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お題シリーズ4

舞台からの退場 怪我

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/07/29

 


 子供の頃から、それになりたいと思って、ずっと夢を見ていたの。


 それから少しだけ成長した頃。


 私は、その夢を実現させるために、毎日頑張った。


 体力がついてきた頃には、自分で練習メニューなども考えて、栄養バランスなども工夫して。


 一日も無駄にすることなく。


 努力して、努力して、それでやっと叶える事ができた。


 それが今から、一年前の出来事。


 私は、夢を現実にしたと思った。


 これからは夢の世界で生きていけると、そう思った。


 その時は。


 なのに、夢の舞台から降ろされる時は一瞬だった。


 私はその夢を手放さなければならなかった。


 今から、たった半年前。


 事故だ。


 そのせいで。


 今の状況になった。


 もう、一生なおらない。


 って、医者からいわれた。


 どんなに頑張ってリハビリしても、無理なものは無理。


 元には決して戻らない。


 だから諦めるしかなかった。


 ずっと車椅子での生活は気がめいりそうだけど、きっとその内に慣れるはず。


 だから、もう。


 そういうのはいい。


 言わないでほしい。


 こちらの気も知らないで。


「諦めないで」


「諦めなければ夢は叶う」


「努力は必ず自分を助けてくれる」


 そんな言葉で私を追い詰めないで。


 実らない努力だってある、世の中には。


 沈んだ気持ちでテレビをつけると、どこかのニュース番組がやっていた。


 今年は大きな世界大会がある。


 番組に出演している者達が、陸上種目のメンバーについて述べていた。


「怪我さえなければ、今年の大会に出場したいたかもしれないのに、惜しい選手です」


「今は大変でしょうけれど、頑張ってまた戻ってきてほしいものですね」


 そんな日は永遠にこない。


 私はテレビの電源を切った。



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