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第二回反省会

《異界》


「…………」

「…………」


 魔王を倒し、再びこの世界に戻ってきたというのに、俺はまたここで正座をさせられている。


「あいつ、男でシ?」

「……はい」

「はい、じゃないでシが」


 そして前とほぼ同じやり取り。


「まさかとは思うけど、男もイケる口でシか?」

「んなわけあるかぁ! 男の娘でもギリアウトなんだぞ!」

「そのギリギリ加減はちょっとした拍子にうっかりセーフに転がりそうでシね」

「ばばば、ばっきゃろぅい! ジータがあと5年若かったら分からなかったけど、それでも最後の一線は守ってたわい!」

「その一線を越えられないから死んだんでシが」


 その通りである。

 今回も1ヶ月期間で死んでしまった。

 しかもジータと感動のハグの最中に。

 トラウマになってなきゃいいけど。


「というかアイツ以外にも女はいたのに、どうして二人っきりで旅してたんでシか?」

「あの旅についていけるだけ強い子がいなかったんだよ!」


 そう、魔王を倒す為に様々な手段を考えたものの、ジータと二人で旅をするのがベストだったのだ。

 その証拠に魔王討伐までキッチリ1ヶ月かかった。


「本当にそれだけでシか?」

「ごめんなさい! 実は一緒に旅しようと思った女の子がジータしか見てなかったから無理だと諦めました!」


 そう、実は旅の最中に仲間になりそうな女の子はいた。

 だけどその子の視線はジータに一直線、俺はただの背景である。


 うん、実際にその子を助けたのジータだから当然なんだけどね。

 でも多分そのまま旅してても俺に一切脈なかっただろうし。

 あと他の女の子を入れても皆ジータに夢中になってたと思う、あいつ顔綺麗だし、ファッキュー。


「魔王討伐に使う時間をモテに使えばワンチャンあったかもしれないのに、どうして諦めたでシか」

「うっせぇ! 魔王を倒す為に旅してんだからそこ忘れたら駄目だろ!!」

「なんと不器用な男、だからモテないんでシ」


 知ってる。

 だから俺は今でも清い身体なままなんだ。


 いやまぁ器用に生きててもモテたかどうかは分からんけども。


「む、いい世界を見つけたでし。ここならきっとモテモテになれるでし」

「本当ですかお釈迦様!?」

「神でシ、仏教とは関係ないでシ。因果を繋げておくから、いきなりハーレムパーティーを組めるでシ」


 やったぜ!

 これで俺もモテモテパラダイスな主人公だ!

 女の子が部屋の前に並んで毎晩アヘアヘできるんだ!


「それじゃあ今度こそハーレムやってくるでシ」


 そう言って神様が触手で俺を掴み、ブンブンを振り回す。


「ちょおおおおおお! なにしてんすかああああああ!?」

「ちょっと遠くにゲートに作ったから、投げるでシ。どうせ異世界転生するんだから気にするなでシ」

「死ぬから何してもいいって思うなよおおおおおお!!」


 そうして俺は音速を体験し、また別の世界に旅立つことになった。



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