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冒険者の異変

「はぁ、はぁ。……おい、なんかおかしいぞ。」

「ああ。突然空気が重くなったような……。少なくとも普段の街とは全然雰囲気が違う。」

「これも魔物が街に出た弊害なのかもね。どうする?一旦引き返す?」

「それはダメだ。まだ、全然魔物の気配が強い。魔物が大量に残ってるんだろう。それに普段見かける魔物よりも凶暴だ。」

「だが、ダンジョンの中よりも不気味だぞ。情報くらいは本部に渡しておくべきだ。」

「じゃあお前達だけ本部に行ったらどうだ?俺たちは前に進む。」

「ダメだ。この非常事態に戦力の分散は許されるわけがないだろう。」

「ふざけんな。俺たちはさっさと功績立ててここからおさらばするんだよ。」

「……仕方ない。もう少し魔物を倒すぞ。奴らが来る方向を遡れば、こいつらの発生源があるかもしれんしな。」


 冒険者達が街に飛び出して少ししてからのことである。ちょうどヨミが男とカレンの戦場と領主館の中間地点あたりで意識を落としてしまったのだ。

 それと同時にヨミの空間魔法も自動的に解かれ、街の南部一帯が男の深淵(アビス)の影響化に置かれている。


 冒険者は気付かぬうちに魂を攻撃され、着々と男の魔の手が迫ってきている。

 その手が魂を掴んだ時、その冒険者は男の傀儡に成り下がることになるだろう。


 だが、それは彼ら冒険者の場合である。強くなるために肉体と精神を鍛えている彼らは普通と比べると強い魂を持っている。


 ーーーでは、()()()()()()()()()()、どうなるだろうか。


「クソッ!一体一体の魔物が下位とは思えねぇくらい強いぞ!ゴブリンもオークも!」

「全くだ!訳がわからんが、進化個体と同じくらいだ!」

「上位者とかがまだ残ってたら俺たちでも危ないかもな。」

「……おい、アレ見てみろ。何だアレは?オーガか?」

「はぁ?オーガなんて何処に……。」

「いや、確かにいるぞ。あの奥だ。デカいな。」

「まさかオーガまでいるとはよ。単純に考えてもハイオーガクラスか。」

「おし、こいつを倒したら一度引き返すぞ。倒せるだろうが、これまでの消耗を考えても怪我人が出てもおかしくない。」

「チッ。仕方ねぇな。……お前何震えてんだ?まさか怖気付いたのか?」

「ち、違う!違うんだ!アレは、あの人はオーガじゃない!」

「はぁ?またお得意の鑑定がなんか言ってんのか?」

「違う!()()()()()()()()()!魔物なら種族と弱点が見えるはずなのに!」

「は?!何言ってんだ!こんな魔物の巣窟に人間がいるはずがねぇだろ!」

「僕もそう思った!でも、魔物じゃないとしたら……!」

「話は後だ!来るぞ!!」


 オーガらしきそれはその顔を狂気に染め、冒険者たちに襲いかかった。

 大慌てでタンクが前衛に立ったが、3メートル近い巨躯から放たれる攻撃はまだCランクである彼らに受け止めることは不可能であった。その威力はBランクやAランクでも受け止めることができたか不明である。

 だが、彼らであれば受け取ることはできずとも受け流したり躱したりできたであろうが、彼らではその攻撃を受け流せるほどの技量も経験もなかった。


 戦闘開始数秒で守りの要が落とされた冒険者たちは、流石はCランクと言える対応を見せた。残った人員で体勢を立て直し、オーガらしきそれを前衛組が囲んだ。


「注意は俺たちが引く!攻撃は魔法主体だ!」

「あの攻撃じゃなきゃ多少受けることはできるはずだ!隙を与えるな!」

「背後をとったら迷わず突っ込め!魔法はタイミングを見て撃て!」

「さっさと倒して引くぞ!死にはしねえだろうがあの吹っ飛びようだ、変なとこが折れててもおかしくねぇ!」


 前衛が背後から攻撃をしかけ、注意を引き続ける。一人に集中しないように、それぞれが判断を下しながら嫌がらせのように攻撃を続けた。

 それが30秒ほど続いた後、オーガらしきものは背後から攻撃されるのにイライラしたのか、大きく暴れ出した。巨木のような腕を振り回し、目についた周囲にあるものを片っ端から蹴り上げた。


「今だ!!」


 パーティーリーダーの一人が大声を上げた。それを合図に後衛の魔法使いが一斉に魔法を放った。炎の槍と氷の雨が襲い掛かり、闇の鞭が動きを止め、雷の槌が頭上から勢いよく落ちた。


「退くぞ!急いであいつらを回収しろ!!」




「全く一体何が起こってんだ。この空気といい魔物といい、嫌な予感しかしねぇ。」

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