第14話 戦闘開始
俺とロドスはニアと闘うことになった。
まず、俺は一つ案を思いついたので、ロドスに相談してみた。
「なあ、ロドス。俺はやっぱり一人で闘いたい。強くなるために……。あと、案を思いついた」
「何だ?」
「やつの背後から不意打ちすることで、物理的な攻撃が通るかなと思ったんだが……。どう思う?」
「不意打ちは仲間にするやつにはあまりしない方がいいのだが……。正々堂々と闘って上回ってこそ、仲間にできる。じゃないと、裏切りが絶えんからな」
「そうか……。じゃあ、俺の炎で何とかするから、ここで見てろ」
「……いいだろう。その力を見せてみろ」
「俺は密かに特訓してたんだ。簡単には負けん」
「楽しみだ」
俺は一人で闘うことになった。そう思ったとき、何だか体中から力が漲ってきた。
俺は堂々とニアの目の前に立った。
「……誰?」
何も考えていないような謎の顔をしてニアはそう言った。
「マシュー。炎を操る悪魔だ」
俺はわざと自分の力を明かした。なぜなら、そう言うことで相手はその能力しかないと誤認しやすいからだ。氷の力も持っている俺にとって、この言葉は強力な武器だ。
「……」
だが、ニアにはすべてお見通しのような目つきをされた。本当に謎だ。いったい、どんなことを考えているのやら・・・。
「炎…………」
ニアがその一言を言った直後、俺は吹き飛ばされた。
「なんだ!?」
全くわからない。おそらく風の力だろう。当たり前かもしれないが、攻撃が見えないのだ。空気だから見えないのか!?
「炎は……きらい」
もう目の前にいた。おそろしい早さだ。これが風の力。
「きらい……だと?」
「炎は空気を食らう」
何だと? どういうことだ? 全く理解できないままでいたら、また吹き飛ばされた。
「そして……、悪い空気を出す」
ひょっとして、酸素と二酸化炭素の話か? もし、あたりなら何なんだこいつは!? 本当に意味がわからない。
「きらいきらいって、勝手に言いやがって。反撃開始だ」
俺は剣を出し、悪魔の姿になった。この姿は特訓で制御できるようになった。
「うおおおおおお!!」
俺は炎の力で、爆発を引き起こした。やはり、風に爆発は効果があるようだ。それがわかった理由は、ニアが膝をついたからだ。
「危険は……消すべし」
やはりニアも全力ではなかったようだ。さっきよりも早い。しかも、風の力でできた剣を握っていた。攻撃は何とかかわしたが、切れ味はそうとういいようだ。なぜなら、近くにある岩が、真っ二つになっていたからだ。
「ほう……」
こうして、マシューとニアの激戦が始まる……。