第4話 戦闘訓練
俺はあの日、バンパイアとの闘いに負けた後ルシファーと会った。
「ひどい傷ですね。誰にやられたんですか?」
「……言えない」
「そうですか……」
「なあ、俺を鍛えてくれないか?」
「私がですか?」
「そうだ」
「では、まずアザードへ行きましょう。そこで傷の手当をした後で鍛えましょう」
「わかった」
こうして俺は、再びアザードへ行った。そして、傷の手当をした。
「まず、鍛えると言えば反射神経ですね。ですから、私の刀をよけてみてください」
(簡単だな……)
そう思ったとき、ルシファーが既に目の前にいた。俺は反応できず、切られてしまった。
「集中してください。危ないですから」
「わかってるよ」
次の攻撃は何とかかわせたが、そのあとの蹴りをくらってしまった。
「難しいでしょうけど、がんばってください」
「ああ」
その後も三時間くらいかわし続けた。
「そろそろ休憩にしましょう」
「やっとか……」
三十分休憩した後、次の訓練が始まった。
「次は、悪魔の姿に変身してもらいます」
「そんなのもうできてるじゃねえか」
俺は刀を抜いて紫の炎を燃え上がらせた。
「確かに、悪魔の姿ではありますが、さらにその上があるのです」
「なにっ!」
「悪魔の中には常時悪魔の姿でいるものも多くいますが、逆に人間の姿でいて闘うときは悪魔にもどるものもいます。私もその一人です。さらに、数はそう多くいませんが、人間のような姿のままの悪魔もいます」
「そうだったのか」
「とりあえず、変身するには変身した相手と闘うのが一番いい。ですから、私が変身しますけど、加減が難しいので集中してくださいね」
「わかった」
すると、ルシファーの周りが爆発して、ルシファーが現れた。
その姿は、頭の横あたりから角が上に向って伸びていて、背中から大きい黒い羽根があった。目は中心から黒、黄色、黒となっている。手足は黒い毛で覆われていて、爪が鋭く長い。
「ぼうっとしないでください。本当に危ないですから」
俺はいつ攻撃してきてもいいように身構えた。だが、一瞬で蹴飛ばされた。何が起きているのか全くわからないくらいのスピードでやられた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だ」
「なら、いいですけど。続けられますか?」
「もちろん」
またやられるかと思った瞬間、声がした。
「弱い、弱すぎるぜ。あんたそれでも悪魔か?仕方ねえなあ、俺が代わってやるよ」
非常に大きい爆発と同時に俺は覚醒した。俺にも頭から角が出て(横に向かってだが)、黒い翼と黒い尻尾がはえた。爪も鋭くなった。
「よお、ルシファー」
「おお、覚醒しましたか」
「てめえのおかげで目覚めることができた。サンキューな」
「ありがとうございます」
「ああ……」
気がついたら俺はルシファーを切っていた。
「なぜ……ですか」
「てめえの役目は終わりだ」
そして、俺は気が遠くなって倒れた。