第42話 光
ネリアVSディール。
ネリアは光の魔法を使う悪魔。
ディールは槍の使い手。
ネリアは特に武器は持っていないが、光の魔法は非常に強いため、なくても問題はない。光の魔法の能力は主にスピードを上げる魔法だ。光の速さに匹敵するぐらいスピードを出せるのだ。故に敵から攻撃を受けることはあまりない。
つまり、相性はディールにとってはあまり良くないのだ。
だが、それを覆すのがディールだった。
「何でこのスピードに反応できんのよ!! どうかしてる!!」
「くっくっく。その程度で速いと思っている貴様の方がどうかしてるがな」
ディールは本来槍に力を入れるのだが、その分を今回は足や目に集中させて、このスピードについてきているようだ。ただし、槍にはあまり威力がないが……。
「闘いで最も重要なのは相手によって闘い方を工夫できることだ。もしできなければ、一瞬でやられていただろう」
「つまり……、あたしにも工夫をしてみろと?」
「そうだ。そうでなければ、話にならん。もっと俺を楽しませてみろ」
「オッケー。じゃ、文句はないよね?」
その時だった。
ネリアが太陽のような眩しい光を発したのだ。
ディールはさっきも言ったように、目を強化させていたため、この攻撃を受けた途端、目の痛みで何も考えられなくなっていた。
「ぐああああああああああああ!!」
「あたしの勝ち!」
光を纏った拳でディールを殴るネリア。ネリアはディールに勝ったのだ。だが……。
ネリアの横から人が吹っ飛んできたのだ。
その者は……、リーティス。
「う……」
「こんなもんなの? まあ、デッサイに結構派手にやられていたみたいだから、仕方ないのかもしれないけど……。ちょっと弱すぎない?」
そう。リーティスはデッサイに深手を負わされていたのだ。そんな半端な状態でデストの者に勝てるはずがない。
でも、ネリアはまだほとんど攻撃を受けていない。
「だったら、私が相手になる!!」
「いいねえ。仇討ち、取ってごらんよ」
「ネリ……ア……」
「リーティス。大丈夫。絶対、勝つから」
「う……ん……」
「覚悟しなさい!! あたしの仲間に手を出したことを後悔させてやるから」
「あたしの能力を見ても、まだそんなことを言えるかしら。本当に楽しみだわ」
ぞっとする笑み。だが、ネリアは決して怯えない。リーティスという仲間のために――。