誕生
おかあさん、ごめん
泣かないで
わたし、もう
苦しくないから
ありがとう
大変だったよね
こんな病気の子 抱えて
でも、わたし
おかあさんの子で 幸せだったから
伝えたいけど
もう手もほとんど動かなくて
目も少ししか動かせなくて・・・
笑ってよ
おかあさん
最後に見るのは
泣き顔じゃなくて
笑顔がいいな
って・・・ムリか
だよね
だいじょうぶ
わたし もう
痛くも苦しくもないから
もうほとんど
何も感じないから
おかあさんの顔
ぼやけてきた・・・
視界も狭くなってきた・・・
あんまり
考えられなくなってきた・・・
おかあさん・・・
あのね・・・
あれ?
ここ、どこ?
わたし
どうなったの?
あ
なんかいいにおい
これ
おっぱい?
あ
おっぱい
おいし
おなか らく
わたし
あかちゃんになったの?
このひと
おかあさん?
でも
かお ちがうよ
あ
あたらしい おかあさん?
はじめまして
ふしぎな えがお
おっぱい
おいし
まえのときも こんなだったのかな?
おぼえてない・・・
まえのおかあさんも
はじめは
こんなふうに わらってた?
ごめんね
苦労ばっかりかけて
悲しませちゃって・・・
「あらあら、どうしたの? 泣き出しちゃった。ほうら、よしよし」
あ
からだ ゆすられてる
ごめん
あたらしい おかあさん
ちがうことでないたの
わたし
だいじょうぶだから・・・
ん
おっぱい
おいし
となりのひと だれ?
あたらしい おとうさん?
それとも
おいしゃさん?
おっぱい
おいし
いいにおい
なんか
ねむくなってきた
くふん
ねむっちゃお
・・・・
「あら、寝ちゃったわ」
「かわいいなあ」