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そんなこと知るか、私は帰って寝ます!!

魔法使い:系統


火:赤炎と蒼炎に分けられる。


赤炎は瞬間火力そのものは高いが、攻撃範囲は狭い。

蒼炎は瞬間火力はそこまで高いわけではないが、攻撃範囲が広い。

「いや、違うよ。ヨミが他の下位の冒険者にバカにされていることに気づいているのは知ってる。そうじゃなくて、喧嘩の原因になってしまったことの方だよ。」


 ギルマスはそう訂正してきました。


「まあどちらでも同じことです。ここのギルドの冒険者にどんな扱いを受けようがもう興味を持てません。なのでもうこの街からおさらばできると思うと心が楽ですよ。」


 本当に本心からそう思います。これまでは勇者様にも頼まれていた3人のパーティーメンバーがいましたが、もういませんからね。私をこの街に縛り付けるものは何もありません。


「そっか。うん、愚問だったね。ごめん。


 それにしてもあの双子が居合わせなくてよかったよ。今はダンジョンのマッピングをしてくれているからあと一週間くらいいないんだけど。あの二人だけはヨミに心酔してたからね。もし昨日の現場に居合わせてたら被害がこれ以上になるところだった。」


「まあ、あの双子は経緯が経緯ですからね。」


 あの双子、ことアリスとイリスは私と同じCランクのタッグで、私に好意を寄せてくれる数少ない、いえ激レアな存在です。まあ前のスタンピードで命を助けてしまった事とその後の私の本気を見られてしまった事が原因ですね。


 今ギルドで陰口を叩かれているだけなのは彼女たちが睨みを利かせているからというのもあります。もし彼女たちの前でそんなことを言おうものなら最低でも一週間は動けなくなりますからね。


「僕も彼女たちからは嫌われているからね。仕方のないことだけど。」


「諦めてください。それより本題です。これ、買い取って下さい。」


 長く立ち話をしてしまいましたが、正直眠たいのでもう帰りたいです。腰に付けたアイテム袋を指さしながらギルマスに問いかけます。

 樹海の魔物なので常設の依頼という形で常にあるはずです。


「うん、いいよ。じゃあここで出されても処分に困るから解体場でもらおうかな。こっちまで来て。」


「分かりましたよ。」


 冒険者ギルドの中に右側には依頼を受ける時に手続きをする窓口があるんですが、左側には魔物の解体をするための解体場があります。どちらもギルドが開いているときは常に人が常駐しています。特に魔物の解体とかは一人で一体はできないので10人単位でいますね。朝でもそれくらいはいるはずです。


「そういえばどこ行ってたの?ダンジョン?」


「いえ、樹海です。少し魔法のトレーニングをしようと思って行ったら朝になってましたね。」


「おお……。随分頑張ったんだね。」


「まあ徹夜で魔法の訓練とかは昔はよくやってたので大したことはないんですが。ですが、いた時間が結構長いのでたくさん倒してしまいました。今いる人だけで足りますかね?」


「大丈夫だと思うけど、もし間に合わなければギルドのアイテム袋で回収しとくから安心だよ。しっかりお金も払うから大丈夫だよ。」


 なら安心ですね。ふう、早くこの重たいアイテム袋を空にしたいです。


「それにしても樹海に行ったんだ。何か変化はあった?」


「……ああ、そういえばゴリルが何か言ってましたね。私が見た中では特に何もなかったように感じましたけど。何か情報が入ったんですか?」


「うん。実は魔物の数が減っていてね。もしかしたら普段ならこの樹海に現れないはずの強い魔物が出たかもしれないって思ったんだ。」


「どうせあれじゃないですか?エルフが定期的に大量に狩っていくことがあるじゃないですか。その時期なんじゃないですかね。」


 ちょうど樹海の反対側にあるエルフの里の住人が総出で魔物を狩ることがあるんですよ。何があるのかは知りませんが、たまに樹海の魔物が減ることはあります。そんな気にする必要もないと思いますけどね。


「うん、僕も最初はそう思った。でもね、まあここだけの話なんだけどあれの原因はエルフの里で祭りがあるかららしいんだ。その時に他の種族も里に招くから必要以上に魔物を狩るんだけど、今はその時期ではないんだよ。」


「はあ。祭りですか。」


「そう、収穫祭だね。彼らは普段は肉は食べないんだけど、ドワーフとかは食べるどころか主食だからね。


 で、その時期ともずれているから今の魔物減少の原因はエルフではないんだ。となると、樹海の魔物がおびえるほどの魔物が現れたって予想がつくし、対策も一応打っておこうっていう感じでゴリルのパーティーに伝えておいたんだ。君と、あと双子にだけ教えておこうと思って。もしものときは前に立ってもらうかもしれないし。」


 ええー?本当に私が前に立たないといけないんですか?いや、確かに私はCランクですけど。でも彼らも私に守られるのは嫌なんじゃないですかね。


「何を言っているのかよくわかりませんが、とりあえずここに全部出しておくので査定だけお願いします。お金は夜受け取りに来ます。では。」


「いや、ちょっとま……!」


 ええい、うるさいですよ。今そんな厄介なこと考えられるはずがないじゃないですか!!さっさと帰って寝るんですよ!!

登場人物紹介


ヨミ(人間)


体力:C

魔力:A

物理:D

魔法:A

総合:C


吸血鬼になる前のヨミ。このころから基本的に夜型で昼間はボーっとしていることが多かった。ただ、その実力は折り紙付きで、魔法使いとしては冒険者の街、ウリオールでは隣に立つものはいないと言われている。また、近接戦闘をする姿を見たという声もあるが、なんでも及び腰でとても見れたものではなかったそうだ。


「うっさいですね!私はこれでも魔法使いなんですよ!まあこれでもデュアルキャスターなのでソロ活動もできますし、近距離戦闘もできないわけではないですがそれも魔法があってこそです。」


と、普段は丁寧な口調だが、たまに口調が悪くなる。自分の魔法に自信があり、しかしその自信の裏には血反吐を吐くほどの努力がある。そしてSランク冒険者の“勇者”と面識がある。

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[気になる点] >「それにしても樹海に行ったんだ。何か変化はあった?」 >「……ああ、そういえばゴリルが何か言ってましたね。私が見た中では特に何もなかったように感じましたけど。何か情報が入ったんですか…
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