第27話 強すぎる……
マシューVS金髪の少女。マシューは負ける気がしなかったが、他の者は一撃で決着がつくと思っていた。
だが、真実は――。
互いにぶつかり合うたびに、衝撃波が発生した。下水道は今にも崩れそうだったが、何とか持ちこたえていた。
「はっ、あんたベリウスを簡単に倒せんだろ。この程度なわけねえと思うんだけどな」
「……コレハスコシヤッカイデスネ。スコシダケホンキヲダサセテモライマス」
「いいぜ、てめえの力、俺にぶつけてみろ!!」
俺は、鎌に力を込めた。紫の炎が一気に爆発するような感じで増大する。
「くらえ! 奥義、ファイズ!!!」
鎌を一振りする。そして、一つの大きな紫の衝撃波を放つ。
金髪の少女はかわすことができず、さらに、受け止めることもできなかった。
「俺の奥義は、相反する炎と氷、その両方を同時に発動させ、反発させることで巨大な衝撃波を生み出す……。それこそが、俺の真の力……」
そして、俺は背を向けこう言った。
「じゃあな、名も知らぬ者よ……」
だが、そう簡単にもいかないのが現実……。
「コレハヨソウガイデシタ。デモ、コノテイドジャワタシハシニマセンケド……」
「な…………!!」
「ハンゲキカイシデス」
やばい。さっきまでの強気はどこかに吹っ飛んだみたいだ。
「オワリニシマショウ」
そのとき、信じられない光景が目の前に現れた。
「おい、アルスの奴に手え出すなら許さねえぞ」
ベリウスだった。俺と金髪の少女の間に割って入って、少女の攻撃から俺を守ったのだった。
「コレハベリウスサン、アナタモシニニキタノデスカ?」
「ちっ……。お前ら、今のうちに何とかこいつから逃げれるようにしとけ」
「んじゃ、俺の出番だな」
アイスが両手に力を込めて、氷で下水道の壁を壊した。
「これで、後は……。よし、オッケー」
何だ? 壊したところが、魔法陣だらけに……。
「早く、マシュー。ベリウスは大丈夫だから……」
ふと、アイスの言葉によって我に帰る俺……。そして、ベリウス以外がその壊した場所へ逃げた時、
「さらばだ、君の相手は少々きつい。ここは引かせてもらう。今度会うときは、君を絶対倒す」
「……ソレハムリデスネ」
「どうかな……」
全員が逃げた時、壁が氷で埋め尽くされた。
「コレハ……」
「俺の氷は中々壊れないからね。君はもう、追ってこれないよ」
「……マアイイ。ツギハ、アノスガタデイクトシヨウ」
あの姿? 気になるが、今は少しでも遠くへ逃げるのが賢明だろう。
そして、新しく隠れ家を今度は地上に作るのであった……。