られて、そこから血が滝のように流れ出る。
その瞬間、ネリアは痛みで少し隙を作ってしまった。
それを利用し、アリナはネリアの右腕の腱を斬る。
「く……」
「それでもう右腕は使い物にならないわね」
強い。
まだ、全然力を出してないみたいなのに、無茶苦茶強い。
しかも、右腕をやられた。利き腕をやられたネリアにとってはかなりつらい。さらに、アリナは無傷なのだ。危機一髪としか言いようがない。勝てるとしたら、奥義を決めるしかなかった。
「奥義をやりなさい。力の差を教えてあげるから」
舐められたものだ。本当に……。
「いいわ。あんたは絶対倒さなきゃならないから……」
精神統一するネリア。
剣に全霊を込めるアリナ。
「言い残すことは?」
「ないわね。あたしが勝つんだから!」
「じゃ、そろそろさよならね」
ネリアの左拳とアリナの剣がぶつかる。たとえ、ネリアは素手だとしても、簡単には斬られなかった。
そして、光と炎の爆発が起きた。