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悪魔と神の子  作者: Leone
第二章 死者の世界
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第29話 龍を率いる者(ドラゴンズ)

 新たに地上に作られた、マシューがいるアルスの隠れ家。

 そこでは、いつものように修行が行われていた。おもにマシューが中心で……。

 理由は2つある。

 まず1つは、マシューが力の扱いに慣れていないからである。

 そして、重要なのは2つ目。マシューは力を簡単には扱えない分、強大であるからであった。それがわかったのはつい最近のことだった。だからこそ、アルスのみんなはマシューの修行をメインにしている。

 その修行の後の休憩のとき、この隠れ家に新たな客が訪れた。

 その者の姿は黒き巨大な翼を広げる龍の悪魔だった。

「マシューという者がこの世界に来たらしいのだが……。お主ら、知らんかね?」

 その黒き龍はそう尋ねたのだった。

 龍の前には、今は休憩中のマシュー以外のアルスのメンバーがいた。だが、マシュー以外の者はこの龍を知らない。故に、誰も迂闊に返事をすることなどなかった。

 そして、再び龍が話し始める。

「別に悪意を持って来ているわけではないのだが……。まあ、警戒するのはわかる。それでも、マシューに会わせてもらえんかね?」

 このままずっと返事をしないわけにはいかないようだ。それは、アルスのこの四人全員がわかっていた。

 だから、ここはリーダーのベリウスが返事をするべきだ、と他の三人がベリウスに視線を向ける。

「……なぜ、あんたら龍の悪魔がマシューに会いたいんだ?」

 質問に質問で返すのはよくない、と思いつつもベリウスは質問で返す。

「……ふむ。理由と言えば、そうだな。マシューには、生きていた頃助けてもらった恩があってな……。それで、この世界には他にもたくさんの悪魔がいる。つまり、再び組んでもらえるとお互いの生存率が上がると思ってな……」

「…………」

 ベリウスは腕を組んで黙り込み、頭の中で整理する。

 そして、悩んだ末に出した結果は……。

「少し待っててくれ」

 そういうとベリウスはマシューの処へ行く……つもりだった。つもりだったわけは、何とマシューがいつの間にか後ろに立っていたからである。

「あんた……サラムなのか?」

 少し間があいて龍は答える。

「そうだ」

「ってことは、死んだのか……。いったい、どこの誰にやられたんだ? あいつは殺したから大丈夫だと思ったんだが……」

「アルマではなく、ロットのギルドに負けたんだ……」

「あいつらか……」

「一応言っておくが、ロットたちもこの世界に来ている」

「……」

 まさかアルマだけではなく、ロットたちも来ていたとは……。

 ひょっとして、死の王も来ているのか?

「なあ、死の王は来ているのか?」

 !!!!

 俺の質問に周りが恐怖のあまり、固まってしまったのだった。

「おい、お前……、死の王を倒したのか?」

 ベリウスが震えを隠しきれず、若干震えていた。

「そう……だけど……。なんで、そんな……」

 周りの状況を見ると、俺まで緊張する……。

「死の王はこの世界には来れない。奴は、一度ここにきて生き返っているからな……。つまり、一度生き返った場合は、二度とこの世界には来れず、生き返れない。まあ、そんなことができれば、世界は狂うだろうが……」

 サラムの答えには、俺だけしか安堵のため息をつかなかった。

 なぜなら、ここにいる者はおそらく死の王には勝てないからだ。

 したがって、本当に切り札になるかもしれないマシューだった。

「それで、もう一度我々と組んでもらえるかね? マシュー」

 アルスの全員が顔を合わせる……。そして、

「俺としても、そっちの方がうれしいな。よし、また一緒に闘おう!」

 こうして、アルスとサラム率いるドラゴンズがチームを組んだのだった。

 この二つのチームを合わせて、アルゴンと呼んだ。

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