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幕間

『リヴァイアサンもあんなの付けられて大変そうだったな。』

『そうね。でもそれはあなたもあなたも同じよ、アリエル。空間はまだしも、目は使う必要がなかったんじゃないの?』

『使う必要があったかと言われたらないが、……確実にこの未来を引いた方がよかったからな。』

『……ずいぶんな子煩悩ね。昔のあなたからしたら信じられないわ。』

『そうかもな。ノエルの言っていたことが最近理解できてきた。あいつを親バカだと思っていたが、どつやら世の親というのはこういうものらしい。』

『ふーん。精霊の私にはわからない話ね。私からしたら親は王様だもの。』

『……私からしてもそうだ。オリヒメはノエルが今何してるのか知ってるか?』

『アリエルが知っていること以上のことは知らないわ。あなたがあの祠に入ってすぐに私も眠ってしまったし。』

『ケンギュウの気配は感じるか?』

『いいえ。あなたが渡した棺を使ってこの世界にありながら異空間に飛んでいるのか、もしくは死んでしまっているのか。どちらの可能性もあるわね。

 でもロキの方はいいの?もう死んじゃってる?』

『ロキは心当たりがある。まだ確信が持てたわけではないが、死んではいないだろう。』

『あら、そうなの?ならもしかして早くもピースが揃いそうってことかしら?』

『ああ、そうなる。本当にヨミに会えてよかったよ。』

『また親バカ。少し妬けてくるわね。』





「……この気配。まさか、叔母様?」

「叔母様?あんたに家族なんていたの?」

「遠い昔の話だ。それにお母様と一緒に死んでしまったはずだし。」

「じゃあ気のせいなんじゃない?そもそもあんたって自分の年齢覚えてないでしょ。」

「しっかり覚えているわ。そこまで耄碌してない。6659歳だ。誕生日は違うが、姉上と同じだから忘れたことはない。」

「……ロリババアめ。」

「!?カレン、いまとんでもないことを言ったな!?喧嘩か?喧嘩なのか!?」

「気のせいよ。それにここで喧嘩なんてできないでしょうに。」

「気のせいなことがあるか!私の耳は確かに聞いたんだぞ!」

「はいはい。それよりもあの子はあのままでいいの?」

「はいはい、じゃないぞ、まったく。あの子……ノアのことか。」

「それ以外いないでしょ。彼女、とんでもなく強いわよ。あなたのお抱えの精霊騎士以上に。」

「リヴァイアサンと一人で渡り合えていたからな。それはそうだろう。だが、許すわけにはいかないな。賊を討伐したら考えてやらんでもないが。」

「ふーん。でも私は手を貸すことにしたわ。」

「勝手にしろ。」

「……相変わらずずいぶん窮屈そうね。」

「?何か言ったか?」

「なにも。それより二人の気配が近づいてるわよ。入れるの?」

「……入れないわけにはいかない。許すつもりはないが、とりあえず話は聞いてやらないとな。」






「……。叔母様?この力、この魔力。違いない。これは、叔母様。」

「陛下?いかがされましたか?」

「ふふふ。随分待った。ようやく復讐できる。お母さま、待ってて。あと少し。」

「……?」

「運命は残酷。すべての超越者たちがこの時代に邂逅する。そうすればいくらあなたでも、終わらせられる。」

「陛下?」

「……話を遮った。戦争の委細は全て任せる。でも始める前にカリギュラを待て。あの街をもし落とせたら戦略を変える。」

「はっ。おそらく勇者、剣聖、精霊王の3名が出てくるかと思いますが、陛下はご出陣さないますか?」

「無駄。私が出たら戦争の意味がない。一瞬で戦争が終わる。それにそもそも超越者でありながら人の戦争に干渉するのが不条理。」

「かしこまりました。ご聖断、拝受いたします。」

「ん。……お前にだけは言っておく。これが最後の戦争になる。」

「はっ。なぜ最後になるか伺ってもよろしいでしょうか。」

「叔母様が目覚めた。それが根拠。そろそろ限界。」

「陛下の叔母様ですか。」

「そう。彼女の名前はアリエル。救世の真祖、神威のアリエル。分かる?」

「は、はい。私も幼い時に神話を読み聞かせられましたから。ですが、実在したのですね。」

「ん。お母さまの妹、だったはず。」

「……なるほど、そういうことですか。では、これまで以上に地獄を作る必要がありますね。」

「ん。任せた。私はお母さまに会いに行く。」

「かしこまりました。以後のことはお任せください。」

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