『宮本輝問題』
『宮本輝問題』
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宮本輝は、とにかく長編を書ける作家ですね。宮本輝と言えば、自分にとっては、太宰治賞を獲得した、『泥の河』が好みです、雰囲気が、何かお金のない世界観と言ったら失礼かもしれない問題です。実際、芥川賞もとってますし、売れてる小説家ですから、お金はあるでしょうが。
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しかし何といっても、繰り返しになりますが、お金は持ってそうなのに、貧乏な感じを受ける小説家、と言えば、大変失礼ですが、それこそが、宮本輝の世界観だろう問題です。本当に、貧乏な雰囲気とか言って、すみません。
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その世界観は、ただ、自分の今の境遇を俯瞰するに、すごく合うんです。どこか、暗闇で、金貨を探す様な、暗い感じが、小説を読んでいて、心境にすごく合います。『泥の河』は、何度も読みました。宮本輝問題は、お金はありそうなのに、小説が、お金がない世界観、という問題です。