第37話 デッサイ
デサーズ。
「ちっ、しくじりやがったか、エリーのやろう。このあと始末、どうしてくれるのかなあ!!」
「次はお前が行くのか……。なら、奴らに勝ち目はないか……」
「……。てめえもくるか?」
「悪いが、俺はエリーの方を頼まれてるからな」
「ちっ……、どいつもこいつも……」
「ま、お前の能力は特殊だ。余裕だろう?」
「ったりめえだ!」
そして、マシューたちは……。
「全く……。いきなり何を言い出すかと思えば、エリーを助けるなんて……」
「ネリアの言う通りだ。一体何があったんだ?」
「……そのことは、あまり聞かないでくれ。すまない……」
「……」
ベリウスが無言で俺の前を通り過ぎる。おそらく、気づいているのだろう。マシューが真実を知ったことを……。
今、リーティスは見張りをしている。この前のことがあってから、順番に見張りをしているのだ。そのとき、リーティスは少し不安を覚えた。かなり先に人みたいなのが見えたからである。
そして、その者は一瞬でリーティスの前に現れる。
「え?」
驚きのあまり、そんな言葉しか出なかった。
「邪魔だ」
その者は、鎌を持っている男だった。その鎌を上からリーティスを狙って振り下ろす。
「――!!」
不意打ちのせいで、リーティスは反応することができなかった。鎌に切り裂かれたリーティスはその場に倒れた。
「ふん……。こんなものか……、奴の仲間は……」
外でこのようなことが起きているにもかかわらず、誰ひとり気づいていなかった。
そこで、その鎌男はマシューたちの隠れ家をたったの一振りで粉砕する。
「くそ……。何がどうなって……」
答えが目の前に現れる。
「てめえは……ロットのギルドの……」
「久しぶりだ、マシュー。まさか、お前を殺せるときがくるとはな……。正直、もう二度とないと思っていた」
「……それは俺に一騎打ちをしろと?」
「そうだ」
「いいだろう。相手になってやる」
「デッサイ」
「……何?」
「俺の名だ。前に会ったときは、覚えてなかったから名はないといっていたが、死ぬ間際に思い出したのだ」
「そうかい。そりゃ、よかったな!」
マシューが悪魔の姿になり、ふたつの鎌が交わる。