第一回反省会
《異界》
「…………」
「…………」
「なにか言うことはないでシか?」
「……はい」
「はい、じゃないでシが」
魔王を滅ぼして世界を救ったというのに、何故か俺は邪神様に正座させらている。
世界を救った勇者にこれは如何なものか。
「なんで正座させられてるかわりまシか?」
「……魔王が解呪じゃなくて攻撃に転じてたら負けてた可能性があったから?」
「違うでシ! 一ヶ月以内にエッチしないと死ぬって言ったのにどうして一ヶ月で魔王を倒してるんでシ!」
「俺だって何とかしようとしましたよ!! 一ヶ月あれば出会いがあって、あとはなんかいい流れでいけるって思ってましたよ! だけど出会いなんて一切なくて気がつけば締め切り直前だったんですよ!」
「確かあの国にはお姫様がいたはずでシ。魔王討伐の功績で婚約すればよかったんじゃないでシか?」
「あのお姫様には立派な婚約者がいたんだよ! 殺すぞ!!」
「む、寝取られになるでシか。それは禁忌でシね」
良かった、この邪神は良識のある邪神だった。
もしも関係ないからやれって言われてたらこの裏ボスとの戦闘も覚悟してたところだ
「とにかく、俺一人じゃあどうしようもないです! 神様ならなんとかしてください!」
「仕方がないでシねぇ。じゃあ次の転生はそこら辺を調整しておくでシ」
今この邪神様、なんて言った?
次の転生? 次あるの!?
「それじゃあ次の世界を見つけたから行って来るでシ」
「またイキナリかよおおおおおおお!?」
触手に警戒していたのだが、今度は地面に穴が空き、その虚空の中に吸い込まれたと同時に俺の意識が途切れた。