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悪魔と神の子  作者: Leone
第二章 死者の世界
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第31話 仲間割れ?

 ここはデサーズの隠れ家。

 ここでは、マシューたちアルゴンを倒すための会議が密かに行われていた。

「まずは様子見として誰か一人を闘わせよう」

 リーダーのアルマが続けて最初に闘う者を決める。

「それじゃ、お前でいいな。さっきも言ったように、様子見だから無理はしないように」

「……いいだろう。あんな奴ら、私ひとりで十分だ」

「ふっ……。任せたぞ」

 そして、ここはマシューたちアルゴンの隠れ家。

 こちらでは、魔龍たちをできるだけたくさん集めて、デサーズが結成されたことを知らせていた。

 当然のことだが、魔龍たちは体が大きい分、隠れることが難しい。だから、このことを知らせたらすぐにそれぞれの隠れ場へ行ったため、マシューたちと一緒にいるのは、サラムだけだった。

 その残ったサラムと、マシューたちアルゴンはデサーズ対策の作戦を練っていたのだ。

「さあて、相手もチームがくっ付いたのなると、かなり厄介な状況だな。しかも、片方のリーダーは炎を自分の物にするから、リーダーの俺にとってはつらい敵だ」

 確かに、リーダーのベリウスは常に炎を纏っている悪魔。当たり前だが、俺のように氷の力は持っていないのだ。たぶん、相反する能力を使う奴は俺を含めても五人もいないだろう。それだけ珍しいものなのだ。

 そういうわけで、俺達のリーダーは相手のリーダーに全く歯が立たない。だからこそ、いい作戦がほしいのだが……、全く思いつかない俺たちだった。

「魔龍さんたちも、基本炎だしなあ……」

 本当に最悪だ。片方のリーダーがだめなら、せめてもう片方だけでも……。ということすらも、認められない炎使いの塊だった。ロットもいるっていうのに……。

「はあ、何かいい作戦ないか? 誰か、教えてくれ」

「とにかく、たとえあんたたちが闘えなくても、あたしたちがいるんだから、心配はいらないわよ」

 ネリアが自身を持って言っていたのだ。全く、頼もしい限りだ。

「何なら、あたしひとりで」

「やめとけ」

 ベリウスが途中で遮る。しかも、さっきと雰囲気がまるで違う。

「お前ひとりじゃ、誰一人倒せないのはわかっているのだろう? 前もそんなことを言っていなかったか?」

「なっ……」

「言いすぎじゃないか? ベリウス」

 アイスがちょっと怒っている。

「いいわよ。あたしだって、本気を出せば…………。あんたにはまだ見せてないけどね」

「そうか? じゃあ、こっからさきは単独行動にする。好きにするがいい」

「おい……」

「……わかった」

「お前ら……、何意地張ってんだ」

「…………」

 俺は我慢ができずに説教っぽく叫んでいた。

「ったく、馬鹿か? お前ら……。仲間割ればっかしてたら、相手の思う壺だろ。こんなんじゃあ、いい作戦思いついても全然うまくいかねえだろ。いい加減、頭冷やせ!」

「そうだな……。悪かった……」

「あたしも……ごめん……」

 二人とも、何とか仲直りできたみたいだ。

 そんな感じで、結構いい雰囲気になりかけてたのに……。敵が現れたせいで、台無しだ。

 しかも、そいつは隠れ家の壁を壊してきやがった。これじゃあ、隠れ家にならないから、また移動しなくちゃいけない。はあ、本当についてないや……。

「私の名は、エリー。そっちのリーダー、名を名乗りなさい」

 黒髪に真っ赤なマント、そして、巨大な槍。身長の倍くらいありそうな、とにかく巨大な槍だった。

「リーダーは俺だ。ベリウスという名だ」

「ベリウス、ねえ。特別有名でもなさそうね。安心したわ、相手のリーダーがそんなに強そうじゃなくて……」

「……おもしれえ。マシュー、ちょっと闘ってみろ」

「はあ!? 何で俺? 挑発してんだから、あんたが闘えば……」

「修行の成果、試してみたくはないのか?」

「……いいんだな? 本当に」

「ああ……」

「どうでもいいから、さっさと来な。何なら、全員でも」

「俺一人で十分!」

 奴の挑発を無理やり遮った。

 俺は悪魔の姿になり、剣も鎌に変化させた。そして、死の世界でチームとチームの戦争が始まる。

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