0話その1 冴えない男
自分は『松木瞬平』
40歳目前の冴えない男です。
家族は、妻と小学生の息子・未就学児の娘と4人暮らし。
住まいは一軒家。
仕事は家のローンや学費・生活為、少しでも多く稼ぎたいと営業を選んだ。(実際は営業しか選べなかった)
ここ何年かは日々に追われ、モチベーションが低く、向上心をなくした営業マン……営業成績は言わずもがな生活は楽ではない。
また、楽でない事は他にもありました。
こんなご時世だからでしょうか?仕事で苦労している。
前職での話しだが、7年間勤めた零細企業では、ぽっと出の社長が、会社を良くする為だと絵空事を掲げ、他人の土俵で相撲をとり他人の財産まで使い果たした。
そして、数年で会社を潰した。
次の会社は同族経営会社だった。
同族経営ではよく耳にする身内贔屓の経営から、経営陣に対し従業員の不信感が積もり、大半の社員が退職した。
多くの従業員が体制の変化を望み会社と対話したが、残念ながら願いが叶う事がなかった。
それゆえ、自身も会社にいい未来を描けず会社から離れた。
他には、平均14時間働くブラック企業などなど……多岐にわたり職を転々とした。
現在勤めている会社は、転職回数がかさんだ為、非常に転職活動が大変だった。
苦労し何とか入社出来たものの、仕事の内容や環境が、面接時の話と違う事はもう当然……正直に仕事が続きません。
少し話が変わり家族のことが含まれるが、
結論から言うと、父親が自己破産し実家を失った。
概要としては、信用した奴に都合よく利用され、借金を肩代わりさせられた。
その借金が返せなかった。
聞いた時は、こんな非道な事が自分の身内で起こるのかと、やりきれない気持ちだった。
そして、住む場所が無くなった両親は、姉夫婦と話し合い姉夫婦が、新たにマンションを借り直し、そのマンションで一緒に暮らすそうです。
両親の住む場所が確保できたのは幸いだが、自分には、暮らす場所の相談はなかった。
自分には相談できなかったのか?決定事項を伝えられた。
ちなみに自分は長男です。
親が大変な時に、何もできない。
相談すらされない。
物凄く不甲斐ない。
それなりに、一生懸命頑張って生きて来たつもりだが、いつも歯車が噛み合わない感じです。
ただ、世の中が生きづらく世知辛く感じるのは、世の中や会社だけが原因じゃないのも理解しています。
自分の欠点をあげつらうときりがないですが、欠点を敢えて一つ挙げると……
自己肯定感が低いこと。
そしてどうせ自分なんてと、壁にぶつかったら壁を越えるのを諦め立ち向かわなくなった。
その結果、何も成し遂げられず成長を感じない日々を繰り返している。
現状ですが、妻のおかげで生活は出来ています。
漠然とだが自分を変え、現状打破したい気持ちはある。
生活をよりよくしたいと時折考えるが、結局は行動に移らない。
妻も子も愛している。
努力し自分を変え『家族に誇れる自分になりたい!』と日々考える時がある。
だが、なんだかんだ理由をつけて、何も行動を起こさない。
最低限やれそうなことしかやらないそんな『冴えない男』です。
いつからだろう……やりたい事ではなく、やれそうな事を探し、やりたい事をやれる様に努力しなくなったのわ。