第1話 悪魔 ルシファー
初投稿なので、暖かい目で見てくださるとうれしいです。
悪魔
それは、この世のものではない別の世界にいる知能の高い生物である。そして、力も恐ろしく強い。数も多い。
神
力もあり、知能も高いが、数は少ない。
これはある高校生の物語だ。
彼の名前はマシュー・ボルス。どこにでもいる普通の高校一年生だ。
髪の色は赤、目の色も赤だ。勉強はあまりできない。一方で、運動はかなりできる方だ。
入学式の次の日、彼は帰り道で妙な奴を見る。
仮面をつけたあやしい男だった。
「やっと、見ぃつけた」
その男が、引き裂くような笑みを浮かべているように思えて仕方がなかった。仮面があるため、表情など見えるはずもないのだが。
つまり、彼は怖かったのだ。
ただ怖くて怖くて、その場から逃げ去るために全速力で駆け抜けようとする。
だが、現実は彼の思案をぶち壊す。
全てを否定するかのように。
「マシュー、死ね」
ほんの一瞬で首を掴まれ、その男は腕を高く上げる。それにしたがって、マシューの脚が大地から離れていく。
(なんで俺の名前を……)
俺はもう死んだかと思ったが、何者かによって助けられた。
そう気付いたのは、仮面の男が吹き飛ばされて数秒たった後だった。
「貴様は……ルシファー」
気付けば、知らない男がそこにいたのだった。
何もかもが、彼に考える暇など与えずに、次々と眼前に現れる。
「生きていたのか。頑丈だな」
冗談なのか、ルシファーと呼ばれた男は苦笑しているように見えた。
「うるせえ!」
長い闘いが繰り広げられるかと思ったが、実際はルシファーの刀のひと振りで決着がついた。
そして、ルシファーという男がこっちに近づいて来る。
「マシュー様、参りましょう。私たちの世界へ」
「え!? どういうこと?」
「私は悪魔のルシファーというマシュー様の手下です」
「……」
「とりあえずここは危険ですから、私たちの世界へ行きましょう」
俺は何が何だかわからないままだが、その世界へ行くことにした。