第2話 悪魔の世界
悪魔の世界に行く途中、ルシファーが言った。
「何があっても私から離れないでください。悪魔は血に飢えていますから」
「わかった」
正直怖くて怖くて仕方がなかった。だけど、自分が何者なのかを知りたいという好奇心もあった。
「着きましたよ。ここがアザード(悪魔の世界)です」
アザードは白銀の砂漠に以上に大きい城がある世界だった。
「早く城の中に入りましょう。外はたくさん悪魔がうろついていますから」
そして、城の中に入ると、不思議とうれしい感じがした。
「おお! ルシファー、我が主マシュー様をつれてきたのか」
「ああ、ロドス。間違いなくマシュー様だ」
ロドスは空中に浮いていて、見た目は肌は黒く目の色は真っ赤だ。髪は海賊のような帽子をかぶっているからわからない。
「悪魔の力には目覚めたのか?」
「まだみたいだ」
「そうなのか……」
「悪魔の力ってどういうこと?」
俺は不思議に思った。
「マシュー様は悪魔の血を継いでいます」
ルシファーが言った。
「それもただの悪魔じゃない。神の血を半分継いでいる悪魔だ」
ロドスが言った。
「本当なのか?」
俺は耳を疑った。
「本当だ」
ルシファーが言った。
「証拠がみたいか?」
ロドスが言った。
「ああ、見たい」
「じゃあ、俺が一緒に行こう」
ルシファーがそう言うと、気がついたら城の外に俺達はいた。
「そうだな、あの小さいゴブリンと闘ってみるか」
「俺が?」
「そうですよ。マシュー様」
「俺は死なないのか?」
「まず死ぬことはないですね。準備はいいですか?」
「いいだろう。やってやるよ」
ルシファーが砂をゴブリンに投げた。すると、ゴブリンは怒って突進してきた。
とりあえず俺はそれをかわして、蹴りをいれた。だが、ゴブリンはそれを簡単に受け止めた。
そして、俺はゴブリンに投げ飛ばされた。その後、ゴブリンは大きな口を開けて俺を食おうとした。
「くそったれがー!!」
俺は必死に叫んだ。すると、爆発と同時に俺の体から紫の炎が燃え盛った。ゴブリンはもう灰になっている。
「これは……」
「それが悪魔の力だ」
突然、ルシファーの刀のことを思い出した。
「俺にも刀はあるのか?」
「はい。これがあなたの刀です」
紫色の刀。少し刀を抜いてみると、力が湧き上がるような感じがした。
「とりあえず、力を抑えてください」
「どうやって」
「そう念じればできます」
やってみると、炎がだんだん消えていった。
「さあ、参りましょう。私たち悪魔と一緒に。あなたが全ての悪魔の上に立つのです」
俺はこうして悪魔になった。