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悪魔と神の子  作者: Leone
第二章 死者の世界
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第30話 巨大な敵勢力

 アルゴンが結成されているとき、敵のチームにも動きがあった。

 このファイアーズも、地上に隠れ家を持っていた。そこでは、マシューたちと同じように負けないためにも修行を行っていた。

 そのとき、あの男がその場に訪れる……。そう、最強の契約者、シオンだった。

 シオンに気づいたファイアーズの者は、誰もが同じ反応をする。恐れという反応を……。だが、できるだけ表には出さない。もしそんなことをすれば、どうなるか恐ろしくて考えられない。

 だから、無理やりな笑みを浮かべて、アルマがシオンに尋ねる。

「シオンさん、今回はどんなご用件で?」

「ああ。ちょっと、お前らが弱すぎるんで鍛えさせようと思ってな……」

「マシューの件ですか……」

「……そうだ。そんなんじゃあ、話にならねえ。絶対にあいつを強くするためにもな……」

「すべてはあの人の計画のため……ですか」

「まあ、俺はたとえ大戦争が起きようと知ったこっちゃねえがな。で、俺のサービス受けるのか?」

「もちろん受けさせていただきます」

「ふっ……」

 再び始まる修行。だが、シオンがいるとやはり周りの空気が一変する。

 そんな緊張の中、次の客が訪れる。

 その客は、ロット率いるデストだった。

「やあやあみなさん、修行の最中失礼しますが、ちょっとお話を聞いてくれませんかね?」

「ほう……、これはまた面白い客だな」

 そう言ったシオンを見て、デストの者が全員息をのむ。

「シオンさん、いらっしゃったんですか。お久しぶりです」

「あいさつはいい。で、話って何だ?」

「では、単刀直入に言いますね。チームを組みませんか?」

「……なぜだ?」

「それはもちろん、マシューたちが魔龍どもと組んでいるからですよ。わかれてやると、おそらくかなり面倒になりますから……」

「そうか……。いいだろう、組め。俺としても、その方が都合が良さそうだからな」

「ありがとうございます」

「じゃあ、お前らも含めて修行だな……」

 デストとファイアーズ、この二つを合わせてデサーズと呼んだ。

 そして、修行をして二時間後……。

「俺はそろそろ、あっちの世界に帰るから……。ちゃんと、強くしろよ。両方とも……。じゃねえと、つまんねえからよ」

「了解です」

 全員が揃えて言った。

 こうして、最強の契約者はもといた世界へ戻ったのだった。

 マシューたちはこのことを知らないが、あの計画とはいったい――。

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