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お題シリーズ4

舞台からの退場 怪我

作者: リィズ・ブランディシュカ

 


 子供の頃から、それになりたいと思って、ずっと夢を見ていたの。


 それから少しだけ成長した頃。


 私は、その夢を実現させるために、毎日頑張った。


 体力がついてきた頃には、自分で練習メニューなども考えて、栄養バランスなども工夫して。


 一日も無駄にすることなく。


 努力して、努力して、それでやっと叶える事ができた。


 それが今から、一年前の出来事。


 私は、夢を現実にしたと思った。


 これからは夢の世界で生きていけると、そう思った。


 その時は。


 なのに、夢の舞台から降ろされる時は一瞬だった。


 私はその夢を手放さなければならなかった。


 今から、たった半年前。


 事故だ。


 そのせいで。


 今の状況になった。


 もう、一生なおらない。


 って、医者からいわれた。


 どんなに頑張ってリハビリしても、無理なものは無理。


 元には決して戻らない。


 だから諦めるしかなかった。


 ずっと車椅子での生活は気がめいりそうだけど、きっとその内に慣れるはず。


 だから、もう。


 そういうのはいい。


 言わないでほしい。


 こちらの気も知らないで。


「諦めないで」


「諦めなければ夢は叶う」


「努力は必ず自分を助けてくれる」


 そんな言葉で私を追い詰めないで。


 実らない努力だってある、世の中には。


 沈んだ気持ちでテレビをつけると、どこかのニュース番組がやっていた。


 今年は大きな世界大会がある。


 番組に出演している者達が、陸上種目のメンバーについて述べていた。


「怪我さえなければ、今年の大会に出場したいたかもしれないのに、惜しい選手です」


「今は大変でしょうけれど、頑張ってまた戻ってきてほしいものですね」


 そんな日は永遠にこない。


 私はテレビの電源を切った。



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