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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

あなたに好きと言えたなら

夜にぱっと思いついた短い物語です。

頭を空っぽにしてサラッとお読みください

この物語があなたの大切なものになれますように。


8/17 少し文章を足し引きしました

もし、明日世界が滅んでしまうとしよう。

そんな時、あなたなら何をする?


家族に感謝を伝える

友達と最期に遊ぶ

好きな人に告白する


私は迷うことなく、好きな人に告白するだろう。

でも、これは所詮口だけ。

臆病な私には告白なんて大それたこと、絶対出来やしない。


それに、私がこの気持ちを伝えたところで、彼は困ってしまうだろう。

だって、彼には好きな人がいて、私は単なる相談相手。

そんな私が告白したところで失敗の未来しか見えやしない。


世界が滅ぶことがなくたって私は気持ちを伝えることは無い

私は臆病で愚かな人間なのだ。

そんなこと出来ない、


だって休日私が街でぶらぶらしていて、あなたを見つけた時、

あなたの隣には可愛い女の子がいて、

あなたの顔はまさに幸せの真っ最中ですって顔だった、

今にもスキップをし始めてしまうような、そんな顔

貴方が幸せならそれでいいと笑顔で言いたいけれど、それは無理、嫉妬が憎悪が羨望が。

真っ先に私を覆い隠す。


それにあなたは彼女の話をする時、とても嬉しそうな顔をする。

彼女の機嫌が悪い、何をすれば喜ぶのか、どんなプレゼントがいいとか。正直どうでもいい、

私もあなたのせいで機嫌が悪いというのに、君は彼女をいつも優先してる。

私の機嫌には鈍感なくせに、彼女の機嫌の変わりにはすぐ気づく。

分かってる、それだけ彼女が大切なんだろう。


私だって最初は希望を持っていた。

もしかしたらその彼女は私なのではないかと。

でも違った。

あなたは、私に女の子が貰って喜ぶものや、デートはどこが嬉しいか、

そんなことを聞いてくるけれど、私は物を貰ったり、デートに誘ってもらったりしていない。

それに、女の子がもらって嬉しいものを、そもそも聞かないはずだ。


そんな時、街中で2人を見つけてしまったら

もうそれは、恋仲なのだろう。恋仲でもない男女が休日にくっついて喋っていることなんて中々ないだろう。しかも二人きりで。

もう、諦めろという神のお告げなのだろうか。

全く気が滅入ってしまう。


その日から、私は彼を避けるようになった。

だって、彼にあってしまったら

私の気持ちが爆発しそうで

彼の幸せな日常も、私の今までの我慢を壊してしまいそうで

なんだか怖かったから。


私が無視をする度、あなたは悲しそうな顔をする

そんな顔をしないで。

そんな顔をされたらもっと気持ちが抑えられないから。

あなたに隠している私の一面が見えてしまいそうで。


それから私たちは1度も会話をすることなく卒業した。

勿論、授業で喋ることはあったが、相談なんて受けなかった

というか聞かなかった。話しかけられても無視をした。

次第に貴方は私に話しかけなくなった。苦しかった。自業自得なのにね。



それから十数年たった今でも、あなたのことが忘れらない

昔交換した電話番号に、昔喋っていたメールの内容

全部全部忘れないように保管してある。

でも、この電話番号にかけることはもうない。

きっと今はスマホの時代。こんな古臭いガラケーなんて捨ててしまっているだろうし。

もし、彼が持っていたとして、今になって連絡なんてしたら彼が困ってしまう。


だから私は彼に連絡しない。そう、決めていたのに。


私はもう、あなたのいない生活なんて耐えられないのだ。

十数年間、ずっと我慢してきた。

でも、もう無理だ。

だから私はもう無理なんだ。



あなたに好きと言えたなら、私の人生は変わっていただろうか。

あなたに好きと言えたなら、あなたの人生は変わっていただろうか。

あなたに好きと言えたなら、私の見る景色は色付いていただろうか。

あなたに好きと言えたなら、私は苦しむことなんてなかったのだろうか。



こんなことでしかこの気持ちを終わらせることしか出来ない私は、

とっても愚かで、馬鹿で、意気地無しで、臆病で、穢れているんだ。


波の音が心地よく思える綺麗な場所で、

景色を綺麗だと思えない、景色に色をつけられない私が。

最後に、もうきっと、このメッセージは見られることがないけれど。

最後に、私はあなたに伝えたい。

この、言葉を。

あなたが見ていなくとも。

私は伝えたい。


私は、海に溶けていく。




僕は、君のことが好きでした。

生まれ変わったら、もし、生まれ変わりがあるのなら

君とは違う身体で、

君のことを愛していたい。

このメッセージはどうせ届いていないのだと思うけれど。

これだけ言いたい。



ずっと好きでした。






あなたに好きと言えたなら [完]

読んでいただきありがとうございました。

作者のモチベになりますので、是非評価をよろしくお願いいたします。

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