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悪魔と神の子  作者: Leone
第二章 死者の世界
33/79

第33話 召喚者

 俺はエリーに言われたとおり、もう一発放って決着をつけようと思っていた。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 俺もエリーもお互いにけがをしていた。だから、俺はこれに全力を注ぐ。

 一方エリーは、

「やっぱり、結構強いね。死の王を倒したっていうのは、納得いかなかったんだけど……。これなら、勝てるのかもね……」

 だが、

「でも、私は負けない。いや、負けてはならない。生き残るために……」

 マシューの衝撃波、エリーの緑に光る槍。どちらも一撃で決めるために、すごい力を放っていた。

 そして、向かい合うマシューとエリーの両方から力が放たれる。互いの力がぶつかり合った瞬間、すさまじい爆発音がこの死の世界全体に響き渡った気がした。

 勝者は……。

「私の負け……か……。でも……、まだ終わっていないから……」

 ドサッ、とエリーは倒れた。

「うおっしゃあああああああああああああ!! 俺の勝ちだ!!」

 俺は喜びの雄叫びをあげていた。他のみんなも少し笑っていた。

「よくやった。やはり、お前には素質がある。この調子でどんどん強くなっていこう、マシュー」

「おう!! もちろんだぜ、ベリウス」

「だけど、この傷だから少し休んだ方がいいんじゃない?」

「ああ、確かにな。腹を深くやられてるから、少し休んでからまた修行だ。それでいいだろ? ネリア」

「そうね」

 マシュー以外のアルゴンの者は隠れ家の破壊された部分を直していた。

 マシューは傷を癒すため、安静にしていた。

「なあ、エリーのあの技ってどういう能力なんだろうな」

「さあね。あたしにも全くわからない。あんな能力見たことないからさ」

「…………」

「でも、私はあの能力知ってる気がする」

 リーティスが俺が休んでいる部屋に入りながらそう言った。

「いったいどんな能力なんだ?」

「知ってる気がするだけだから、はっきりとは……。でも、あれは私のと似ている気がしたの」

「そんなのありえない!」

 え?

「まだ話してなかったけど、リーティスの能力は召喚なの。つまり、いろんな悪魔を呼び出すことができる能力。あのエリーっていう女の能力はどう見ても召喚じゃなかった。一緒なんて絶対にありえない」

 じゃあいったい何で……?

「それに……、召喚のできる悪魔なんて十人もいないっていう噂なのに……。それが二人も目の前にいたなんてありえない」

「…………」

 沈黙が続く……。そこへベリウスが横槍をさす。

「まあ、気にすんな。たとえ二人いたとしても、本当の問題は別にある。そう……、あいつらのリーダー、アルマの力だ」

 確かにそうだった。あの力だけは本当に厄介だ。俺のメインの炎の力。これを封じられるのだから……。

 そして、一人誰にも聞こえないほど小さな声で呟く者がいた。

 ネリア。

「もし、召喚者なら……、あいつは今度こそあたしらを潰しにかかる」

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