「野党政策責任者協議会」が「国民の敵発見器」になれる理由
筆者:
今回は「野党政策責任者協議会」が「国民の敵発見器」になれる理由について語っていこうと思います。
質問者:
何ですかその長い名前の協議会とやらは……。
筆者:
簡単に言えば、野党の政策を決めるお偉いさんが一堂に集まって政策の一致点を見出し、法律を衆議院に提出する集まりのようです。
これまでは全ての野党の力を結集しても衆議院ですら法案一つを通すことが出来なかったのでこういった組織は「無意味」だったわけです。
しかし、去年の秋以降は少数与党になったために一致団結が出来れば通過できるようになりました。
そのことから、野党の意見を一致させて衆議院だけでも通過させようという発想に至っているわけです。
FNNプライムオンラインの2月5日の記事では、
『立憲民主党が全野党に呼びかけた「野党政策責任者協議会」が5日、国会内で行われ、野党が主導する法案の可決を目指し、各党が政策を持ち寄り協議していくことで一致した。
協議会は今国会では初の開催で、立憲のほか、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、共産党、参政党、日本保守党が出席した。無所属会派「有志の会」は国会日程と重なり欠席した。
協議会後、立憲の重徳政調会長は、「この会派が全部まとまれば衆院を通過させることができる。お互い議論して、何を成立させるか優先順位も考えて決していく」と述べ、来週にも各党が政策を持ち寄って議論を始めると明らかにした。
会合では消費税などの減税を議論すべきだとの意見も相次ぎ、共産と保守は共に「野党が一致できる政策になり得る」との考えを示した。』
と、今の日本の経済を落ち込ませている根本原因である消費税について「減税」レベルではあるものの一致点を見出せるかもしれないとのことです。
質問者:
おぉ……先の衆議院選挙の公約を見ていると共産党と日本保守党ってほとんど一致点は見出せそうに思えなかったわけですが、減税で一致できるかもしれないというのは凄いことですね。
筆者:
そうなんです。
これは非常に画期的なことでして、「右派VS左派」で戦い続けていてはいつまでもまとまらないと思われていたことが、「増税VS減税」と言う別ロジックで協議を進めているという事です。
この状況は僕が目指していた国政の一つの姿であり、自主的にやり始めてくれていることはこの「ねじれ国会」の大きな意味を見出せる可能性があります。
◇「国民の敵」が明確になる
質問者:
でも、よく考えてみれば予算は衆議院で先議権があるものの、法律は衆議院で成立しても参議院で否決されて全く意味が無いような気もします……。
筆者:
確かに、「減税法律が成立するかどうか」という観点から見るとあまり意味が無いように思いますが、「衆議院が予算を握っている」という事実は大きいでしょう。
ただし、法案提出まで至った際には「減税法律を成立させなければ自民予算案には賛成しないぞ」と半ば「脅す」ことも可能になりますからね。
野党独自に意見をまとめるだけの予算を作ることは難しくとも、「予算が自動成立する日程で無くなる」と言うだけで自公政権の求心力は低下しますからね。
参議院選挙で野党に有利に働く可能性が高まります。
質問者:
もしかすると自民党も減税法案に賛成してくれるかもしれないわけですか……。
筆者:
流石に103万円の壁の引き上げすら渋っている自公の増税路線が一瞬にして転換することは考えにくいです。
でも自公が減税法案を参院で弾けば、「自公が明確に国民の敵」と多くの国民が思えることは意義があると言えます。
自公としては「野党から13人裏切れば予算成立」とも見ることが出来るので死に物狂いで野党の切り崩し工作をしてくると思います。
その局面になると「教育無償化」や「トリガー条項発動」などの「餌」をチラつかせることによって「誰かが裏切る」と思いますので、「その裏切り者」の党名・議員をよく覚えておくことが大事になると思います。
それらが「公約上では減税を訴えるものの国民の敵の一つ」であると明確に発覚しますからね。
質問者:
なるほど、これらの構図が表題の「国民の敵発見器」ということですか……。
でも、そもそも「野党政策責任者協議会」が決裂して法案提出に至らない場合はどう判断すれば良いんですか?
筆者:
これは報道されることが前提ですけど、協議会で減税法律に反対した政党を「戦犯」として覚えておく必要があります。
野党提出の法案でも13人裏切ったら終わりなのでほとんど全野党の足並みを揃える必要がありますからね。
今のところ一番可能性が高いのは「減税」についてまさかの「未来世代から搾取する政治」、「財政に責任を持つことが政権交代をする立場として責任ある態度ではないか」と25年1月22日に発言している野田代表のいる立憲民主党です。
質問者:
野党第一党が一番の壁ってどう言う事なんですか……。
筆者:
政治家はすぐさま発言を翻すのは“習性“とも言っていいので、たまには良い意味で翻して欲しいですけどね。
現実的に考えられそうな落としどころとしては、
立憲民主党と国民民主党は「給付付税額控除」という低所得者向けで所得に応じた給付金額を決めると言う何とも面倒くさい制度を前々から主張しています。
立憲民主党が核となって始まった集まりですから、減税ぐらいでしか一致できない中で「何の成果も得られませんでした」で終わるとは考えにくいです。
最終的にはこの考え方に近い形の法案が提出されることになるのではないでしょうか?
「奪ってから配る」という制度そのものが新たに利権になる可能性はありますが、
国民負担軽減には確かに繋がるので何もしないよりかはマシだとは思います。
(奪ってから配ると必ず金額や事務にロスが出るので最初から減税した方が国民の手取りは増えます)
質問者:
どうしてか分かりませんけど、給付することも「減税」と定義するのが政治家の方々ですよね……。
逆に社会保険料は「税金とついていないから税じゃない」という謎ロジックすぎます……。
筆者:
立法する方々ですから「定義も思いのまま」なんでしょうね。
そんなニックネームはどうでもいいんですけど、「実際に国民がどう感じるか」が大事だと思いますよ。
「税金が重すぎる」ことと「政治家は仕事をしていないのに給料をもらい過ぎている」「政治家はもっと減るべきだ」と一般日本国民が感じている時点でもう政治家の方々は「失格」と言っても過言では無いですよね。
質問者:
いずれにせよこの「野党政策責任者協議会」で「減税若しくは給付でまとめられるか」「まとまらない場合はどの政党が戦犯(国民の敵)か」が分かることはとても意味があることなんですね?
筆者:
ええ。そういう意味で「国民の敵発見器」なのです。
今、日本国民のほとんど全てが物価高で苦しんでいると思います。
体感では15%の物価上昇と言うデータもあるぐらいですからね。
例え減税法案提出にこぎつけなかったとしてもこの協議会の内容が表に出て「国民の敵」を炙り出すことが出来る可能性が高くなるという意味は大きいです。
何せ次の選挙の投票先として選ぶ際に、非常に大きな指標になりますからね。
質問者:
参議院選挙に向けて実は今から始まっていると言って良いんですね……。
筆者:
何だかんだで国会が国会議員にとって最大のアピールポイントの場でありますから、
ある意味当然と言えば当然なんですけどね。
その中で「野党政策責任者協議会」と言うのは密かに分かり易く、次の選挙で投票先をどこにするのか? (特に減税目線では)という意味で非常に重要になると思いますので皆さんも注目していただければと思いますね。
この協議会の結論・法律の動向につきましては、僕がウォッチしていきますので、続報を知りたい方はまたご覧下さいね。